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[序論]

重要な,または貴重な遺伝資源をどのようにして失われることなく,長期間にわたり保 存または管理を行うのか.その一つの解決策が卵,精子または胚の超低温保存である.ウ シ精子および胚の超低温保存は確立され,実際に畜産現場において応用されているものの,

同じ家畜であるブタの精子および胚の超低温保存は非常に難しい.例えば,ウシの胚は

0.25 mlのプラスチックストローを用いることにより,効果的に超低温保存を行い,融解

または加温した後に発情同期化させたウシに胚移植を施すことが日常的に行われている.

しかしながら,ブタ胚の超低温保存は多くの研究がなされており産子作出に至ってはいる ものの,未だに畜産現場へは応用されていない[Hayashi et al. 1989, Kashiwazaki et al. 1991, Somfai et al. 2009].特に,成熟卵の超低温保存により産子を得られた例は存在しな いのが現状である[Somfai et al. 2012].

ブタの成熟卵はマウスおよびラット成熟卵と比較しサイズが大きく[Vajta 2000],細胞 質内に脂肪滴が多く含まれ[Nagashima et al. 1994],これらが原因となりブタ成熟卵は非 常に高い低温感受性を持つと考えられる.初めてブタ成熟卵のガラス化保存を試みたのは,

Isachenko らである[Isachenko et al. 1998].ガラス化保存した成熟卵の生存性は高いも のの,その後の胚盤胞への発生能が低いことが知られている.ガラス化保存した成熟卵か ら人為的活性化処理を行うことで胚盤胞を得られる[Ogawa et al. 2010, Liu et al. 2008, Somfai et al. 2006]ものの,IVF においては非常に低い発生能を示す[Wu et al. 2006,

Varga et al. 2008].ガラス化保存したブタ成熟卵は精子と受精する能力が低下することが

原因となり発生能が低下する[Gupta et al. 2010].成熟卵ガラス化保存の過程で起こる多 精子拒否の機構で透明帯反応の一つである透明帯硬化[Carroll et al. 1990, Matson &

Ducibella 1997]によりブタ成熟卵の精子囲卵腔への侵入を防ぎ,その結果受精が阻止され る.ガラス化保存卵におけるこれらの問題を解決するために,卵細胞質内精子注入法(ICSI) が一般的に用いられる[Fujihira et al. 2004]が,ガラス化保存したブタ成熟卵はICSI後に 10%しか前核形成を起こさなかった [Park et al. 2005].さらに,ブタ成熟卵はガラス化保

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存していなくてもICSIにより雄性前核形成が阻害されることが知られている[Nakai et al. 2011].そのため,ガラス化保存したブタ成熟卵からの産子作出を試みるためには,ICSI ではなく,IVFに頼らざるをえないのが現状である.

ブタ成熟卵はガラス化保存することで紡錘体(Spindle)に傷害を受けることが知られて いる[Rojas et al. 2004, Galeati et al. 2011, Wu et al. 2006, Shi et al. 2007].成熟卵にお ける紡錘体の傷害は致死であり,発生過程における染色体異常を引き起こし,第2極体の 放出も抑制されてしまう[Smith et al. 2004].さらに,成熟卵の受精の過程では,細胞質 内カルシウム濃度上昇が起こることが知られている(カルシウムオシレーション).カルシ ウムオシレーションは精子内に存在するPLCζにより引き起こされる.PLCζによりPIP2

(phosphatidylinostitol (4,5)-bisphosphate)が DG (diacyl glycerol)と IP3 (inositol 1,4,5-trisphosphate)に加水分解される[Rebecchi & Pentyala 2000, Saunders et al. 2002].

