第 2 章 中国におけるトウモロコシの需給分析
第 3 節 トウモロコシの輸出入とその背景
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図 2-12 中国のトウモロコシ主産地におけるトウモロコシ作付面積の推移 資料:新中国農業60統計資料(1949~2009)、中国統計年鑑(2012)
ここまで、主産地の生産量と作付面積について考察を行った結果、主産地におけるトウ モロコシの単収が全国平均より高いという結果が得られた。限られた耕地面積の中で、ト ウモロコシの生産構造に対する調整、即ち、トウモロコシの生産を主産地に集中させれば、
単収も高いことから、短期的に増産の可能性はあると思われる。しかし、トウモロコシの 栽培は季節的な制限を受けており、生産構造の調整は相当時間がかかるだろう。従って、
当面においては大幅な増産可能性は低いであるものの、増産するためには、長期的な単収 の向上により大きな可能性があると言える。
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表2-4は、中国におけるトウモロコシの輸出量と輸入量が世界の貿易量に占める割合を 示している。
表 2-4 中国のトウモロコシの輸出・輸入量とその割合(単位:1,000トン)
輸出量(中国) 輸出量(世界) 輸入量(中国) 輸入量(世界)
1993 11,594 (20%) 58,861 0 (0%) 56,973
1994 1,333 (2%) 66,126 4,287 (6%) 68,911
1995 157 (0%) 70,422 1,476 (2%) 65,702
1996 3,892 (6%) 65,572 75 (0%) 64,846
1997 6,173 (10%) 63,347 287 (0%) 63,206
1998 3,338 (5%) 66,938 262 (0%) 66,501
1999 9,935 (13%) 75,767 71 (0%) 70,960
2000 7,276 (9%) 76,856 89 (0%) 75,047
2001 8,611 (12%) 74,666 39 (0%) 71,578
2002 15,244 (20%) 76,814 29 (0%) 75,918
2003 7,553 (10%) 77,289 2 (0%) 76,941
2004 7,589 (10%) 77,712 2 (0%) 75,982
2005 3,727 (5%) 81,073 62 (0%) 80,291
2006 5,269 (6%) 94,068 16 (0%) 90,269
2007 549 (1%) 98,645 41 (0%) 98,256
2008 172 (0%) 84,486 47 (0%) 82,472
2009 151 (0%) 96,858 1,296 (1%) 89,683
2010 111 (0%) 91,455 979 (1%) 92,413
2011 91 (0%) 110,776 5,231 (5%) 98,345
資料:USDA:PSD Online,(September 2013)
注:括弧内の割合は、中国の輸出・輸入量が世界の輸出・輸入量に占める割合を指す。
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中国で食糧自由流通制度を導入した1993年から2008年まで、1994年と1995年を除き 輸出量は輸入量を大幅に超えており、トウモロコシの純輸出国であった。その背景には、
中国政府が1990年代からトウモロコシの輸出を積極的に支援してきたからである[郭慶海
(2009)]。1993年と2002年の輸出量が一番多かったが、それぞれ1,159万トン、1,524万 トンとなっており、それが世界の輸出量に占める割合は20%に達している。
しかし、純輸出国だった中国は国内の旺盛な需要増と政府の輸出規制に伴いその量は 段々減少し、2009 年には輸出量と輸入量が逆転し純輸入国に転じた。2011 年の輸入量は 530万トン弱で世界の輸入量に占める割合は5%、一方輸出量は9万トンで世界の輸出量に 占める割合はほぼゼロとなった。因みにが9月に発表した2013年における中国のトウモロ コシ輸入量と世界の輸入量はそれぞれ700万トン、1億643万トンで、輸出規模は2011年 より増大しそれが世界の輸入量に占める割合は 6.6%に達した(USDA:WASDE17, September 2012)。
前述のように、中国政府がトウモロコシの工業用需要と燃料用需要をコントロールした にもかかわらず、これまでの輸入量の中で史上最高である規模のトウモロコシを輸入した ことから、国内での供給で飼料用需要の増加を満たすことができないと推測される。また、
国際市場に与える影響も小さくないと示唆される。
2.その背景
図2-13は、1995年から2013年までの中国のトウモロコシ生産量と消費量、輸出量と 輸入量、そして期末在庫量を表している。中国はトウモロコシの過剰在庫量を解消すると いう目的で、1996年から 2002年まで補助金付きのトウモロコシの輸出を積極的に行った が18、2003年から2008年まで国内のトウモロコシ需要拡大と期末在庫量の減少に伴いト ウモロコシの輸出規制を徐々に強化してきたため、輸出量は急激に減少した。また、2006 年の国内トウモロコシ価格の高騰と 2007 年の国際トウモロコシ価格の高騰に伴い中国政
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府は食糧安全保障問題のため、2009年から現在までトウモロコシの輸入を増やしている。
図 2-13 中国におけるトウモロコシの需給状況
資料:中国統計年鑑(2012)、図2-1(1995~2010)、USDA:PSD Online,(September 2013)
注:実線は生産量を、破線は消費量を、点線は期末在庫量を表す。また、上向け棒グラフは輸 出量を、下向け棒グラフは輸入量を表す。