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シミュレーション検討

ドキュメント内 広帯域低雑音増幅回路の研究 (ページ 36-39)

第 3 章 信号抑制フィードフォワードノイズキャンセル低雑音増幅器の提案

3.8 シミュレーション検討

図3-11にシミュレーション回路を示す。メインアンプ段は容量CS, C1, 抵抗RB1, Rf1, Rf2, NMOS Mia, Mib, 定電圧源VB1, VDD1でノイズキャンセル段は容量C2, C3, CL, 抵抗 RB2, RB3, NMOS M2, M3, 定電圧源VB2, VB3, 定電流源iresによって構成される。信号抑 制部はRf1とRf2により構成される。容量CS, C1, C2, C3は直流電流が流れるのを阻止す るために付いており、小信号的な特性についての変化はほぼ無視できる。定電圧源VB1, VB2, VB3、抵抗RB1, RB2, RB3はそれぞれのNMOSのゲート端子にバイアスするために 付いている。定電流源iresはM2およびM3のトランスコンダクタンスgm2, gm3を調整す るために付いている。vsは入力でRSは伝送線路の特性インピーダンス(RS=50Ω)である。

シミュレーションにはCadence社Spectre TSMC 0.90µmCMOSプロセスを用いた。

各素子の素子値はCS = C1 = C2 = C3 = 1nF, (W/L)Mia = (W/L)Mib = 47µm/130nm, VDD1 = 1.2V, VB1 = 550mV, RB1 = 50kΩ, (W/L)M3 = 25µm/130nm, VDD2 = 1.2V, RB2 = RB3 = 50k Ω, CL = 1pFのように設定した。また (W/L)M2はノイズキャンセルアンプAv,cの利得を 変化させるため適宜調整した。Rf1 と Rf2 はメインアンプ段の特性の変化を防ぐため Rf1+Rf2 = 370Ω一定となるように設定した。VB2およびVB3は各Rf1およびRf2に対して、

M2と M3が飽和領域で動作するよう設定した。従来のフィードフォワード型ノイズキ ャンセルLNAと異なる点はM2のゲートへの入力信号である。従来回路では図3-11の ノードxが入力されていたが、本回路は信号抑制部Rf1とRf2の間のノードaから入力 される。

図3-11 シミュレーション回路

信号抑制部の検証を行った。Rf1+Rf2 = 370Ω一定の条件で、Rf2を0Ωから50Ωを変 化させたときのノード a の小信号成分をシミュレーションした。入力 vsは小信号電圧

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振幅23mV、周波数が849MHzとした。図3-12にシミュレーション結果を示す。この

結果よりRf2が大きくなるにつれてvaが小さくなっていくことがわかる。

図3-12 vaのトランジェント波形

ノイズキャンセルの検証を行った。Av,cと Rf2を変化させたときのNF をシミュレー ションした。シミュレーション結果を図3-13(a)に示す。NFは周波数が1GHzのとき の値である。Rf2が小さいほど NFが小さい(雑音性能が改善されている)ことがわか る。また図3-13(b)は、各Rf2におけるノイズキャンセル点でのNF(周波数1GHz)とそ の時の消費電力を表す。Rf2を小さくすればNFが小さく(雑音性能が良く)なり、Rf2

を大きくすれば消費電力が小さくなることがわかる。

(a) Av,cに対するNFの変化 (b)Rf2に対する消費電力とNFの関係 図3-13 シミュレーション結果

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次に歪みキャンセルの検証を行った。Rf1=350Ω, Rf2=20ΩとしてAv,cを変化させたと きのIIP3の変化をシミュレーションした。79MHzと81MHzの2トーン信号を入力と し、79MHzを基本波、77MHzを3次相互変調歪みとした。

シミュレーション結果を図 3-14 に示す。今回の結果では歪みキャンセル条件が式 (3-26)とほぼ一致した。

図3-14 Av,cに対するIIP3の変化

設計の一例として、Rf1 = 350Ω, Rf 2= 20Ωとした場合のSパラメータS11, S21およ びNFをシミュレーションした。基本的なパラメータは前述のとおりである。Av,cにつ いてはノイズキャンセル条件Av,c = 4.83と歪みキャンセル条件Av,c = 6、その中間値Av,c

= 5.42の三種類を設定した。SパラメータおよびNFの周波数特性のシミュレーション

結果を図3-15(a)に示す。次に各 Av,cにおける 1GHz時のNF、IIP3、消費電力のシミ ュレーション結果図3-15(b)を示す。IIP3については79MHzと81MHzの2トーン信 号を入力とし、79MHzを基本波、77MHzを3次相互変調歪みとした。図3-15(a)より 各Av,cによる S パラメータの違いはほぼないことがわかった。IIP3 についてもほぼ同 じことが言える。しかし消費電力では差が出ており、Av,cが4.83と6の場合を比較する と1.64mW差が出た(Av,c = 4.83を基準とするとAv,c = 6のとき消費電力は19%増加し た)。今回のシミュレーション結果では Av,cはノイズキャンセル条件を満たすとき、消 費電力の点で良いという結果が得られた。

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(a)S11, NF S21の周波数特性

(b)各Av,cに対するNF, IIP3, 消費電力の変化 図3-15 シミュレーション結果

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