第 3 章
これまでの T3 チェンバー開発状況
この章では首都大のT3チェンバーについての詳細および先行研究について説明する。
ることでチェンバー両側を通過した宇宙線を測定することが可能になる。
図3.1 T3チェンバーの読み出しエレクトロニクスのセットアップ
図3.2 先行研究での宇宙線トリガーカウンターの写真
図3.3 スイッチングハブ
図3.4 フラットケーブル
図3.5 FADC電源
3.1.2 高電圧印加方法
T3チェンバーではアノードワイヤー用にプラス、ピックアップワイヤー、カソードワ イヤー用にマイナスのHV電源をそれぞれ用意する。しかし、多数のワイヤーに電圧をか けるため電圧を並列に分配している。有感領域64chについては16ch HV分配ボード(図
2.15)を4枚使用し、各分配ボードと有感領域以外の信号読み出しを行わないワイヤーに
かける1ch に印加するために5ch HV分配ボード (図3.7)をアノードワイヤー、ピック アップワイヤーそれぞれに使用している。また、信号読み出しを行わないワイヤーはデ イジーチェーン(図3.8)により電圧を加え、カソードワイヤーもこの方法を用いている。
アノードワイヤーあるいはピックアップワイヤーのHV配線のセットアップ図を図3.6 に示す。フィールドシェイピングワイヤーはカソード電圧を取り出しワイヤー1 本毎に
5.6MΩ抵抗を取り付け電圧降下させる。アノード面から 6mmの位置の電圧が0V にな
るようにし、これを計4箇所分作成した。フィールドシェイピングワイヤー用抵抗チェー
図3.6 HV供給回路のダイアグラム
図3.8 デイジーチェーン(アノードワイヤー:赤、カソードワイヤー:緑)
図3.9 フィールドシェイピングワイヤー用抵抗チェーン(黒)
3.1.3 ガス供給
T3実験ではHe : CO2=85 : 15の混合ガスを用いるが、本研究ではこの他にチェンバー の動作チェックのためP10ガス(Ar : CH4=90 : 10)を用いた測定を行った。また、チェ ンバー内に空気や水分が混入すると電離電子が酸素分子などに吸収されてしまい信号が測 定できなくなってしまうため、コンテナ内の空気などを可能な限り追い出す必要がある。
チェンバーガスは高価なため、ガスコンテナにチェンバーガスを封入する前に窒素を流し コンテナ内の空気を追い出す操作を行う(窒素パージ)。その際、少なくともガスコンテナ の容積の5倍以上の量を24時間かけて流した。窒素パージ後、チェンバーガスをコンテ ナ容積の5倍以上流してから測定を行う。ガス配管の図を図3.10に示す。ボンベから出 たガスは最初にチェンバーに直接流れ、その後バブラーを通じてガスコンテナ内に放出さ れる。コンテナ内に充満されたガスはさらにバブラーを介してコンテナ外へ排出される。
バブラーにはシリコンオイルを満たしている。