IP3は小胞体上に存在するIP3レセプター(IP3R) [Keizer et al. 1995]と結合し,小胞体内分 に貯蓄されているカルシウムを細胞質外へ放出することでカルシウムオシレーションが誘 起される.この時の機構は卵活性化の際における表層顆粒の放出や前核形成にも関与する [Ito et al. 2012].IP3Rはブタ成熟卵においても,マウス成熟卵と同様に,卵活性化にも関 与している[Ito et al. 2010].ブタ成熟卵はガラス化保存時にIP3R,特にIP3R type 1の発 現の減少および異常な局在により,受精能および発生能が低下することが示唆された

[Hirose et al. 2013].これらの報告により,ガラス化保存の過程における小胞体や紡錘体

を含む細胞質内小器官の維持が非常に重要であると考えられる.

ガラス化保存の過程における小胞体や紡錘体を含む細胞質内小器官の維持には大きく 2 種類の方法が用いられている.1 つ目は,細胞質内に多く存在する脂肪滴の除去である.

ブタ卵に多く存在する脂肪滴が高い低温感受性をもたらす最大の要因であり,この脂肪滴 を遠心処理により局在化させ,マニピュレーターにより機械的な除去を行うことで,ブタ 初期胚における生存性が高まることが示された[Nagashima et al. 1994].その一方,この 方法は機械的な脂肪滴の除去により,細胞膜および透明帯に対し傷害が起こる,また,病

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原体が持ち込まれるリスクなどが存在する[Men et al. 2006].それに対し,脂肪滴の除去 することなく,遠心処理のみにより脂肪滴を偏在化させることで,ブタ前核期胚における ガラス化保存に成功し,産子への発生能を有し,機械的な操作を伴わない方法が示された

[Somfai et al. 2009].2つ目は,薬剤添加による直接的な紡錘体の保護である.その中で

もサイトカラシン B またはタキソールなどのパクリタキセル(Paclitaxel)処理によりガラ ス化保存したブタ成熟卵は発生能を向上した[Somfai et al. 2006, Ogawa et al. 2009].こ れらの物質は細胞分裂を抑制し,体細胞における Metaphase 期の維持に用いられる.し かし,これらの薬剤により処理されたブタ成熟卵はガラス化保存後に低い発生能を示し,

これらの強すぎる薬剤処理により,ブタ成熟卵は発生能を喪失してしまう可能性が示唆さ れた.カフェインはホスホジエステラーゼ阻害剤[Essayan et al. 2001]であり,ブタIVF において精子の受精能獲得に用いられる.また,MG132はp34cdc2キナーゼのサブユニッ トを構成するサイクリンB活性の低下を抑制する[Ito et al. 2007,Josefsberg et al. 2007]

ことでMPF活性を抑制したが,カフェインはMyt1/Wee1 を阻害することで,p34cdc2キ ナーゼ(MPF)の活性を抑制する効果が存在する[Kikuchi et al. 2000].そこで,本研究にお いては,遠心処理およびカフェインがブタ成熟卵のガラス化保存において有効か検討した.

第1章第1項において,カルシウム無添加EG添加保存液によりガラス化保存したラッ ト成熟卵は,保存後の生存性および発生能を向上させ,表層顆粒の放出を抑制し,さらに 産子への発生を示した.第2章において,同保存液によるマウス未成熟卵におけるガラス 化保存が可能であり,保存卵は産子への発生能を示した.カルシウム無添加EG添加保存 液がラットおよびマウス卵のガラス化保存において適していることが明らかとなった.本 研究においても,カルシウム無添加EG添加保存液を用い,ブタ成熟卵のガラス化保存を 行った.さらに,カフェインがガラス化保存したブタ成熟卵における紡錘体維持率および 受精能に及ぼす影響,さらに同様にカフェイン処理を行い,かつ成熟卵の遠心処理が受精 能に及ぼす影響についても検討した.

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[材料と方法]

本研究は特記事項がない限りSigma-aldrich (St. Louis, MO, USA)の試薬を使用した.

本研究はすべて麻布大学動物実験委員会の承認を経て行った.

