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シミュレーションの条件と手順

2. 手法

2.11. シミュレーションの条件と手順

表1  EF1およびEF2ペプチドのアミノ酸配列 Peptides Amino acid sequences

EF1 Ace-DYATLQLQEGRLHFMFDLG-Nme EF2 Ace-DFATVQLRNGFPYFSYDLG-Nme

2.11.2. レプリカ交換法シミュレーションの条件と手順

  本研究において,レプリカは48個用意した.温度は300 Kから450.5 Kの範囲に設 定した.それぞれのレプリカの温度間隔は2.5 Kから4 Kおきに設定した.各レプリ カの温度は表2に示した.ここで示す温度間隔は,レプリカ間の交換確率が約0.3に するために,短いレプリカ交換シミュレーションを繰り返し行い,経験的に得られた 間隔である.力場は Amber99sb-ildnを用いた[72].水は TIP3P モデル[73]を使用し,

水分子の数は,EF1においては 7,953個,EF2 においては 7,011個を加えた.系の境 界条件は周期境界条件を使用した.水を含めた系を用意する際,系を中性に保つため,

対イオンとして,EF1においてはナトリウムイオンを2つ,EF2においては,ナトリ ウムイオンを1つ加えた.

  温度制御と圧力制御はそれぞれ能勢・フーバー熱浴,パリネロ・ラーマン法を用い た.ただし,緩和過程においてのみ,温度制御は速度スケーリング法を用いて行った.

温度,体積一定の条件下(NVT: 粒子,体積,温度一定)のシミュレーションにおい ては,体積が一定になるようにシミュレーションを行う系の大きさを固定した.

  はじめに,系を用意したのち,配置した水およびペプチドが無理のない位置になる よう,エネルギー最小化を行い,300 K,1 barの条件下(NPT: 粒子,圧力,温度一定)

で1 ns緩和のシミュレーションを行った.次に300 K,NVTの条件下で1 ns緩和のシ ミュレーションを行った.その後,緩和後に 48 個のレプリカを作成し,各レプリカ のそれぞれの温度(300 Kから450.5 K)でNVTの条件下で緩和を行った.各レプリ カの緩和が終わった後,各レプリカをNVTの条件下で独立に60 nsのシミュレーショ ンを行う.この時,各レプリカ間の交換頻度は2 psに設定した.解析には,初期構造 の依存があるため,5-60 nsの軌跡を用いた.

表2 各レプリカの温度

Replica 1 300 K Replica 18 346 K Replica 35 402 K

2 302.5 K 19 349 K 36 405.5 K

3 305 K 20 352 K 37 409 K

4 307.5 K 21 355 K 38 412.5 K

5 310 K 22 358 K 39 416 K

6 312.5 K 23 361 K 40 419.5 K

7 315 K 24 364 K 41 423 K

8 317.5 K 25 367 K 42 426.5 K

9 320 K 26 370.5 K 43 430.5 K

10 322.5 K 27 374 K 44 434.5 K

11 325 K 28 377.5 K 45 438.5 K

12 328 K 29 381 K 46 442.5 K

13 331 K 30 384.5 K 47 446.5 K

14 334 K 31 388 K 48 450.5 K

15 337 K 32 391.5 K

16 340 K 33 395 K

17 343 K 34 398.5 K

2.11.3. シミュレーションの条件と手順

  EF1およびEF2の初期構造はレプリカ交換法と同様の方法で準備した.配列は,表 1 に示してある.水は TIP3P モデルを使用し,水分子の数は,EF1 においては 7,118 個,EF2においては7,100個を加えた.系の境界条件は周期境界条件を使用した.系 を中性に保つため,対イオンとして, EF1においてはナトリウムイオンを2つ,EF2に おいては,ナトリウムイオンを1つ加えた.系の緩和において,温度制御および圧力 制御はそれぞれ速度スケーリング法,パリネロ・ラーマン法を用いた.緩和後の分子 動力学シミュレーションにおいて,圧力制御は緩和と同様にパリネロ・ラーマン法を 用いた.温度制御は能勢・フーバー熱浴を用いた.

  系を用意したのち,配置した水およびペプチドが接近しすぎない位置になるよう,

エネルギー最小化を行った.その後,系が設定温度(300 K)になるよう等温定積下で 緩和を1 ns行い,系が設定する圧力(1 bar)になるよう常温常圧下で緩和を50 ns行 った.緩和終了後,等温定圧下で2 µsのシミュレーションを行った.シミュレーショ ンは,EF1およびEF2,それぞれ2回ずつ行った.それぞれ2回のシミュレーション の違いは,水の初期配置および初期速度である.