この章は、次のトピックで構成されています。
概要 ... 50 サーバー設計の考慮事項 ... 50 ネットワークの設計に関する考慮事項 ... 56 ストレージ設計に関する考慮事項 ... 61 高可用性およびフェイルオーバー ... 62 検証テストのプロファイル ... 65 EMC Data Protectionの構成ガイドライン ... 66
概要
この章では、VSPEXエンドユーザーコンピューティングソリューションの設計のベス ト プラクティスと考慮事項について説明します。ソリューションのさまざまなコンポー ネントの導入のベスト プラクティスの詳細については、ベンダー固有のドキュメントを 参照してください。
サーバー設計の考慮事項
VSPEX ソリューションは幅広いサーバー プラットフォームで稼働するように設計され
ています。VSPEXでは、必要な最小のCPU およびメモリ リソースは定義されていま すが、具体的なサーバー タイプまたは構成は定義されていません。お客様は、最小 要件を満たすか上回る任意のサーバープラットフォームと構成を使用できます。
たとえば、図 9 は、お客様がホワイトボックス サーバーまたはハイエンド サー バーを使用して同じサーバー要件を実装する方法を示しています。どちらの実装も、
必要な数のプロセッサコアとRAM量を達成しますが、サーバーの台数とタイプは異 なります。
図 9. コンピューティングレイヤーの柔軟性
サーバー プラットフォームの選択は、環境の技術要件のみではなく、プラットフォー ムのサポート、サーバー プロバイダーとの既存の関係、高度なパフォーマンスおよ び管理機能などの多くの要因に基づいています。次に例を挙げます。
• 仮想化の観点から、システムの作業負荷をよく理解している場合、メモリ バ ルーニングや透過的ページ共有などの機能によってメモリの総容量要件が減 ることがあります。
• 仮想マシン プールに高レベルなピークやコンカレント使用がない場合は、
vCPU の数を減らすこともできます。反対に、導入されるアプリケーションの演 算処理が非常に多い場合は、CPU の数とメモリ量を増やすことが必要な場合 があります。
サーバー インフラストラクチャは次の最小要件を満たしている必要があります。
• 必要な台数と種類の仮想マシンをサポートするための十分なCPUコアとメモリ
• 十分なネットワーク接続により、システムスイッチへの冗長な接続性が可能
• 環境でのサーバーの障害とフェイルオーバーに対応できる十分な超過容量
このソリューションでは、サーバー レイヤーについて次のベスト プラクティスを考慮 することを推奨します。
• 同一のサーバー ユニットを使用する: 同一または少なくとも互換性のある サーバーを使用して、それらの間で同様のハードウェア構成が共有されるよう にします。VSPEX は、ハイパーバイザー レベルの高可用性テクノロジーを導 入しています。これには、基盤となる物理ハードウェア上に、類似する手順一 式が必要となる場合があります。同一のサーバー ユニットにVSPEXを実装す ることで、この領域の互換性の問題を最小化できます。
• 新しいプロセッサ テクノロジーを使用する: 新規導入では、共通のプロセッサ テクノロジーの新しいリビジョンを使用します。これにより、ソリューションの検 証に使用されたシステムと同等かそれ以上のパフォーマンスが想定されます。
• 高可用性を導入して単一のサーバーの障害に対応する: 高可用性機能を仮 想化レイヤーで利用できるよう導入して、コンピューティング レイヤーに、最低 限、単一のサーバーの障害に対応できる、十分なリソースを確保します。これ により、ダウンタイムが最小限のアップグレードを実装できます。詳細につい ては、「高可用性およびフェイルオーバー」を参照してください。
注: ハイパーバイザー レイヤーの高可用性を実装する場合には、作成できる最大 の仮想マシンは、環境内で最も小規模な物理サーバーによって制約されます。
• リソースの使用率を監視し、必要に応じて調整する: 稼働中のシステムの場 合は、リソースの使用率を監視し、必要に応じて調整します。
たとえば、参照仮想デスクトップおよびこのソリューションに必要なハードウェ ア リソースは、各物理プロセッサ コアの最大仮想CPU数が5個未満である ことを想定しています(5:1 比率)。ほとんどの場合、ホストされる仮想デスク トップに対して適切リソース レベルはこの構成で提供されますが、この比率が すべての用途に対して適切であるとは限りません。ハイパーバイザー レイ ヤーで CPU の利用率をモニタリングし、さらに多くのリソースが必要かどうか 判断し、必要に応じて追加することをお勧めします。
サーバーに関する ベスト プラクティス
表 13 に、このソリューションで妥当性検査されるサーバー ハードウェアとシステム 構成を示します。
表 13 サーバー ハードウェア 仮想デスクトップ
用のサーバー 構成
CPU • デスクトップごとに1個のvCPU(コアごとに5台のデスクトップ)
• 仮想デスクトップ1,750台のすべてのサーバーに350個のコア
• 仮想デスクトップ3,500台のすべてのサーバーに700個のコア メモリ • 仮想マシンごとに2 GBのRAM
• 仮想デスクトップ1,750台のすべてのサーバーに3.5 TBのRAM
• 仮想マシン3,500台のすべてのサーバーに7 TBのRAM
• vSphereホストあたり2 GBのRAMを予約
