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2017年度(当期)の業績

ANA

グループの概況

 ANAグループは、

ANA

ホールディングス(株)を持株会社 とし、全日本空輸(株)を含む子会社126社、関連会社45社

(連結対象範囲は連結子会社64社、持分法適用子会社・関 連会社16社)により構成されています(当期末現在)。当期末 におけるグループ従業員数は、前期末から2,687人増加して

41,930人となりました。

 当期は、「2016-20年度 中期経営戦略 ローリング版」で 掲げた「エアライン事業領域の拡大」「新規事業の創造と既存 事業の成長加速」を戦略の柱とし、新規投資やイノベーション の創出、多様化する顧客ニーズへの対応などをシンプルかつ タイムリーに判断する「攻めのスピード経営」を遂行しました。

連結売上高・営業費用・営業利益

 当期は、主力の航空事業が好調に推移したことに加え、航 空関連、商社、その他事業においても増収を達成したことな どにより、連結売上高は前期比2,065億円増(同11.7%増)の

1兆9,717億円となりました。

 営業費用は、事業規模の拡大に伴って生産連動費用が増 加したほか、安全と人への投資を優先させましたが、コスト マネジメントにも取り組んだことにより、前期比1,875億円増

(同11.6%増)の1兆8,072億円となりました。

 以上により、当期の営業利益は、前期比189億円増(同

13.0%

増)の1,645億円となりました。

セグメント別の状況

 ANAグループでは、報告セグメントを「航空事業」「航空関 連事業」「旅行事業」「商社事業」に区分しています。

セグメント別実績

(百万円)

売上高 営業利益(損失) EBITDA

(年度) 2017 2016 増減 2017 2016 増減 2017 2016 増減

航空事業

¥1,731,173 ¥1,536,349 ¥194,824 ¥156,873 ¥139,511 ¥17,362 ¥301,097 ¥273,347 ¥27,750

航空関連事業

284,331 264,457 19,874 10,635 8,309 2,326 15,000 13,201 1,799

旅行事業

159,289 160,609 (1,320) 3,745 3,741 4 4,026 3,912 114

商社事業

143,039 136,761 6,278 4,506 4,385 121 5,821 5,657 164

報告セグメント計

2,317,832 2,098,176 219,656 175,759 155,946 19,813 325,944 296,117 29,827

その他

38,708 34,776 3,932 2,767 1,368 1,399 2,990 1,551 1,439

調整額

(384,741) (367,693) (17,048) (14,010) (11,775) (2,235) (14,010) (11,775) (2,235)

合計(連結)

¥1,971,799 ¥1,765,259 ¥206,540 ¥164,516 ¥145,539 ¥18,977 ¥314,924 ¥285,893 ¥29,031

注: 1 . 「その他」の区分は、報告 セグメントに含まれていない事業 セグメントであり、施設管理、ビジネスサポートなどの事業を含んでいます。

2. セグメント利益の調整額は、セグメント間取引の消去、および全社費用(グループ管理費用)などです。

3. セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。

4. EBITDA(償却前営業利益)= 営業利益+減価償却費

【航空事業】

2017年度 営業利益増減要因(2016年度差)

※2016年度実績にPeachAviation(株)の業績は含まず

 航空事業における売上高は、旺盛な需要に支えられ国際線 旅客・国際線貨物が好調に推移したことや、当期から連結子 会社となったPeach・

Aviation

(株)の収入が加わったことな どにより、前期比1,948億円増(同12.7%増)の1兆7,311億円 となりました。費用面では、事業規模の拡大に伴う費用が増

加したほか、整備委託プログラムへの加入に伴って整備関連 費用が大きく増加しましたが、コストマネジメントに着実に 取り組んだ結果、航空事業の営業利益は、同173億円増(同

12.4%

増)の1,568億円となりました。

 事業別の業績概要は次の通りです。

ANA

国際線旅客事業

 国際線旅客事業は、日本発のビジネス需要が好調に推移し ていることに加え、旺盛な訪日需要を取り込んだことなどに より、旅客数・収入ともに前期を上回りました。

 路線ネットワークでは、前期に続いて首都圏空港の発着便 を拡充しました。

2017年8月より羽田 ―ジャカルタ線、 10月

より成田―ロサンゼルス線を1日2便へ増便し、首都圏発着の ビジネス需要に加え、アジア―北米間や国内地方空港との接 続需要の取り込みを図りました。また、ホノルル線において 全機材をボーイング787-9型機へ変更し、フルフラット・シー トの「ANAビジネス・スタッガード」に加え、新たに「プレミ アムエコノミー」を提供することで、プロダクトとサービスの 充実を図りました。

