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カウン字|数値

nu -nu

12 0 時間(秒)

ある9人集合、 全員の時間経過に伴う脱出距離の変動 240 180

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図3-1-19

4、 脱出過程の分析

図3・1・16は9人集合全集合、 図3・1-17は6人集合全集合、 図3・1・18は3人集合全集合 それぞれの時間経過に伴う脱出者の累積数を示したものである。 1本の折線が1つ の実験集合に対応する。 9人集合の場合には10集合の実験をおこなったので折線は 10本ある。

図3・1・19は図3・1・16の中で矢印で示した実験集合の時間経過に伴う進行距離(縦 軸の100が脱出成功を示す)の変動を示している。 ここでは1本の折線が、 1人の被 験者の進行距離の変動を示している。 ゆえに9人集合の場合は9本の折線が重なる。

進行距離の低下は攻撃や譲歩手段の行使によって生起する。

この4つの図は次のことを示している。 1)最初の脱出成功者の出現時聞が集合全 体の脱出所要時間を ほぼ決定する。 2)図3・1・19に示されているように、 進行距離の 変動は、 時間経過とともに次第に振幅が大きくなり、 ついに最初の脱出成功者が 出現するという経過をたどる。 3)サイズが大きい集合ほど、 そして脱出所要時聞 が中程度の集合では、 図3・1-19のように最初の脱出成功者と第2の脱出者との閣の 時間間隔が長くなる傾向がある。 しかし脱出に極端に時間がかかった集合ではそ のような傾向は見られない。 4)脱出所要時間に関する集合間の格差はサイズが小 さい集合ほど大きい。 即ち脱出するのに極端に時間がかかる集合と短時間で終了 する集合が存在する。

考察

本実験の目的は、 険路状況における出口での人々の混雑や競合の発生と脱出効 率の低下は、 少数の利己的な人の存在によるものか、 あるいは集合成員の平均的

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な活動レベルの上昇と譲歩傾向の低下によるものかを明らかにすることであった。

そのために集合サイズの増大に伴って出口の幅を広げることによって集合成員i人 当たりの出口の幅を一定にし、 利己的な少数者の競合により出口がふさがれる可 能性が集合サイズにかかわらず一定になるようにした。

実験の結果、 図3・1・13に示されているように集合サイズの増大に伴いに脱出所要 時聞が長くなることが明らかになった。 もし脱出効率の低下が利己的な少数者の 長時間にわたる競合のみによるものであれば図3・1-13のような結果にはならなかっ たはずである。 大きいサイズの集合の脱出効率の低下は、 図3・1・14に示されている ような集合成員1人当たりの脱出活動量の増大と、 図3・1-15に示されているような 譲歩傾向の低下によるものと考えられる。 大集合の中では人は競争的になり、 攻 撃的にまでにはならないものの譲歩の気持ちを失う傾向があるのかもしれない。

以上の結果は、 集合サイズに比例する形で出口の広さを広げたり数を増やして も緊急事態では脱出成功率を一定に保つことは出来ないことも意味している。 建 物の収容能力が増大すればするほど、 加速度的に出口を広げる必要があるかもし れない。

それでは何故、 緊急時の陰路状況で、 集合サイズが大きい場合に人々は競争的に なり、 譲歩しなくなるのであろうか。 その理由として、 例えば集合サイズの増大 によって集合成員が集合の中に埋没し匿名状態となり、 通常は抑制されている、

利己的で食欲で破境的な反社会的行動が放出されるといった没個性化

(Zimbardo,1970)のメカニズムが考えられる。 また集合の中では、 成員の生理的覚 醒水準が上昇し、 単純作業が活性化されるといった社会的促進(Zajonc&

Sales,1966)のメカニズムも考えられる。 どのようなメカニズムが機能しているか を明らかにすることは今後の課題である。

次に脱出過程について考察する。 図3-1・16、 図3・1・17、 図3・1・18に示されている ようにどのサイズの集合でも、 集合によって脱 出過程はかなり異なる。 実験開始

後すぐに最初の脱出成功者が現れ、 そして集合全成員がスムーズに脱出するよう な集合もあれば、 集合成員間の競合・混雑が長時間にわたって解消せず最初の脱 出者がなかなか現れない集合もある。 ただ図3・1・16、 図3・1・17、 図3・1-18を比較し た場合、 サイズ、が小さい集合ほど集合間の格差が大きいことが伺える。 即ち脱出 するのに極端に時間がかかる集合と短時間で終了する集合が存在する。 これは小 さい集合ほど予測が難しいことを意味している。 集合間の個体差は小さい集合ほ ど大きく、 大集合はそれなりに安定しているといえる。

