ユーザ事例 管理者側が評価・診断をする (概形診断)方式を使った取り組みの例
5.3 ツール実装とパイロット入力
SSUGが保有しているツール「SSI-ITSS※4」にMOS_WG で策定した「スキル基準」、「キャリア基準」を実装し、
「SSI-ETSS」と称して実験フィールドを提供していただい た。「SSI-ETSS」では職種ごとのキャリアレベル判定を行 うために、職種のキャリアレベルごとに保有すべき「ス キルレベル」の割合も併せて定義した。
この実験フィールドにMOS_WG参加企業から代表者を 選抜し、「SSI-ETSS」にパイロット入力を実施した。パイ ロット入力の目的は、策定したスキルセットとキャリア レベル判定条件の妥当性評価である。このためパイロッ ト入力代表者の人選は「上記妥当性を確認できるモデル 人材」という基準で選出した。
パイロット入力の結果から、予想通りの結果が得られ た職種とそうでない職種が明らかになった。
予想通りの結果が得られた職種である「プロセス改善 スペシャリスト」を図7に、そうでなかった職種である
「ソフトウェアエンジニア」を図8に示す。いずれもキャ リアレベル4の場合を表している。
図6 キャリアレベルの差異
社内の第一人者 本部・事業部内の第一人者 部・課内の第一人者 リーダ
主戦力(一人前) 応用的知識・スキルを有し、要求された作業についてすべて独力で遂行できる。
準戦力 エントリ
共通キャリア・スキルフレームワークのキャリアレベル
ITA-ETSSのキャリアレベル 5 High
5 Entory 4 High 4 Entory
3 2 1
2 1 4
プロフェッショナルとして豊富な経験と実績を有し、社内をリードできる。
3 7 6
5
業界全体から見ても先進的なサービスの開拓や事業改革、市場化等をリードした経験と実績を有し、
世界レベルでも広く認知される。
社内だけでなく業界においても、プロフェッショナルとしての経験と実績を有し、社内外で広く認知 される。
基本的知識・スキルを有し、一定程度の難易度または要求された作業について、その一部を独力で遂 行できる。
情報技術に携わる者に必要な最低限の基礎的知識を有し、要求された作業について、指導を受けて遂 行できる。
高度な知識・スキルを有し、プロフェッショナルとして業務を遂行でき、経験や実績に基づいて作業 指示ができる。またプロフェッショナルとして求められる経験を形式知化し、後進育成に応用できる。
L1 L2 L3 L4 L5-E L5-M L5-H L1 L2 L3 L4 L5-E L5-M L5-H
自社(自部門)の取り扱い製品についての最新動向を調査した結果をもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
自社(自部門)の取り扱い製品の市場分析の結果をもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
自社(自部門)の取り扱い製品と他社の競合製品を比較分析し製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
自社(自部門)の取り扱い製品が顧客の要求する機能仕様、購入基準を満たしているかの調査結果をもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
市場機会の評価と選定をもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
マーケティング戦略をもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
マーケティング環境分析の結果をもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
マーケティング統括をもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
販売チャネル戦略をもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
ソリューション提案をもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
顧客満足度管理をもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
顧客環境分析の結果をもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
特定製品、サービステクノロジをもとに製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
知的資産管理(ナレッジマネジメント)を活用して製品を企画し、製品企画書を作成することができる。 ◎ ◎※ ◎※
製品企画書をもとに、具体的な製品イメージを構築できる。 ◎ ◎※ ◎※
製品化のために必要なライフサイクル・プロセスを見通すことができる。 ◎ ◎※ ◎※
製品の詳細な仕様を決定し、製品仕様書を作成することできる。 ◎ ◎※ ◎※
製品企画書に記載されている製品の特徴・機能・投入時期・製品戦略上の位置付け等を確認することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
製品仕様書に記載されている製品コンセプト・対象ユーザ・利用シーン・背景等を確認することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
製品仕様書の中に記載された要求事項を分析し、製品を実現するシステムに求められる機能面の要求を洗い出すことができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
機能要求の洗い出しについては、システムのユーザ、利用シーンを考慮したユースケース分析を行い、その結果も考慮して検討することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
機能間の関係(動作の順序関係、動作の並行性など)も分析し、機能動作のマトリクスに整理することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
既存システムの再利用や将来の再利用などを考慮し、個々の機能についての流用や変更の有無なども整理することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
