6. シミュレーション結果
6.1. キャッシュバッファ容量をパラメータとしたグラフ 1. Urban モデル
た3方式の平均ホップ数はほとんど等しい.これは,コンテンツの種類に対して,
キャッシュできるコンテンツの種類が少なすぎるために,ほとんどキャッシュ ヒットできないからである.キャッシュバッファ容量が 10G,100Gと大きくな るにつれて平均ホップ数は減少していくが,1000G から 10000G にキャッシュバ ッファ容量を増加させたときの平均ホップ数の減少量は小さい.本シミュレー ションの場合では,1000G から 10000G の間に,ほとんど全てのコンテンツをキ ャッシュするのに必要な容量が存在すると考えられる.100G 付近では各方式の 平均ホップ数の差が大きくなり,Non-Cache 方式は 13.4 回,CV 方式は 7.1 回,
ECV 方式は 4.9 回,ECV+方式は 2.3 回となっていた.ECV+方式は ECV 方式から最 大 53%平均ホップ数を削減することに成功した.ECV+方式において,平均キャ ッシュ確率は 36%であり,それにより多くのコンテンツがキャッシュされ,ヒッ トすることになる.
図 24 キャッシュバッファ容量をパラメータとした時の成功率(情報生成頻 度を 4 秒,車両台数を 500 台に固定)
図 24 に示す結果から,成功率はキャッシュバッファ容量が増加するにつれて 増加していることが確認できた.これは,キャッシュバッファ容量が増加するこ とによって,前述した理由によりキャッシュヒット率が向上に平均ホップ数が 減少するので,パケットロスする可能性が低下したからである.今までの研究か ら,平均ホップ数と成功率には相関があることがわかっている.しかし,平均ホ ップ数と成功率は完全な反比例をしているわけではないことがシミュレーショ
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
1 10 100 1000 10000
成功率(%)
キャッシュバッファ容量(GB) Non-Cache
CV ECV ECV+
ン結果から理解できる.平均ホップ数のグラフと成功率のグラフは,各方式の上 下関係は一致しているが,その差は必ずしも一致していない.具体的に説明する と,例えば 100G のとき,CV 方式,ECV 方式,ECV+方式の 3 方式は平均ホップ数 のグラフではほぼ等間隔になっているが,成功率のグラフでは ECV 方式は EVC+
方式よりも CV 方式に接近していることがわかる.ECV+方式の実験結果の特徴と して,成功率の上昇率よりも,平均ホップ数の削減率の方が全体的に高くなって いる.キャッシュバッファ容量が 100G のとき,ECV+方式の成功率は ECV 方式の 約 1.45 倍である.
図 25 キャッシュバッファ容量をパラメータとした時のキャッシュヒット率
(情報生成頻度を 4 秒,車両台数を 500 台に固定)
図 25 に示す結果から,各キャッシュバッファ容量でのキャッシュヒット率の 様子が確認できる.キャッシュヒット率はキャッシュバッファ容量が増加する につれて増加している.ECV+方式のキャッシュヒット率は 10000G のときにほぼ 100%となっているが,1G から 1000G のグラフと 1000G と 10000G のグラフと比較 したときに,増加の仕方が不自然である.このことから,ECV+方式は 10000G よ りも小さなキャッシュバッファ容量でキャッシュヒット率が約 100%になってい
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
1 10 100 1000 10000
キャッシュヒット率(%)
キャッシュバッファ容量(GB) CV
ECV ECV+
図 26 キャッシュバッファ容量をパラメータとしたときのキャッシュ確率
(情報生成頻度を 4 秒,車両台数を 500 台に固定)
図 26 に示す結果は,ECV+方式のみの結果である.この結果から,キャッシュ 確率はキャッシュバッファ容量が増加するにつれて増加する傾向があることが わかった.これは,キャッシュバッファ容量が増加すると,更新することなくキ ャッシュできるコンテンツ数が増えるためである.
6.1.2. Freeway モデル
情報生成頻度を 4 秒,車両台数を 500 台に固定し,車両ごとのキャッシュバ ッファ容量を 1GB,10GB,100GB,1000GB,10000GB と変化させた時の,平均ホッ プ数の結果を図 27 に示す.
Freeway モデルの平均ホップ数は,Urban モデルの平均ホップ数と比較すると,
全体的に少なくなっている.これは,遮蔽物が多くなり,経由する必要のあるノ ード数が多くなる Urban モデルに対して,Freeway モデルは遮蔽物が少ないた め,経由する必要のあるノード数が少なくなるからである.また,Freeway モデ ルは Urban モデルに比べて,キャッシュバッファ容量が小さい間の平均ホップ 数の改善が見られない.
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
1 10 100 1000 10000
キャッシュ確率(%)
キャッシュバッファ容量(GB)
図 27 キャッシュバッファ容量をパラメータとした時の平均ホップ数(情報 生成頻度を 4 秒,車両台数を 500 台に固定)