<卵母細胞の採取と体外成熟>

食肉処理場において,交雑種(Landrace, Large White, Duroc)の春機発動前の未経産ブ タから卵巣を採取した.卵巣は,37oCに保温し研究室まで運搬した.卵巣は5 mlシリン ジ(Top, Tokyo, Japan)に接続した18 G注射針 (Top, Tokyo, Japan)により直径 2 - 6 mm の卵胞を吸引することで卵胞液を回収した.回収した卵胞液は15 mlチューブ (35-2095, BD)に移し,37oCで静置させた.上澄み液を除去し,沈渣を5 mlの回収液(10% (v/v) FCS,

20 mM Hepes (Dojindo Laboratories, Kumamoto, Japan),100 IU/Ml penicillin G pottassium,0.1 mg/ml streptomycin sulfate)を添加したTCM 199 (with Hanks' salts)

を入れた90 mlシャーレに滴下し,実体顕微鏡(Leica)下で卵丘細胞が数層から十数層付着

したCOCを採取した.卵母細胞の体外成熟培養(IVM)は,Kikuchi et al. (2002)の方法に 従って行った.COC は約 50 個ずつ 4 穴シャーレに 500 μl の (Nunclon Multidishes:

Nalge Nunc International, Denmark)を使用することで 10% (v/v) porcine follicular fluid,0.6 mM cycsteine,50 μl -mercaptoethanol,1 mM dibutyl cAMP,10 IU/ml eCG (eCG: 動物用ピーエムエスA 1,000単位) (Nippon Zenyaku Kogyo, Koriyama, Japan),

10 IU/ml hCG (Puberogen 1500IU: Novartis Pharmaceuticals Japan, Tokyo, Japan)を 添加した a modified North Carolina State University (NCSU) - 37 solution (Peters and Wells, 1993)に入れ,20 - 22時間38.5oC,5% CO2,湿度飽和下のインキュベーター内で培 養した.その後,さらにdibutyl cAMP およびhormonesを添加していないNCSU - 37 中で24時間培養した.IVM開始から44時間後,150 IU/ml hyaluronidaseを用いピペッ ティングによる物理的な操作で卵丘細胞を除去した.卵丘細胞を除去した卵は実体顕微鏡

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(Leica)下で観察し,第1極体を有する卵を成熟卵として実験に供した.

<ブタ成熟卵のガラス化保存>

ガラス化保存はSeitaらの方法[Seita et al. 2009b]を改変して行った.クライオトップ (Kitazato BioPharma, Shizuoka, Japan)を用いたブタ成熟卵のガラス化保存は室温下(25

- 27oC)で行った.洗浄液で洗浄された第1極体の放出を確認した裸化成熟卵は第1章第1

項の結果より,カルシウム添加,もしくは無添加のPB1 + 20% (v/v) FCS + 15% (v/v) EG の平衡液に浸漬された.10分間の平衡完了後直ちにPB1 + 20% (v/v) FCS + 30% (v/v)

EG + 0.5M sucroseを含むガラス化液へ移動した.成熟卵はガラス化液への平衡が1分間

となるように,クライオトップ先端シートに充填し,液体窒素に直接投入することでガラ ス化保存をおこなった.クライオトップにアプライされた成熟卵は液体窒素タンク中で 1 週間以上、超低温保存した.本研究において,平衡液(Equilibration solution)およびガラ ス化液(Vitrification solution)を合わせてガラス化保存液と呼称する.

<ガラス化保存したブタ成熟卵の加温>

ガラス化保存した成熟卵はクライオトップ先端シートを 38.5oC に温められた PB1 + 20% (v/v) FCS +1.0 M sucroseの加温液中へ浸漬させることで加温をおこなった.成熟卵 はこの加温液中に1分間静置させ,次いで室温下でPB1 + 20% (v/v) FCS + 0.5 M sucrose の希釈液中に3分間,さらに洗浄液を用いて5分間平衡することで行った.加温した成熟 卵はFluorescein diacetate (FDA)により染色することで生存性を判断した.FDA染色を 行い,蛍光顕微鏡で観察を行うと,生存している成熟卵は緑色蛍光を発し,死んでいる卵 は発色が見られなくなる.生存卵は紡錘体および極体を観察するため,アセトオルセイン 染色に供した.IVFに用いる成熟卵は顕微鏡下で卵細胞質がはっきりと確認でき,透明帯 が正常であり,かつ細胞の形態を維持しているものを生存とすることで,形態的に生存性 を判定した,その後のIVFに供した.