 営業面では、国内外の堅調な景気動向を支えに、年間を通 してビジネス需要が堅調に推移したことから、イールドマネ ジメントの強化を図りました。また、日本発・海外発共に各種 割引運賃を設定してレジャー需要を取り込んだほか、訪日需 要のさらなる喚起に向けたプロモーション活動の強化に努め ました。

 以上の結果、当期の輸送実績は、座席 キロが前期比7.0%

増、旅客キロが同7.7%増となり、座席利用率は同0.5ポイン ト上昇の76.3%となりました。旅客数は同6.8%増の974万 人、単価は同8.2%増の61,336円となり、売上高は同15.6%

増の5,974億円となりました。

2017年度 営業利益 燃油費

燃料税 収入連動 生産連動

その他 その他ANA

売上増 +1,948 費用増 +1,774

増益 +173 貨物郵便ANA

国際旅客ANA

国内旅客ANA

2016年度 営業利益

空港使用料、機材費、

人件費、外部委託費等 販売手数料、

広告宣伝費、

機内サービス費、

地上サービス費等 機材以外の 減価償却費、

整備費等

受託整備・ハンドリング、

マイル・カード収入等

1,568 +270

+645 +165

+692 +135

LCC +635

+255

+806 +114

1,395

(億円) 2017 2016 増減 前期比(%)

売上高

17,311 15,363 +1,948 +12.7

営業費用

15,743 13,968 +1,774 +12.7

営業利益

1,568 1,395 +173 +12.4

(億円)

ANA

国際線旅客事業の実績

(年度) 2017 2016 前期比(%)

座席キロ(百万)

64,376 60,148 +7.0

旅客キロ(百万)

49,132 45,602 +7.7

旅客数(千人)

9,740 9,119 +6.8

座席利用率(%)

76.3 75.8 +0.5

旅客収入(億円)

5,974 5,167 +15.6

ユニットレベニュー(円)

9.3 8.6 +8.0

イールド(円)

12.2 11.3 +7.3

旅客単価(円)

61,336 56,669 +8.2

※座席利用率は前期差

ANA

貨物郵便事業

 国際線貨物事業は、北米・欧州向けの自動車関連部品や電 子機器を中心とした旺盛な貨物需要を背景に、日本発海外 向けが好調に推移し、海外発においても、アジア・中国発の日 本向け貨物が好調に推移しました。また中国発北米向けの三 国間貨物を取り込んだことも奏功し、当期の有効貨物トンキ ロは前期比3.4%増、有償貨物トンキロは同7.8%増となりま

した。貨物輸送重量は、同4.3%増の99万トン、単価は好調 な貨物需要を背景に値上げを実施した効果が現れたことで 同21.3%増と大幅に上昇した結果、売上高は同26.5%増の

1,180億円となりました。

 国内線貨物事業では、需要が好調な国際線との接続貨物 を取り込んだほか、花卉需要が高まる期間に沖縄 ―羽田線

(億円)

(左軸)■旅客収入 (右軸) 座席キロ  旅客キロ  イールド

2013 2014 2015 2016 2017

8,000

6,000

4,000

2,000 0

200

100 150

50

0

※ 座席 キロ、旅客 キロ、イールドは2013年度を100とした指数

(年度)

ANA

国内線旅客事業の実績

(年度) 2017 2016 前期比(%)

座席キロ(百万)

58,426 59,080

△1.1 旅客キロ(百万)

40,271 38,990 +3.3

旅客数(千人)

44,150 42,967 +2.8

座席利用率(%)

68.9 66.0 +2.9

旅客収入(億円)

6,897 6,783 +1.7

ユニットレベニュー(円)

11.8 11.5 +2.8

イールド(円)

17.1 17.4

△1.5 旅客単価(円)

15,623 15,787

△1.0

※座席利用率は前期差

ANA

国内線旅客事業

 国内線旅客事業では、小型機の投入によって需給適合を推 進した中、各種割引運賃を設定して需要の喚起に努めたこと などにより、旅客数・収入ともに前期を上回りました。

 路線ネットワークについては、

2017年6月から中部―宮古

線を新規に開設したほか、夏季の一部期間における羽田 ― 沖縄線の深夜便「ギャラクシーフライト」運航や、ウィンター ダイヤからの広島空港の運用時間延長に伴う羽田 ―広島線 の増便など、各路線の特性に応じた柔軟な対応により、需要 を取り込みました。

 営業面では、プロモーション運賃「旅割」を効果的に設定し て需要を喚起したほか、訪日客による国内線の利用促進に努 めました。またサービス面では、全席にタッチパネル式 パー

