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ソリューションの設計における考慮事項とベスト

この章は、次のトピックで構成されています。

概要 ... 40 ネットワークの設計に関する考慮事項 ... 40 ストレージのレイアウトと設計に関する考慮事項 ... 42 仮想化の設計に関する検討事項 ... 54 EMCバックアップ設計に関する考慮事項 ... 55

概要

この章では、仮想化Exchange 2013用VSPEXソリューションの設計に関するベスト プラクティスと考慮事項について説明します。次の VSPEX インフラストラクチャ レイ ヤーとコンポーネントについて説明します。

• ネットワーク

• ストレージ レイアウト

• 仮想化

Exchange 環境における EMC バックアップ ソリューションの設計上の考慮事項とベ

スト プラクティスについては、「EMC Backup and Recovery Options for VSPEX for Virtualized Microsoft Exchange 2013 Design and Implementation Guide」を参照し てください。

ネットワークの設計に関する考慮事項

仮想ネットワークは、一部の概念が物理ケーブルとスイッチではなくソフトウェアを使 用して実装されていることを除き、物理ネットワークと同じ概念を使用します。物理 ネットワークの多くのベスト プラクティスは仮想ネットワークにも適用されますが、そ れ以外にも、トラフィックの区分化、可用性、スループットについて考慮すべき事項 があります。

VNXeおよびVNXシリーズの高度なネットワーク機能により、アレイでのネットワーク 接続の障害から保護されます。一方、リンク障害に対する保護機能を実現するため、

各ハイパーバイザ ホストには、ユーザーEthernetネットワークとストレージEthernet ネットワークへの接続が複数あります。これは複数の Ethernet スイッチに分散され ており、ネットワークでのコンポーネント障害に対する保護機能を実現します。詳細 については、「必ず読んでおくべき資料」に示した VSPEX 実証済みインフラストラク チャガイドを参照してください。

このソリューションでは、ネットワークの設計について次の側面を考慮することを推 奨します。

• 別々の異なるネットワーク トラフィック

VLANの区分化を利用して、仮想マシン、ストレージ、vSphere vMotionまたは

Microsoft Windows Hyper-V ライブ移行のそれぞれのネットワーク トラフィッ

クを分離します。

• ネットワークの冗長性の設定

冗長トポロジーの目的は、単一障害点が原因で生じるネットワークのダウンタ イムをなくすことです。信頼性を強化するには、すべてのネットワークについて 冗長性を図る必要があります。ネットワークの信頼性は、信頼のおける機器と、

障害や故障に耐え得るネットワーク設計によって達成されます。ネットワーク は、速やかに復旧して障害を回避するように設計されている必要があります。

このソリューションでは、2 台のネットワーク スイッチがあり、すべてのネット ワークに独自の冗長リンクがあります。

概要

ネットワーク設計に 関するベストプラク ティス

• NICチーミングの使用

複数のネットワーク接続を並列に集約して、1 本の接続で維持できる量を超 える程度までスループットを増やし、いずれかのリンクに障害が発生した場合 に備えて冗長性を実現します。たとえば、VMware の仮想環境では、vSwitch ごとに 2 枚の物理 NIC を使用し、物理NIC をアップリンクして物理スイッチを 分離します。

NIC チーミングの設定では、NIC チーミングのフェイルバック オプションは「no」 が最適な選択です。ネットワークで何らかの断続的な動作が生じている場合は、

この設定により、使用中のNICカードの頻繁な切り替えが起こらなくなります。

VMware HAを設定する場合は、ESX Server詳細設定の次のESX Serverタイ

ムアウトなども設定します。

 NFS.HeartbeatFrequency = 12

 NFS.HeartbeatTimeout = 5

 NFS.HeartbeatMaxFailures = 10

• ハードウェアロードバランシングまたはWindows NLBの使用

NLBとExchange 2013クライアント アクセス サーバを一緒に使用すると、次

のようなメリットがあります。

 AD(Active Directory)サイトの1つで発生した単一のクライアントアクセス

サーバの障害のインパクトが低減される

 クライアントアクセスサーバ間でロードを均等に分散させるのに役立つ

Windows NLBクラスターの作成およびクライアント アクセス サーバーの設定

の詳細については、「必ず読んでおくべき資料」に示した「VSPEX 実装ガイ ド」を参考にしてください。

• iSCSI NIC上の遅延ACKの無効化

Windows Hyper-V 仮想化プラットフォームで、Hyper-V ホスト上の iSCSI トラ

フィックの送信用のネットワーク インタフェースの TCP/IP 設定を変更して、着 信 TCP セグメントを即時に認識できるようにします。そうしないと、iSCSI のパ フォーマンスが低下します。詳細な手順については、Microsoft のサポート Webサイトの記事「On a Microsoft Windows Server 2008 R2 Fail over cluster with a Hyper-V guest with many pass-through disks, the machine configuration may take some time to come online」を参考にしてください。本 稿は、Windows Server 2012 R2にも適用されます。

VMware仮想化プラットフォームで、iSCSIのパフォーマンス低下の問題を引き

起こす可能性のある遅延 ACK(Acknowledgement)を無効化します。詳細に つ い て は 、VMware Knowledge Base の 記 事 「ESX/ESXi hosts might experience read/write performance issues with certain storage arrays」を参 考にしてください。

• EthernetネットワークのMTUを9,000に設定する

iSCSI、CIFS、またはNFSを使用してアレイにアクセスするため、接続に使用す

る関連の NIC、スイッチ ポート、ストレージ NIC の最大転送単位(MTU)を

9,000 に設定します。これにより、I/O サイズが大きい場合にパフォーマンス

の低下を防ぐことができます。

• Exchange DAGのレプリケーション ネットワークの設定

環境に DAG を導入する場合、単一のネットワークがサポートされますが、各 DAGには少なくとも2つのネットワークを推奨します。

 他のサーバ(Exchange 2013 サーバやディレクトリ サーバなど)が DAG メンバーと通信するために使用する単一のMAPI(Messaging Application Programming Interface)ネットワーク

