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コントロール・パッケージ内での組織学習の影響

ドキュメント内 概要書 (ページ 98-101)

第4章 組織学習が企業文化に与える影響

第5節 コントロール・パッケージ内での組織学習の影響

第5節では、計画、サイバネティック・コントロール、報酬・俸給、管理的コントロ ールの4つのコントロールが実施される中で行われる組織学習によって、文化によるコ ントロールに対してどのような影響を与えるかについて検討する。

(1) 計画における組織学習が文化によるコントロールに与える影響

計画において行われる組織学習は、必要と定められた情報を収集するのみならず、新し い情報を取り入れることによって環境変化に適応しようとすることを可能とすると考えら れる。新しい情報の存在は、従来の計画において想定していないものが存在することを意 味しており、環境変化が生じているという事を察知するためのものとして捉えることがで きると考えられる。

計画の策定段階においては、策定されて計画に沿って組織構成員が活動していくと考え られるが、その活動の中で当初予定していなかったことなどは当然のように発生すると考 えられる。そのような偶発的な状況から組織構成員が学習活動を行い、対応策を講じるこ

とによって、次に同じような状況が発生した場合に対処できるようになる。また、新たな 機会を発見したような場合には、本章第3節2項で取り上げた創発戦略につながることも 期待できると考えられる。

このように新たに生じた事象から情報を収集することによって、計画というコントロー ル手段に用いる情報が増加するため、計画をより良いものに作り上げることを支援するこ とができると考えられる。このような組織学習プロセスのもとで、バリューに関しては、

新しい情報を取り入れることの必要性や有用性を認識する価値観を作り上げることができ ると考えられる。クランに関しては、規定された情報のみならず、様々な情報に関しても 配慮するという行動様式が構築されると考えられる。そしてシンボルに関しては、計画に おいて、新たな情報を取り入れることを公式化した制度・規範が構築されると考えられる。

このようにして、新たな情報を取り入れるプロセスを経ることによって、文化によるコン トロールが環境に適応し続けることが可能になると考えられる。

(2) サイバネティック・コントロール及び報酬・俸給における組織学習が文化による コントロールに与える影響

報酬・俸給における組織学習は、報酬・俸給のコントロール単体で行われるものではな く、サイバネティック・コントロールにおける業績測定に関連しながら行われると考えら れる。そのため、関連性が高いことからサイバネティック・コントロールを一括りにして 検討を行うこととする。

サイバネティック・コントロールにおいて行われる組織学習は、予算などの目標を達成 し、良い評価を受けるために、業務の有効性、効率性を向上させる方策を組織構成員が考 え行動していくことと考えられる。

予算などの目標設定に関する組織学習に求められることは、計画の部分で述べたことと 同様の組織学習が行われることが求められる。一方で、業績評価における組織学習に求め られることは、現場レベルで重視されている事項と、業績評価に用いる指標との関連性が 高くなるようになることである。業績評価に用いる指標は、トップ・ダウンによって定め るのではなく、現場が重視している事項を指標として取り込むべきであり、このことによ ってより良い業績測定システムを構築することができると考えられる。また、現場から生 まれた評価尺度を用いて業績評価を用いることによって、フロント・ラインの従業員の業 務に対するコミットメントが上昇すると考えられる。

このように現場が重視する業績評価尺度を取り入れるサイクルが構築されることによ

って、現場は何をすべきなのか、どう実施すべきなのかという事を必然的に考えることに なる。そして、そのようなことが制度・規範として取り入れられることによって、シンボ ルが構築される。現場では構築されたシンボルが実施されていくことによって、クラン及 びバリューが作り上げられ、循環してシンボルの適正性を確保することができるようにな ると考えられる。

報酬・俸給は、サイバネティック・コントロールによって実施される業績評価と連動す る必要がある。そして、業績評価指標に変化が生じた場合には随時適応していくことが求 められると考えられる。

(3) 管理的コントロールにおける組織学習が文化によるコントロールに与える影響 管理的コントロールは組織構造などの組織全体に関連するものであり、日常的に行われ る組織学習とは関連性が薄いと考えられる。しかし、企業経営を行っていくことで得られ る情報から組織学習が行われることによって、どのような組織形態が現状の経営環境にお いて望ましいのかについて、トップ・マネジメントに検討させる情報を提供することがで きる。また、組織形態のみならず、どの程度現場に権限委譲すべきなのかに関して随時検 討が行われていくことによって、現場が実務を行っていく上で本当に必要な権限のみを委 譲することが可能となる。この組織学習プロセスによって、現場が最も効率的であると考 える業務を実施することが可能となり、文化によるコントロールにおいて望ましいクラン とシンボルが確立されると考えられる。

ドキュメント内 概要書 (ページ 98-101)