ソナルモニターを完備したエアバス

A321neo

型機が2017年

9月から新たに運航を開始したほか、新千歳空港における国

内線プレミアムメンバー向け最上級ラウンジの設置や自動手 荷物預け機「ANA Baggage Drop」の導入など、お客様の 快適性、利便性の向上に努めました。

 以上の結果、当期の輸送実績は座席 キロが前期比1.1%減、

旅客キロが同3.3%増となり、座席利用率は同2.9ポイント上 昇の68.9%となりました。下期を中心に台風や降雪などの天 候による影響を受けましたが、旅客数は同2.8%増の4,415万 人、単価は同1.0%減の15,623円となり、売上高は同1.7%増 の6,897億円となりました。

(億円)

(左軸)■旅客収入 (右軸) 座席キロ  旅客キロ  イールド

2013 2014 2015 2016 2017

8,000

6,000

4,000 2,000

0

120

100 110

90

0

※ 座席 キロ、旅客 キロ、イールドは2013年度を100とした指数

(年度)

ANA

貨物郵便事業の実績

(年度) 2017 2016 前期比(%)

貨物郵便収入(億円)

1,580 1,324 +19.3

国際線 有効貨物トンキロ(百万)

6,809 6,583 +3.4

有償貨物トンキロ(百万)

4,474 4,150 +7.8

貨物輸送重量(千トン)

994 954 +4.3

貨物収入(億円)

1,180 933 +26.5

貨物重量単価(円/

kg) 119 98 +21.3

郵便収入(億円)

59 48 +22.0

国内線 有効貨物トンキロ(百万)

1,739 1,783

△2.5 有償貨物トンキロ(百万)

448 459

△2.5 貨物輸送重量(千トン)

436 451

△3.2 貨物収入(億円)

307 308

△0.5 貨物重量単価(円/

kg) 70 68 +2.8

郵便収入(億円)

33 34

△0.8

その他事業(LCC事業を含む)

 航空事業におけるその他事業では、

Peach

Aviation

(株)

の連結化による効果や、バニラ・エア(株)の増収によってLCC 事業収入が大幅に増加したほか、受託ハンドリング収入やク レジットカード・マイレージなどの附帯収入なども増収となっ たことから、当期の売上高は、前期比36.9%増の2,859億円 となりました。売上高の内訳としては、

LCC

事業が875億円、

その他1,983億円となっています。

 バニラ・エア(株)では、台湾線を中心とした旺盛な訪日需 要を取り込んだほか、需要動向に応じたキャンペーン運賃の 設定によって増収に努めた結果、当期の座席 キロは前期比

18.0%

増、旅客 キロが同17.6%増となり、座席利用率は同

0.3ポイント減少の85.5%

となりました。売上高は前期から 約90億円の増加となりました。

 Peach・

Aviation

(株)では、国内線で2017年9月から仙台

―札幌線、札幌―福岡線、

2018年3月から関西―新潟線を新

規開設しました。また国際線では、

2017年9月から仙台 ―台

北線、札幌 ―台北線を新規開設し、ネットワークの充実を図 りました。なお、当期の座席利用率は86.9%となりました。

LCC事業の実績(バニラ・エア(株)、 Peach

Aviation

(株)

合計)

(年度) 2017 2016※2 前期比(%)

座席キロ(百万)

11,832 4,221 +180

旅客キロ(百万)

10,212 3,622 +182

旅客数(千人)

7,797 2,129 +266

座席利用率(%)

86.3 85.8 +0.5

※3 売上高(億円)※1

875 239 +265

ユニットレベニュー(円)

7.4 5.7 +30.2

イールド(円)

8.6 6.6 +29.5

旅客単価(円)

11,228 11,264

△0.3

※1  売上高に附帯収入を含む

※2  2016年度実績にPeachAviation(株)の業績は含まず

※3  座席利用率は前期差

の貨物臨時便を設定するなど増収に努めましたが、航空貨物 需要全体が期を通じて低調に推移したことや、宅配貨物の取 り扱いが減少したことなどにより、当期の有効貨物トンキロ、

有償貨物トンキロともに前期比2.5%減となりました。貨物 輸送重量は同3.2%減の43万トン、単価は同2.8%増となり、

売上高は同0.5%減の307億円となりました。

 国際、国内郵便事業の売上高は、それぞれ前期比22.0%

増の59億円、同0.8%減の33億円となりました。

 以上の結果、貨物郵便事業の売上高は、前期比19.3%増 の1,580億円となりました。

国際線貨物事業の実績

※ 有効貨物トンキロ、有償貨物トンキロ、重量当たり単価は2013年度を100とした指数

(年度)

2013 2014 2015 2016 2017

1,600

1,200

800 400

0

200

50 150

100

0

(億円)

(左軸)■国際線貨物収入 

(右軸) 有効貨物トンキロ  有償貨物トンキロ  重量当たり単価

2013 2014 2015 2016 2017 (年度)

1,600

1,200

800 400

0

200

50 150

100

0

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