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グラファイト基板上の 4 He 多原子膜のすべり摩擦の測定 . 27

ドキュメント内 4 He 吸着膜のすべり運動への (ページ 35-39)

2.2 グラファイト基板上の He 吸着膜のすべり摩擦

2.2.2 グラファイト基板上の 4 He 多原子膜のすべり摩擦の測定 . 27

2008年,Hosomiらは,グラファイト表面上の4He多原子層膜のすべり摩擦を QCM法により実験を行った.グラファイト試料はGrafoilを利用し,5 MHz水晶 振動子にAgによる熱圧着で準備している.[13]

図2.14に,いくつかの温度について共振振動数の変化f−f0とエネルギー散逸 の大きさに関係するQの逆数の変化∆(1/Q)の面密度依存性と図2.14に,面密度 ごどの共振振動数の温度変化を示した.4He膜がグラファイト基板の振動に完全 に追従するときの質量感度は4.2 Hz·atoms1·nm2であり,図2.14の(a)の実線 で表されている.また(b)の実線は粘性摩擦を仮定したときの最大のQ値の逆数 の変化である.また,測定の振動振幅は0.4 nm,速度振幅は12 mm/sである.

図2.14(a)から分かるように面密度が小さいといは,共振振動数の減少が観測さ

れない.その後,面密度が1層完了程度になった共振振動数は急激に減少し,実 線に近づく.Qの逆数の変化についても1原子層層完了程度から散逸が大きくな る.このことから1原子層未満の面密度ではHe膜の摩擦力が小さく,基板振動に 追従しないことが分かる2原子層膜でも共振振動数とQの逆数は、1原子層層完 了から少し変化するもののほぼ一定である.これはで第2原子層が第1原子層の 上をすべっていることを意味する.さらに,Hosomiらは原子層間のスリップ時間 を求めており,2原子層膜ではし基板と1原子層のスリップ時間は10 nsに対し て,1原子層と2原子層間のスリップ時間は100 nsと1桁大きいと報告している.

II+]SSPѬ4

DWRPVQP DUHDO GHQVLW\

. . .

D

E ѬIPD[

Ѭ4PD[

図 2.14: (a)グラファイト基板上4He吸着膜の面密度変化に対する共振振動数の変 化,(b)Q値の逆数の変化.[33]

2.2. グラファイト基板上のHe吸着膜のすべり摩擦 29

0 1 2

0 40 80

T (K)

1416 18 20 2224 2628

TS

TC

one-atom thick filmtwothreefourfive

3634 3840 30 3231

15

11 0 atoms/nm2

freq. - 4947440 (Hz)

図 2.15: 共振振動数の面密度ごとの温度変化.[33]

2.2.3 低摩擦の準安定状態の観測

前節で説明した4He多原子膜のすべり摩擦の面密度依存性の報告以前の2007 年,Hosomiらは4He膜の低摩擦の準安定状態を報告している.[37] 図2.16で示 されるように,2原子層膜以上では低温での共振振動数の上昇,つまり摩擦力の 現象が観測される.この低温での共振振動数の上昇は,振動新振幅が大きい条件 のときに起こることが観測された.図2.16に,低温で振動振幅を切り替えたとき の共振振動数の温度変化を示した.図から分かるように,低振幅の温度変化の実 験では,低温での共振振動数の上昇が観測されないにも関わらす,低温で大振幅 から小振幅に切り替えると共振振動数の上昇が観測される.これは小振幅の低摩 擦状態が準安定状態であることを意味する.

0 0.5 1 1.5 0 0.5 1 1.5 T (K)

(a)

(c) (d)

Change in freq. (Hz)Change in freq. (Hz)Change in Q-1 (ppm)Change in Q-1 (ppm)

TS

TS

0 10 20 30

0 10 20 30-2 0 2 4

-2 0 2 4

0.6 nm 0.2 nm

0.2 nm 0.2 nm

(b)

図 2.16: 小振幅の低摩擦状態の履歴依存性.[37]

Hosomiらは引き続き,小振幅での低摩擦の準安定状態の緩和の測定を行って

いる.図2.17に,いくつかの温度で大振幅から小振幅へと振幅を切り替えたとき

の周波数(摩擦力)の時間変化を示した.図から分かるように,低温で緩和時間は

急激に長くなる.この緩和時間の温度依存性の解析より,緩和時間は定性的には Arrheniusの式に従う.

2.2. グラファイト基板上のHe吸着膜のすべり摩擦 31

t (s)

0.50 K 0.55 K

0.575 K

0.60 K 0.65 K

0.70 K

0â104 1â104 2â104 3â104

∆ freq. (Hz)

2 6 8 10 18 14

4

0.6 0.8 1 2 3

| F

fric-

F

0 fric

|

( N m-2 at 1 m s-1 )

図 2.17: 小振幅の低摩擦の準安定状態の緩和.面密度23.0 atoms/nm2,振動振幅 が1.0 nmから0.2 nmに切り替え.[37]

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