vSphere 5.5 Patch 3 以降、クライアントコンピュータから仮想マシンだけでなく、ESXi ホストから仮想マシンへ
のパススルーでも USB 3.0 デバイスを使用できます。ただし、USB 3.0 デバイスには次の仮想マシン構成要件があり ます。
n USB 3.0 デバイスの接続先の仮想マシンは xHCI コントローラで構成されている必要があり、Windows 8 以降、
Windows Server 2012 以降、または 2.6.35 以降のカーネルを使用する Linux ゲスト OS が備わっている必要が あります。
USB 自動接続機能
ESXi ホストから USB デバイスを仮想マシンに接続すると、このデバイス接続で自動接続機能が有効になります。仮
想マシンからデバイス接続を削除しないかぎり、無効になりません。
自動接続が有効になっていると、次のような場合にデバイスは再接続されます。
n 仮想マシンでパワーオフ/パワーオン、リセット、一時停止/レジュームなどの電力サイクル状態が切り替わる場合。
n デバイスがホストから取り外されたあと、再び同じ USB ポートに戻された場合。
n デバイスは電力サイクルで管理されているものの、物理接続パスに変更がない場合。
n デバイスが使用中に ID を変更する場合。
n 新しい仮想 USB デバイスが追加される場合。
USB パススルーの自動接続機能では、ホスト上のデバイスの USB パスを使用してデバイスを識別します。デバイス の ID ではなく、物理トポロジとポートの位置で識別します。自動接続機能ではデバイス ID によって接続対象を一致 させていると想像していた場合、この特徴は混乱の原因になることがあります。
同じデバイスを別の USB ポートを使ってホストに戻すと、仮想マシンとの接続を再確立することはできません。ホ ストからデバイスを取り外し、別のデバイスを同じ USB パスに接続した場合、前のデバイス接続で有効になってい た自動接続機能により、その新しいデバイスが表示されて仮想マシンに接続されます。
自動接続は、使用中にデバイスが変わるような場合に便利です。たとえば iPhone のようなデバイスでは、ソフトウェ アやファームウェアのアップグレードに伴い、デバイスの VID:PID が変わります。アップグレード中にデバイスが USB ポートから切断され、再接続されます。
USB ポートは速度が決まっています。自動接続機能では、デバイスが USB 1.1 (低速/フルスピード)と USB 2.0
(高速)間で遷移されることを想定していません。USB 2.0 高速デバイスを USB 1.1 のデバイスとは交換できません。
たとえば、あるポートに USB 2.0 High Speed デバイスを接続したあと、そのデバイスを仮想マシンに接続しようと しているとします。そのデバイスをホストから抜き取り、USB 1.1 のデバイスを同じポートに差し込むと、このデバ イスは仮想マシンに接続されません。
ESXi ホストから仮想マシンへのパススルーがサポートされている USB デバイスのリストについては、
http://kb.vmware.com/kb/1021345 にある VMware のナレッジベースの記事を参照してください。
USB パススルーで使用可能な vSphere の機能
ESXi ホストから仮想マシンへの USB デバイスパススルーでは、vMotion および DRS による移行がサポートされて います。
表 5‑7. ESXi ホストから仮想マシンへの USB パススルーで使用可能な vSphere 機能
機能 USB デバイスパススルーでのサポート
vSphere DPM (Distributed Power Management) 不可 vSphere DRS (Distributed Resource Scheduler) 可
vSphere Fault Tolerance 不可
vSphere vMotion 可
vMotion での移行の詳細については、「vMotion 用の USB デバイスの構成」を参照してください。
USB デバイスが接続されたホストが、DPM が有効になった DRS クラスタ内にある場合は、そのホストの DPM を無 効にする必要があります。無効にしないと、DPM によってデバイスが接続されたホストが電源オフされるため、デ バイスは仮想マシンから切断されます。
vMotion 用の USB デバイスの構成
ホストから仮想マシンへの USB パススルーを使用すると、同じデータセンター内の別の ESXiホストに仮想マシンを 移行し、元のホストへの USB パススルーデバイスの接続を維持できます。
ESXiホストへのパススルーに接続された USB デバイスが仮想マシンにある場合、この接続されたデバイスと一緒に 仮想マシンを移行できます。
移行を正常に実行するには、次の条件を確認してください。
n 仮想マシンに接続されたすべての USB パススルーデバイスを、vMotion ができるよう構成する必要がありま
す。vMotion に 1 つ以上のデバイスが構成されていない場合、移行は続行できません。トラブルシューティン