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<ブタガラス化保存成熟卵における核相の評価>

ガラス化保存した成熟卵は加温後,1 時間の修復培養を行い,その後ホールマウントし た.カルノア固定液(酢酸:エタノール=1:3)内で1週間かけて,ガラス化保存卵の固定お よび脱脂を行った.その後,1% アセトオルセイン染色液で染色した後,アセトグリセロ ールで封入した.封入後に,位相差顕微鏡(BX51: Olympus,Tokyo, Japan)下でガラス化 保存卵の核相を観察した.

<ブタ凍結保存精子の作製法>

食肉処理場で採取したLandrace種のオスの精巣上体は25 oCの条件で研究室に運搬し,

Kikuchi et al. (1998) の方法に則り,精巣上体尾部精子を採取して凍結保存を行い,液体 窒素中で保存した.まず精巣上体尾部を清掃から分離し,輸精管に15 mlシリンジで空気 を送り込むことにより精液を採取した.得られた精液は50 mlチューブ(Falcon)で回収し,

30 ml の前処理液 (330 mM glucose, 12.8mM tridium citrate dihydrate, 14.3 mM sodium hydrogen carbonate, 9.9 mM EDTA-2NA, 1000 IU/ml penicillin G potassium)で 希釈した.精子浮遊液は15 oCインキュベーターに3時間静置することで冷却した.15 oC に冷却後,精子浮遊液は1200 x gで10分間遠心分離し,上清を除去した.沈殿部の精子 は15 oCに冷却した5 mlのNSF-I希釈液 (310 mM Lactose, 20% (v/v) Egg yolk, 1000 IU/ml penicillin G potassium, 1mg/ml streptomycin sulfate )で精子濃度は4.0 x 108 cell/mlとなるように混合した.この精子浮遊液は4 oC冷蔵庫で2時間静置し,冷却後NSF-I で希釈済みの精子懸濁液と同量の NSF-II (92.5% (v/v) NSF-I, 1.5% (v/v) Equex Stem (Noba chemical Sales Inc, Scituate, MA, USA), 6% glycerol)を添加,混合した.最終精子 濃度は2.0 x 108 cell/mlとした.そして,精子浮遊液は0.25 mlプラスチックストロー(IMV, L'aigle, Cedex, France)に封入し,液体窒素蒸気中に10分間保持した後,液体窒素中に投 入し,1週間以上保存した.融解はストローを38oCの温水中に約10秒間浸漬することに

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より行った.融解した精子はpH 7.8に調整したTCM 199 (with Earls'salts) 7 ml 中に浮 遊させ,600 x gで2分間遠心処理した.沈殿した精子は90 mM NaCl, 12 mM KCl, 25 mM NaHCO3, 0.5 mM NaH2PO4, 0.5 mM MgSO4, 10 mM sodium lactate, 10 mM HEPES, 8 mM CaCl2, 2 mM sodium pyruvate, 2 mM caffeine, 5 mg/ml BSA (fatty acid free:

A-6003)から成るPig-FM (Suzuki et al. 2002) 500 μlで再浮遊させた.