ネットワーク • ブレード シャーシごとに3個の10 GbE NICまたはスタンドアロン サーバーごとに6個の1 GbE NIC
注:
• 物理コアに対する 5:1 の vCPU の比率は、この設計ガイドで定義した参照ワークロード に適用されます。EMC Avamar を導入する場合は、CPUやRAM を大量に使用するコン ポーネントのニーズに応じてCPUとRAMを追加します。Avamarのリソース要件につい ては、関連製品ドキュメントを参考にしてください。
• VMware vSphere HA(High Availability)をサポートするには、導入するサーバーの数に 追加サーバーを1つ追加して、表 13の要件を満たす必要があります。
VMware vSphere は、高度な機能が数多く搭載されており、パフォーマンスと全体的
なリソース使用率を最適化しています。このセクションでは、メモリ管理のための主要
機能と、VSPEX ソリューションでこれらを使用する際の考慮事項について説明します。
図 10は、単一のハイパーバイザーがリソースのプールからメモリをどのように消費 するかを示しています。メモリ オーバーコミット、透過的ページ共有、メモリ バルー ニングなどの vSphere メモリ管理機能により、合計メモリ使用量を削減し、ハイパー バイザーの統合比を上げることができます。
妥当性検査が行わ れたサーバー ハー ドウェア
vSphereメモリ仮
想化
図 10. ハイパーバイザーのメモリ消費
メモリ仮想化技術を使用すると、vSphere ハイパーバイザーでメモリなどの物理ホス ト リソースを抽象化して、複数の仮想マシンにわたってリソースを分離し、リソース が使い果たされるのを防ぐことができます。高度なプロセッサ(EPT サポートのつい
た Intel プロセッサなど)が導入された場合、メモリ抽象化が CPU 内で起こります。
それ以外の場合は、シャドウ ページ テーブルという機能を使用してハイパーバイ ザー内で行われます。
vSphereには、次のメモリ管理手法が用意されています。
• メモリ オーバーコミット: メモリ オーバーコミットは、VMware vSphereホストに 物理的に存在するよりも多くのメモリが仮想マシンに割り当てられた場合に発 生します。バルーニングや透過的ページ共有などの高度な手法を使用して、
vSphere はパフォーマンスを低下させずにメモリ オーバーコミットを処理でき
ます。しかし、サーバー上のメモリより多くのメモリがアクティブに使用されて いる場合、vSphere は、仮想マシンのメモリのスワップ部分に頼る場合があり ます。
• NUMA (Non-Uniform Memory Access): vSphere は、NUMA(Non-Uniform
Memory Access)ロードバランサーを使用して、ホーム ノードを仮想マシンに
割り当てます。仮想マシンのメモリはホーム ノードから割り当てられるため、メ モリ アクセスはローカルで行われ、可能な限り最大のパフォーマンスが実現 されます。NUMA を直接サポートしないアプリケーションにも、この機能にはメ リットがあります。
• 透過的ページ共有: 類似するオペレーティング システムとアプリケーションを 実行している仮想マシンには、通常は同一のメモリ内容のセットがあります。
ページ共有により、コピーの重複を解消してホストの空きメモリ プールに戻し、
再使用できます。
• メモリ圧縮: vSphere では、メモリ圧縮を使用して、ホスト スワッピングを通じ てディスクにスワップされる可能性のあるページをメイン メモリにある圧縮 キャッシュに格納します。
• メモリ バルーニング: メモリバルーニングでは、仮想マシンの空きページをホ ストに割り当てて再使用できるようにすることで、ホスト リソースの不足を軽減 します。アプリケーションのパフォーマンスにはほとんど影響しないか、まった く影響しません。
• ハイパーバイザースワップ:ハイパーバイザー スワップにより、ホストは任意 の仮想マシンをディスクに強制的にページアウトします。
詳 細 に つ い て は 、 ホ ワ イ ト ペ ー パ ー の 「Understanding Memory Resource Management in VMware vSphere 5.0」を参照してください。
サーバー メモリを構成するときは、ソリューションの適切なサイズ設定と構成に注 意を払う必要があります。このセクションでは、仮想マシンにメモリを割り当てる場合 のガイドラインを示すとともに、vSphereオーバーヘッドと仮想マシン メモリ設定に関 する考慮事項について説明します。
vSphereメモリオーバーヘッド
メモリ リソースの仮想化に関連づけられたメモリ スペース オーバーヘッドがありま す。このオーバーヘッドは2つのコンポーネントで構成されます。
• VMkernelのシステムオーバーヘッド
• 各仮想マシンの追加のオーバーヘッド
オーバーヘッドは、VMkernel では固定ですが、それぞれの仮想マシンの追加メモリ の量は、仮想CPUの数とゲストOSに構成されているメモリ量によって異なります。
仮想マシンメモリ設定
図 11は、以下を含む、仮想マシンのメモリ設定パラメーターを示しています。
• 構成されたメモリ: 仮想マシンの作成時に仮想マシンに割り当てられた物理メ モリ
• リザーブドメモリ:仮想マシン用に確保されたメモリ
• アクセスされたメモリ: 仮想マシンによってアクティブになっているか使用され ているメモリ
メモリ構成ガイドラ イン