グの詳細については、「USB パススルーデバイスのトラブルシューティング」ドキュメントを参照してください。
n また、USB デバイスが接続されたホストから、接続中の USB デバイスと一緒に仮想マシンを移行すると、デバ イスは仮想マシンに接続されたままになります。ただし、仮想マシンをサスペンドまたはパワーオフした場合、
USB デバイスは切断され、仮想マシンをレジュームしても再接続できません。デバイスが接続されているホスト に仮想マシンを戻した場合のみ、デバイスの接続をリストアできます。
n Linux ゲスト OS を実行するサスペンド状態の仮想マシンをレジュームした場合、レジュームプロセスの中で、
その USB デバイスがファイルシステム上の別の場所にマウントされることがあります。
n USB デバイスが接続されているホストが、DPM (Distributed Power Management) が有効な DRS クラスタ内 にある場合、このホストで DPM を無効にします。無効にしないと、DPM によって、デバイスが接続されたホ ストの電源がオフにされます。この動作により、仮想マシンが別のホストに移行されるため、デバイスが仮想マ シンから切断されます。
n リモート USB デバイスでは、vMotion による移行後に、ホストが管理ネットワークを介して通信ができること
が必要です。そのため、ソースとターゲットの管理ネットワーク IP アドレスファミリが一致する必要がありま す。仮想マシンを、IPv4 アドレスを使用して vCenter Server に登録されているホストから IPv6 アドレスで登 録されているホストへ移行させることはできません。
vSphere の仮想マシン管理
USB デバイスでのデータ損失の回避
仮想マシンが ESXi ホストの物理 UBS デバイスに接続する場合、仮想マシンの機能が USB デバイスの動作および接 続に影響をおよぼすことがあります。
n メモリ、CPU、または PCI デバイスをホットアドする前に、USB デバイスがあれば取り外す必要があります。
これらのリソースのホットアドを行うと USB デバイスは切断され、データが失われることがあります。
n 仮想マシンをサスペンドする前に、データ転送が進行中ではないことを確認してください。サスペンドまたはレ ジューム処理の間、USB デバイスは切断されたような状態になり、そのあとで再接続状態になります。vMotion での移行後のサスペンドおよびレジュームの動作の詳細については、「vMotion 用の USB デバイスの構成」を 参照してください。
n アービトレータの状態を変更する前に、ホスト上の USB デバイスが仮想マシンに接続されていないことを確認 してください。USB デバイスが仮想マシンで使用できなくなった場合、ホスト管理者がアービトレータを無効に した可能性があります。トラブルシューティングなどの目的でホストの管理者がアービトレータを停止または切 断した場合、仮想マシンはそのホストに接続されている USB デバイスを利用できなくなります。このときにデー タ転送が行われていると、データが失われることがあります。アービトレータと再接続するには、ホストを再起 動する必要があります。
ESXi ホストへの USB デバイスの接続
1 つの ESXi ホストに対し、複数の USB ハブおよびデバイスをつなげたり、チェーン接続したりすることができま
す。慎重な計画と、ハブの動作や制約に関する知識があると、デバイスを最適に動作させることができます。
USB 物理バスのトポロジは、USB デバイスからホストへの接続方法を決定します。仮想マシンへの USB デバイスパ ススルーは、デバイスの物理バストポロジがホスト上で 7 階層を超えないかぎり、サポートされます。1 階層目は USB ホストコントローラと root ハブです。最後の階層は対象となる USB デバイスです。そのため外部または内部
ハブは、root ハブと対象 USB デバイスの間で、最大で 5 階層までカスケードできます。root ハブに接続されている
か、複合デバイスに組み込まれている内部 USB ハブは、1 階層と数えます。
物理ケーブルの質、ハブ、デバイス、および電源状態が USB デバイスのパフォーマンスに影響することがあります。
最良の結果を得るためには、対象の USB デバイスまでのホストの USB バストポロジをできるだけシンプルにしま す。また、注意して新しいハブやケーブルをトポロジに配置します。次のような状況が USB の動作に影響を与える ことがあります。
n カスケードするハブの数が増えるにつれ、ホストと仮想マシン間で通信遅延が増大します。
n 複数の外部 USB ハブをつなげたりチェーン接続したりすると、デバイスの列挙および応答にかかる時間が増加 するため、接続されている USB デバイスへの電力供給が不安定になることがあります。
n ハブ同士をチェーン接続すると、ポートとハブのエラーの可能性も高まるため、デバイスから仮想マシンへの接 続が切断されることがあります。