<ブタ成熟卵の-tublin 免疫蛍光染色法>

ガラス化保存が紡錘糸(-tublin)にどのような影響を与えるかを免疫蛍光染色すること により調べた.ガラス化保存したブタ成熟卵は加温直後に免疫蛍光染色を行った.新鮮卵 は食肉処理場より持ち帰ったブタ卵巣から卵を吸引採取し,IVMにより成熟させることで 第1極体を放出した成熟卵を用いた.新鮮卵はヒアルロニダーゼ添加したM-199により卵 丘細胞を裸化したものを使用した.ガラス化液浸漬卵は,新鮮卵を平衡液へ 10 分間,ガ ラス化液へ1分間,加温液へ1分間,希釈液へ3分間,洗浄液で5分間平衡させたものを 使用した.ガラス化保存卵はカフェインにより前培養および修復培養を行ったブタ成熟卵 を用いた.ブタ成熟卵はダルベッコPBS(DPBS) + 3% paraformaldehyde (w/v) + 0.2%

triton X (v/v) + 0.1% PVA (w/v) に30分間以上浸漬することで固定した.PBS-PVAで3 回洗浄し,PBS-PVA + 2.5% tween 20 (v/v)で2分間浸漬させた後に,同様にPBS-PVA に より洗浄した.その後10% (v/v) goat serum を含むPBS + 0.1% PVA (w/v) + 1% BSA (w/v)により 40 分間ブロッキングした.一次抗体,Monoclonal Anti--tubli antibody produced in mouse (Sigma: T9026) (1:50)の一次抗体を含むPBS-PVA-BSAに遮光しなが ら4oCでオーバーナイトさせた.その後PBS-PVA-BSAで3回洗浄した.2次抗体として Alexa Fluor 488 goat Anti mouse IgG (Molecular Probes: A11008) (1:100) を含む

PBS-PVA-BSAに遮光しながら室温1時間感作させた.対比染色として核染色を行うため

にPI (Propidium iodide)を含むPBS-PVA-BSAに1時間浸漬後,PBS-PVA-BSAで3回 洗浄した.染色した卵はVectashield mounting media (Vector Laboratoryies, Burlingame,

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CA, USA)を用い,スライドガラスにホールマウントした.観察は共焦点レーザー顕微鏡 (TCS-SP5II, Leica Micro systems, Tokyo, Japan)により行った.全ての試験区で20個以 上の成熟卵を染色し,蛍光発色レベルに大きな差は存在しなかった.

<ブタIVF法および受精能の評価>

IVM終了後,卵に付着している卵丘細胞はピペッティングによる物理的な操作で除去し た.卵丘細胞を除去した卵は実体顕微鏡(Leica)下で観察し,第1極体を有する卵を成熟卵 として,凍結保存精子とIVFを行った.IVFはKikuchi et al. (2002)の報告に従って行っ た.38oC の温水中に約10秒間浸漬することにより行った.融解した精子はpH 7.8に調 整したTCM 199 (with Earls'salts) 7 ml 中に浮遊させ,600 x gで2分間遠心処理により 洗浄し,成熟卵とIVFを行うまで38.5 oC のインキュベーターで15分間培養した.IVF はPig-FM (Suzuki et al. 2002) を使用した.約20個の成熟卵を含むPig-FM中に前培養 処理した凍結融解精子を最終精子濃度が1.0 x 105 cell/mlとなるように添加した.その後 38.5oC,5% CO2,湿度飽和下のインキュベーターでIVFを行った.IVF開始3時間後に 卵はPig-FMから4 mg/ml BSA (fraction V: A-9418),50 mM -ME,0.17 mM sodium pyruvate,2.73 mM sodium lactate (Kanto, Tokyo, Japan)を 含 む mNCSU-37

(IVC-PyrLac)に移動した後,IVF卵の透明帯に付着した精子をピペッティングによる物理

的な操作により除去し,IVC-PyrLacで3回洗浄した後に,35mmシャーレ作った100 μl IVC-PyrLacのドロップ中に移動した.体外発生培養は38.5oC,5% CO2,湿度飽和下のイ ンキュベーターで行った.精子と成熟卵の共培養開始 10 時間後,IVF 卵の一部をホール マウントした.カルノア固定液(酢酸:エタノール=1:3)内で1週間かけて,IVF卵の固定 および脱脂を行った.その後,1% アセトオルセイン染色液で染色した後,アセトグリセ ロールで封入した.封入後に,位相差顕微鏡(BX51: Olympus,Tokyo, Japan)下でIVF卵 の核相を観察した.

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