データ処理的な機能などについては個々の機能が関係するデータなども明確にすることができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
ネットワークやバスを介したシステム(サブシステム)間の連携や外部インタフェースなどについても明確にすることができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
ユーザインタフェースなどをもつシステムの場合には、表示や操作項目の整理や、ユーザインタフェースを司るデバイス類についても整理することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
製品仕様書の中に記載された要求事項を分析し、製品を実現するシステムに求められる非機能面の要求を洗い出すことができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
システムの非機能面の要求を「信頼性」「効率性」「保守性」「移植性」「使用性」等に整理することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
ネットワーク接続などを前提とするシステムではセキュリティ面での要求事項も明確にすることができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
システムの動作環境を把握し、明確にすることができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
システムで処理するデータなどのサイズや特性、データの入出力のタイミング等を明確にすることができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
システムの利用に付随する法的な制約、社会慣習面での制約等を明確にすることができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
システム実装に関して、製品機器の寸法等を明確にすることができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
他社の知的財産権、他社技術等との関係を明確にすることができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
システムを利用するハードウェアプラットフォーム(MPU、LSI等)に関する制約を明確にすることができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
システム機能リスト・システム非機能リスト・システム動作制約リスト等の事項を考慮し、システム要求に関する優先順位付けを行うことができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4 システムとしての実現事項に関する優先順位付けでは要求事項(機能、非機能)実現に関するコストや開発期間と実現した場合の製品価値(ユーザ側から見た価値も含めて)、実現性を参考に重要度を検討することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
要求の優先度を最終的に 高/中/ 低の3段階程度に分類することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
システム機能リスト・システム機能動作マトリクス・システム非機能リスト・システム動作制約リスト・優先順位付きシステム要求リスト等の事項を考慮し、システム要求仕様書を作成することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
システム要求仕様書作成の段階で ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
システムの設計指針を整理することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
製品企画書・製品仕様書・システム機能要求・システム非機能要求・システム動作制約・システム要求の優先順位の視点で、システム要求仕様書の内部確認を行うことができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
確認結果は内部確認レポートとして整理し、確認作業で指摘された問題およびその対応元を明記することができる。 ○ ○ ○ ◎ ◎ △*4 △*4 △*4
エントリ ミドル ハイ
システム非機能要求の分析と整理
システム動作制約の明確化
-スキル
システム要 求定義
システム要求 仕様の確認 システム要求 仕様書の作成 機能モデル
システム要求仕様書の内部確認 製品企画書と製品仕様書の確認
システム機能要求の分析と整理
システム要求の優先順位付け
システム要求仕様書の作成 開発技術
製品企画
-ソフトウェアエンジニア プロダクトマネジメント
エントリ ミドル ハイ
組織の機能
組織の機能を実現する スキル
職種
キャリアレベル
職種・キャリアレベルで 必要とされるスキル
ETSS2008(スキルレベル)
4 3 2 1 0
新たな技術を開発できる(後進の育成・指導が可能)
作業を分析し改善・改良できる(後進の育成・指導が可能)
自律的に作業を遂行できる 支援のもとに作業を遂行できる
やったことがない(支援のもとにも作業ができない)
ITA-ETSS2008(スキルレベル:SL)
5 4 3 2 1
新たな技術を開発できる(後進の育成・指導が可能)
作業を分析し改善・改良できる(後進の育成・指導が可能)
自律的に作業を遂行できる 支援のもとに作業を遂行できる やったことがない(知識あり)
0 やったことがない(知識なし)
ITSS(スキルランク)
4 3 2 1 0
後進の育成・指導が可能
単独で実施可能 サポートがあれば実施可能
(ベースとなる)知識あり 知識なし
表2 職種ごとに定義したスキルセットの例
表3 スキルレベル間補正のイメージ
※4 SSI-ITSS:Standard Skill Invertory for ITSS ITA 09.4.29 1:54 PM ページ 130 (1,1)