57)というのは、SG 規 格( 製 品 安 全 協 会)では、「この基 準は、自立歩行可能 だが、屋外での物品 の運搬や長距離の移 動が困難な主として 高齢者が、歩行の補 助や品物の運搬及び
休息に用いるシルバーカーで、車輪が 4 輪以上の ものについて適応する。なお、ここでいうシルバー カーとは、ハンドル、フレーム、ストッパー等で構 成したもので、通常、利用者を含めた重心が支持 基底面外にあるものをいう」と定義されています。
すなわち、シルバーカーは、歩行できない人が使 用する歩行補助用具ではなく、歩行可能な人が使 用する歩行補助車および、休憩するためのいすが 付属している歩行補助車ということができます。ま た、シルバーカーのいすは、休憩するためのいす であって、車いすのように、座らせて動かすように は設計されていませんので注意してください。
シルバーカーと歩行器や歩行車の違いは、シル バーカーの支持面の中に身体を入れることができ ないのでグリップへの体重負荷が不十分になり、
歩行を安定させるための支持が足りないことにあり ます。
シルバーカー
[図57]
固定輪
自在輪 ダブルキャスター
シングルキャスター
[図58]
グリップタイプ バーハンドルタイプ
バーハンドルタイプ
[図59]
しない固定輪とキャスターが回転する自在輪があり ます。固定輪の場合、キャスターが回転しないの で方向転換時、キャスターをあげながら行わなけ ればなりません。自在輪の場合キャスターが回転 するので方向転換をしやすいのですが、シルバー カーの支持面の中に使用者が入れませんので、そ の場での回転はできません。
(3)ハンドル・ブレーキの形状(図 59)
シルバーカーのハンドルには、バーハンドルタ イプとグリップタイプがあります。
バーハンドルタイプの場合ワンハンドブレーキ なので片手でブレーキをかけることが可能ですが、
ハンドルに体重をかけにくいため歩行時のバラン
シルバーカー各部位の特徴
(1)シングルキャスターとダブルキャスター(図58)
シルバーカーの前輪には、シングルキャスター とダブルキャスターがあります。重量はシングル キャスターは軽く、ダブルキャスターは重くなりま す。そして、ダブルキャスターの場合、踏切を渡 るときにキャスターが線路に落ちることを防げるよ うに設計されています。
(2)固定輪と自在輪
シルバーカーのキャスターは、キャスターが回転
杖・歩行器等補助用品の選び方、利用のための基礎知識杖・歩行器等補助用品編
イプ(図 60)や、バーハンドルのレバーにロック をするタイプ(図 61)、レバー式(図 62)、足で 操作するタイプ(図 63)などがあります。
駐車ブレーキは、足で操作する場合、レバーに 足を掛け、足を上げさせるものは立位バランスを 崩しやすいですから、できるだけ両足を地面につ けて安定した状態で手でブレーキをかけることが できるものの方がよいでしょう。
スが不安定の方には向いていません。
一般的にはグリップタイプの場合は両側にブ レーキがついていますが、左右の握力が違う人の 場合シルバーカーが回転してしまうことがあるので 注意が必要です。中にはグリップタイプでも片側 を握るだけで両側にブレーキがかかるものがあり ます。
(4)駐車ブレーキ
駐車ブレーキには、グリップのレバーを下げるタ
引用・参考文献
1) 『基礎運動学第6版』(中村隆一、齋藤 宏、長崎 浩著/2005年/医歯薬出版)
2) 『自立支援とリハビリテーションVol3 No2 福祉用具を上手に利用して活動範囲を拡大する』(加島 守著/2005年/日総研)
3) 『福祉用具支援論』(市川 洌他著/2006年9月/テクノエイド協会)
4) 『福祉機器 選び方・使い方2007 〜はじめてのベッド、リフト等移乗用品、杖・歩行器、車いす〜』(市川 洌、加島 守、
吉川和徳著/保健福祉広報協会)
5) 『歩行補助用具の活用、福祉用具シリーズVol.12』(加島 守著/2008年5月/テクノエイド協会)
執筆者
加島 守(高齢者生活福祉研究所 所長/理学療法士)
バーハンドルにフックを ひっかけてロックする
[図61]レバーロックタイプ [図63]足操作式
[図60]レバーを下げるタイプ [図62]レバー式
杖・歩行器等補助用品の選び方、利用のための基礎知識杖・歩行器等補助用品編
車いす 編
車いすの
選び方、利用のための
基礎知識
最近、高齢の方や障がいのある方が普段の生活 の中で車いすを使用している姿を良く見かけるよう になりました。足が不自由な方の移動手段のため、
座っていると姿勢が崩れてしまう方の姿勢保持の ため、車いすでスポーツをするためなど、多くの 目的で使われています。
どのような車いすを選択するかは、日常生活は もとより QOL(生活の質:クオリティーオブライフ)
に大きく影響してきます。ニーズに合った車いす を利用して自立支援や生活目標の実現につなげま しょう。そのためには利用する方の身体機能・目 的・環境などを考えて選びたいものです。選ぶと きは利用する方の身体機能、移乗方法、操作能力 などを参考にしましょう。移乗動作は一人で可能な のか、介助が必要なのか、移乗のために福祉機器 が必要になるのか。移動手段として車いすを使用 するのか、食事の姿勢保持のために使用するのか。
使用時間の違いも車いすの選択に影響します。
車いすは幅広い目的で使われる道具です。そ のため「道具」として使いこなすには少し「こつ」
が必要です。また特徴や構造が分かると使い方に も差が出てきます。
これから述べることが車いすの理解を深めてい ただく「はじめの一歩」になればと思います。