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システムの実験結果の評価 29

本章では,本研究で実装したロボットの位置検出の実験について実験環境,結果, 評価について述べる.

6.1 実験環境

実験環境は,縦6m横4mの室内で,報道記者ロボットが1台,対象ロボットを2 台用意した。実験では,報道記者ロボットを起動しすぐに対象ロボットから写真要 求クエリーを発行し,報道記者ロボットを呼び寄せる.そこから報道記者ロボット が対象ロボットを検出するまでの時間と検出率を測定する. このとき,3分以内に 対象のロボットを検出できないときは,タイムアウトとし検出失敗とする.対象ロ ボットと報道記者ロボットとの位置関係は対象ロボットが報道記者ロボットの前 方,後方,障害物に隠れている状態,ランダムの4パターンを用意しそれぞれ, 10回 ずつ測定を行った.

6.2 実験の結果

実験結果を表6.1に示す.平均検出時間は51秒で,報道記者ロボットと対象ロボッ トの初期位置の平均距離は4mだった.

表 6.1: 実験結果

6.3 評価・考察

実験では,報道記者ロボットの前方に対象ロボットを置いたとき100%の確率で 認識することができた.また,後方においたときは,自律行動で前進して一時は離れ てしまうが,RFIDによる方向取得によって遠ざかったと判断し,すぐに後方を探索

し90%の確率で検出することができた.視界に入らない後方を探索できたことで

RFIDによる方向の取得の有効であるとわかった. 障害物をはさむ場合では4割ほ どしか検出することができなかった. しかし,対象のロボットの近くにはいくこと ができた.最終的に検出できなかった理由としては対象ロボットの近くにはいくも のの最終的に画像処理によって,ロボットがいると判断するため,障害物で対象ロ ボットをみずらくなり,最終判断ができなくなりタイムアウトがおきたと考えられ る. この対処法として,障害物に対して回り込む処理が必要と考えられる. 全体的 評価としては,80%の確率で対象ロボットを検知することができた.本システムでの ロボット検出が有効であることがわかった. また,検出速度は,およそ秒速7.8cm だった.ロボットの最大速度は秒速20cmであることから,直線的に対象ロボットへ 接近するときに比べ,約2/5の速度だということがわかる. 今後,いかに秒速20cm に近づけるかが課題となる.

第 7 章 結論

本章では,本論文のまとめと本論文で提案したシステムの今後の課題を述べる.

7.1 まとめ

本論文では,報道記者ロボットを実現するための,解決すべき問題を提起し,そ の解決法および本システムの実装法について論じた.そして,評価実験を行い,本 研究の有用性を示した.

第 2 章では,ロボット間通信について述べた.

第 3章では,ロボットの位置検出について,関連研究と本研究での手法を述べた.

第 4 章では,ロボットの自律行動について述べた.

第 5 章では,ウェブサーバーの構成および処理を述べた.

第 6 章では,評価実験を行ない,実験結果について考察し,本システムの有用 性を述べた.

7.2 今後の課題

本論文で提案したシステムにおいて,今後解決すべき課題として以下の点が挙 げられる.

1. 速度の向上

現在,自律行動でのロボットの動作は,超音波センサーの関係から10cm ずつ しか進むことができない.それによって,対象ロボットから写真要求クエリー がきてから,対象ロボットの位置まで移動するときに,時間がかかってしまう.

これにより,対象ロボットの前の子供がいなくなるという現象が起こりやす くなってしまう.これを解決するために,超音波センサーだけでなく画像処理 による障害物回避を行う必要がある.

2. 障害物の回りこみ

前章でも述べたが,対象ロボットが障害物に囲まれている場合,障害物を的確 に認知し,障害物を回りこむ処理が必要になる.それにより,対象ロボットを 検出する精度を向上する必要がある.

3. ウェブサーバーのコンテンツの向上

現システムでは,ウェブサーバで報道記者ロボットが撮影した写真しか閲覧 することしかできない.今後,写真に対するコメントを自動生成し写真ととも に掲載させたり,音声や動画なども取得できウェブサーバーにアップしたり することで,より面白いウェブページを作成したい.

今後は以上の課題に取り組み,より有用なシステムの開発を行なう.

謝辞

本研究を行なう機会を与えて頂き,また,研究の全過程を通して日頃より暖かい 御指導を賜った 村岡 洋一 教授に心より感謝の意を表します.また,研究を行うに あたりご協力いただきましたNECマルチメディア研究所ロボット開発センター の皆様に感謝致します。そして,最後に,公私に渡る様々な相談相手となって頂 いた,MCEメンバー,及び村岡研究室の先輩方,同期の友人たちに厚く御礼を申し 上げます.

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