さらに図3-1・19に示されているような現象の生起は、 最初の脱出成功者の出現の 後、 3人分の脱出口のスペースの内、 脱出者の出現によって余ったl人分のスペー スを目指して、 これまで我慢して脱出を控えていた人が殺到することによるもの であろう。 しばらくして第3の脱出成功者が現れるが、 その後は殆ど混雑が発生す ること無く比較的スムーズな脱出が行われる。 それに対して図3・1・16の中に示され ている脱出に非常に時間がかかった集合では、 最初の脱出者と第2の脱出者の聞の 時聞が比較的短い。 これは第1の脱出者が出現するまでに、 集合の中で充分混雑が 経験され、 集合成員の中で混雑の過飽和が生じているからであろう。 そのために 第1の脱出者が脱出に成功した後でも、 残されたスペースを求めて競争するほどの 動機づけが成員の中で生じなかったのではなかろうか。 即ち前者は我慢で後者は 過飽和を意味しているものであろう。

第2節 恐怖が脱出成功率や他者行動への追従に及ぼす効果

1、 恐怖が他者行動への追従並びに固着行動に及ぼす効果

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問題

危機状況では一般に、 火災のために電灯が消えたり、 煙が充満していたりして いる地下街や建物の中のように物理的な手がかりが少ない暖昧な事態ないしは判 断の困難な事態が多い。 このような事態における人々の行動や判断の根拠となる もののひとつは他者の行動である。 そのために同調傾向が高まると考えられる。

恐怖が向調傾向を高めることは、 これまでいくつかの研究によって示されてい る。 例えばOar1ey(1966)は恐怖が向調行動を増大させることを実証するために以 下のような実験を行った。 恐怖条件の被験者には「内耳の聴覚受容器の鋭敏さが ショックによっていかなる影響を受けるかを調べるために、 後で内耳に電気ショ ックを与えるJという教示が与えられた。 一方無恐怖条件の被験者にはそのよう な教示は与えられなかった。 その後「聴力テストにより基礎データを得るjとい

う名目で被験者にクリック音を聞かせ、 その数をカウントさせた。 そこでまずサ クラがカウントし、 その後被験者がクリックの回数を述べたのである。 結果は、

恐怖条件の被験者は無恐怖条件の被験者に比べてサクラ回答の方に自分の回答を 近づけるという傾向が強く見られた。 また内藤(1977)はOarleyと全く同じ実験方 法をとることにより、 やはり恐怖が同調行動を促進するという結果を得ている。

ところで同調という概念は広義と狭義があり広義には、 “多数者の行動ないしは モデ、ル的行動をする人に、 その他の人が従う"行動を意味する。 従って時には模 倣行動まで同調行動と呼ばれることがある。 狭義には “集合の規範に触発されて 生じる行動の斉一化"を指している。 グループ・ダイナミックスで言うのはこの 意味の向調である。 本実験における “向調"は前者の意味である。 即ち、 ある場

面でのエキスパートともくされる人の後についてそれにならう行動は、 規範によ って規制された斉一化への圧力に基づくそれではなく、 モデリング行動の一種と 考えられる。

さらに、 恐怖は生理的覚醒水準(arousal level)を高めることがかんがえられる。

覚醒水準と同調との関係について吟味した研究がBack,Oelfke,Brehm,Bogdonoff,&

Nowlin(1970)によってなされている。 彼らは次の2条件を設定した。 第1の条件は 被験者に精神状態を変化させる薬物(塩酸クロルジアゼポキシド)が投与され、

さらに被験者が相互に未知の人物であるという高arousal条件であった。 これは血 液中の血紫遊離脂肪酸の量によって測定した。 第2の条件は被験者に生理食塩水を 与え、 さらに被験者相互が友人同士であるという低arousal条件であった。 その結

果、 自己評価による不安傾向が高い被験者が高arousal条件に置かれたとき高い向 調傾向が生起することが明らかになった。

このように以上の諸研究は恐怖やarousalが同調傾向を高めることを明確にした。

しかしこれらの研究においては全て、 向調行動それ自体が必ずしも直接的に恐怖 やarousalの解消をするのに役立つというものではなかった。 例えばnarleyらの研 究において、 被験者がクリック音のカウント数をサクラの判断に近づけたとして も、 それが電撃を避けるための直接的な手段とはなっていない。 しかし一方、 行 動それ自体が直接的に恐怖の解消に結び付いている場合の同調というのも考えら れる。 本実験で取り上げた脱出ルートの選択行動はその一つの例である。 この場 合、 もし他者が危険を避けるための合目的的な行動をしていたとしたら、 それに 追従・ 同調することは、 例え恐怖による思考力の低下に基づくものだとしても追 従者に直接的に利益を与えることになる。 R[Jち直接的に恐怖の解消につながる。

この場合、 向調行動が生起するか否かは、 他者が合目的的な行動をしているもの と追従者が判断するか否かに大きく左右されるものと考えられる。 即ち、 “自分 以外の誰かが正しい脱出ルートを知っているに違いない" という他者行動の信滋 性に関する認知を集合の全ての成員が強く持つか否かが向調行動の発生に影響を 与えるであろう。 このことは大阪千日前のキャバレー ・プレイタウン火災時に 逃げ回るひとかたまりの群集の先頭にマネージャーや古参のボーイがいたことが

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