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システムのユーザ評価

第 5 章 「 CaPPTioner 」の評価

5.2 システムのユーザ評価

ユーザビリティテストとアンケートおよびインタビューの実施し、システムの有効性につ いて評価を行った。

5.2.1

システム全体の評価

本システム全体の有効性についてアンケート結果を基に述べる

本システムを筑波大学の

M1

M2

学生に運用していただき、その有効性についてのアンケー ト評価を集計した。

M1

学生には実際に行う講演を補助してもらい、

M2

学生には講演を想定 しての補助を行い、本システムの有効性についてアンケートを実施した。有効性に関する評 価結果を表

5.1

に示す。

5.1:

講演者・補助者の評価結果

対象 質問項目

1 2 3 4 5

平均評価

講演者

(M2)

聴覚障碍者が実際に来場するのであ れば、本システムを使って講演した い

0 0 3 2 8 4.4

補助者

(M2)

自分が参加する学会等において、聴 講者に聴覚障碍者がいる場合、本シ ステムを使った補助に協力したい

0 0 2 7 4 4.2

補助者

(M1)

自分が参加する学会等において、聴 講者に聴覚障碍者がいる場合、本シ ステムを使った補助に協力したい

1 0 1 1 2 3.6

そう思わない      非常にそう思う

1

  

-

  

2

  

-

  

3

  

-

  

4

  

-

  

5

アンケート結果より、被験者の半数以上が聴覚障碍者がいる場であれば本システムを利用 して講演を行いたいと感じたことが分かった。また、補助者の平均評価が講演者の平均評価 と比較して、少し低い値であることが分かる。講演者の平均評価が高いのは、本システムが 講演者にそれほど影響を与えずに情報保障を実施することができるためではないかと考えら れる。補助者の平均評価が講演者と比較して低い値となったのは、被験者が情報保障のため の字幕操作を行った経験のない学生であるため、字幕の操作を面倒に感じたのではないかと 考えられる。

また、聴講者として、聴覚障碍者の方に実験に協力していただいた。講演を聴講していた だく形式で実験を行い、シングルスクリーンと

2

画面、携帯情報端末で閲覧した字幕を対象 にシステムの有効性についてアンケートを集計した。アンケートの結果を表

5.2

に示す。

5.2:

聴講者の評価結果

対象 質問項目 はい いいえ

シングルスクリーン

2

画面が準備できない会場で、

1

画 面で字幕を表示する機能が有用だと 思いますか?

10 2

2

画面 普段見慣れている

IPtalk

等の字幕に 比べて、見づらいところはありまし たか。

1 11

携帯情報端末 今後、字幕の配信があるなら、端末 で閲覧したいですか?

11 1

2

画面での表示は、

IPtalk

の手法と字幕の表示方法が類似していることから、

IPtalk

と比較

した質問を行った。結果、

3

つの項目全てにおいて、

8

割以上の被験者から良い結果を得るこ とができた。

以上の結果より、ユーザ評価において本システムは情報保障の手段として有効であるとい う結果を得ることができたといえる。

5.2.2

予測変換に対する評価結果

予測変換に対する評価結果を抜粋して表

5.3

に示す。評価結果としては、「予測変換が簡単 に使えた」、「予測変換を使って補助速度を向上できた」ともに低い評価を得た。

5.3:

予測変換の評価結果

質問項目

1 2 3 4 5

平均評価 予測変換が簡単に使えた

2 2 1 0 0 1.8

予測変換を使って補助速度を向上できた

3 1 1 0 0 1.6

インタビュー内容

番号の入力方法を忘れた。

癖で

IME

を使った。

そう思わない      非常にそう思う

1

  

-

  

2

  

-

  

3

  

-

  

4

  

-

  

5

5.2.3

考察

質問項目の

2

つが共に

2

を下回る結果となった理由として、今回の実験方法から

2

点の要 因が考えられる。

1

つ目は、実験協力者が比較的タイピング能力が高い人物ばかりであった点である。実験協 力者はいずれも情報系の大学院生であり、一般的なタイピング速度よりもはるかに高いタイ ピング速度を有していると考えられる。予測変換は、ユーザのタイピング速度が速いとその 効果は低下すると考えられるため、評価が低くなったと考えられる。

2

つ目は、実験協力者の本システムの習熟度が低かった点である。本実験では、実験協力者 には簡単に操作方法を説明するのみであり、その習熟度は極端に低かったと考えられる。さら に、本実験は実際の講演の中で運用しているため、ユーザの習熟度の不足から、インタビュー にあるように入力方法を忘れてしまい、講演に支障が出ないように予測変換を利用しない手 打ちでの入力を行ったと考えられる。

しかし、上記

2

点の要因を考慮したとしても、本機能のユーザビリティは高いとは言い難 い。インタビュー内容に「癖で

IME

使った。」とあるように、タイピング能力の高いユーザ

通常のタイピングと親和性のあるような候補提示の方法を行うことでユーザビリティを改善 できるのではないかと考えている。