 ログの配布とシーディング専用の単一のレプリケーションネットワーク これにより、ネットワークの冗長性が実現され、システムはサーバの障害と ネットワークの障害を区別できます。

詳細な手順については、Microsoft TechNet のトピック「高可用性とサイト復 元を展開する」を参考にしてください。

VSPEX 実証済みインフラストラクチャのネットワーク設計におけるその他のベスト プ

ラクティスについては、必ず読んでおくべき資料に示したVSPEX 実証済みインフラス トラクチャガイドを参照してください。

ストレージのレイアウトと設計に関する考慮事項

ここで説明するベスト プラクティスと設計に関する考慮事項は、Exchange Server 2013 環境のさまざまなビジネス要件に合わせてストレージを効果的に計画するた めのガイドラインとなるものです。このセクションでは、FAST Suite とXtremCacheの 設計の考慮事項も説明しています。

図 7 に、vSphere仮想化プラットフォームおよびVNXストレージ アレイ上の仮想化

Exchange 2013 用 VSPEX 実証済みアーキテクチャで検証された Exchange コン

ポーネントとストレージ エレメント間の大まかなアーキテクチャを示します。この例で は、RDM(rawデバイス マッピング)を使用して、Exchange Serverのすべてのデータ ベースとログボリュームを格納しています。

仮想マシン ディスク(VMDK)フォーマットでExchange データを格納することもできま

す。ExchangeデータでのVMDKまたはRDM の使用は、技術要件により異なります。

VMDKとRDMの考慮事項については、「Microsoft Exchange 2013 on VMware Best Practices Guide」を参照してください。

概要

vSphereとVNXを使 用したアーキテク チャの例

図 7. vSphere 5.5およびVNXプラットフォーム上のExchange 2013ストレージ エレメント 注: Microsoftには、Exchange仮想マシンでExchangeデータに使用できるストレージのタ イプ(ファイルまたはブロック プロトコル)に関するサポート ポリシーがあります。詳細につ いては、Microsoft TechNetのトピック「Exchange 2013の仮想化」を参考にしてください。

仮想マシン用の VSPEX プライベート クラウド プールに加えて、追加のストレージ プールを使用して、Exchange のデータベース ファイルとログ ファイルを格納するこ とを推奨します。Exchange 2013の導入用のストレージ プールを設計する場合は、

Exchangeメールボックスサーバーあたり1つのストレージプール、データベースコ

ピーあたり1つのストレージプールなどのさまざまなモデルを使用できます。

この例では、DAGがExchange Server 2013に構成され、各データベースに2つの コピーがあります。データベース コピーごとに専用ストレージ プールを構成しました。

これによりデータベース コピーが分離され、多くの場合に、Exchangeメールボックス サーバごとに 1 つのストレージ プールを使用するモデルに比べて導入に必要な プール数を最小化できます。Exchangeのデータベース ファイルとログ ファイルも異 なるストレージプールに分離しました。

VSPEX プライベート クラウド プールと Exchange データベース プールは、シン LUN を使用することで、高パフォーマンス ディスクと大容量ディスクの両方に対応し ています。FAST VPのストレージ階層化が有効にされています。

表 14 に、この例のストレージプール設計の詳細を示します。

表 14. VNXでのExchange関連のストレージ プール

プール名 目的 推奨されるRAID

VSPEXプライベート クラウド プール

すべての仮想マシンのOSボリュームが 存在するインフラストラクチャ プール。詳 細については、「必ず読んでおくべき資 料」に示したVSPEX実証済みインフラス トラクチャ ガイドを参照してください。

SASディスクとFAST VP SSDによるRAID 5

Exchangeデータ ベース プール1

最初のデータベース コピーのすべての

Exchangeデータベース データが格納さ

れているプール。 NL-SASディスクによる RAID 1/0とFAST VP SSD によるRAID 1

Exchangeデータ ベース プール2

2番目のデータベース コピーのすべての

Exchangeデータベース データが格納さ

れているプール。

Exchangeログ プール1

最初のデータベース コピーのすべての

Exchangeログ ファイルが格納されてい

るプール。 RAID 1/0とNL-SASディ Exchangeログ スク

プール2

2番目のデータベース コピーのすべての

Exchangeログ ファイルが格納されてい

るプール。

図 8 に、Microsoft Windows Server 2012 R2 Hyper-V仮想化プラットフォームおよび VNXe ストレージ アレイ上の仮想化 Exchange 用 VSPEX 実証済みインフラストラク チャで検証されたExchangeコンポーネントとストレージエレメント間の大まかなアー キテクチャの例を示します。

Exchange Server 仮想マシンはすべて、CSV(クラスタ共有ボリューム)上の新しい

Hyper-V VHDX(仮想ハード ディスク)形式で格納され、Exchange Server のデータ

ベースおよびログ ボリュームはすべて、パススルー ディスクに格納されます。この

例では、DAG が Exchange Server 2013 に構成され、各データベースに 2 つのコ

ピーがあります。

Hyper-V VHDX を使用して Exchange データを格納することもできます。Exchange

データでの VHDXまたはパススルー ディスクの使用は、技術要件により異なります。

たとえば、Exchange Server の保護にハードウェア スナップショットを使用する場合 は、パススルー ディスクを使用してExchangeデータベースとログ ファイルを保存す る必要があります。

Hyper-VとVNXeを 使用したアーキテク チャの例

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