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電子密度の適用によって、線量計算にどれほど影響を及ぼすのかを、第2章で作成したプラン を用いて確認しましょう。実際に第2章で用いたファントムで実測を行いました。実測条件は以下 の通りになります。

実測条件

ファントムの電子密度の割り当て

以下3つのタイプの密度を使用して検証してみます。

a) 正しいCT to EDテーブルを使用してGTVのForce CTをON b) 異なったCTで撮影したCT to EDテーブルを使用

(本Workshopではrocsboard2を使用して下さい)

※日常で異なるCT装置の入れ替え等で、新しくCT to EDテーブルを 作成しなかった場合を想定しております。

c) 物理密度を用いてCT to EDテーブルを作成した場合

※ファントム資料を読み間違えてしまった場合を想定しております。

Synergy Agility Energy : 6 MV MU : 200 SCD : 100 cm 深さ : 10cm

照射野 : 5x5, 10x10, 20x20(中心軸上) 10x10(中心軸からx方向に+4 cm) ファントム : Solid Water

チェンバー : Farmer 図3.1 ファントム設置図

36 電子密度の割り当ての変更および線量の確認方法

【a) の場合 】

① プルダウンメニューから、Edit>Assigned Electron Densityをクリックします。

② 図3.2のような状態であることを確認して下さい。

図3.2 電子密度の確認画面

③ 電子密度の割り当てを変更した場合、MUが200になっていることを毎回確認しましょう。

④ メインツールバーの[Dose(Shift+F4)]をクリックする。

⑤ サブツールバーの[Beam Weight (F12)]をクリックする。

⑥ それぞれのビームにおけるウェイトが表示されます。“T(min)/MU”が200になっていない場 合、200を入力します。OKをクリックして【Beam Weight】ダイアログを閉じます。

⑦ Interest Point Doseを用いて線量の確認をしましょう。プルダウンメニューの Report>Interest Point Doseをクリックして下さい。

⑧ 【index】ダイアログの中に各beamにおける線量が記載されております。P39に用意してあ る表3.2に記入しましょう。

【b) の場合 】

① プルダウンメニューから、Edit>Assigned Electron Densityをクリックします。

② 【Edit Assigned Electron Density】ダイアログ内のDensity Conversion File IDにて 中クリックをし、適用するCT to EDテーブル(本章ではrocsboard2)を選択します。

③ OKをクリックします。

④ 上記【a)の場合】の④から⑧を同様に行い、p39にある表3.2に記入しましょう。

Aqu120kv

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【c) の場合 】

① 再度CT to EDテーブルの登録を行います。今の画面を最小化し、メインディスプレイを表示

させて下さい。

② 第1章と同様、表3.1の物理密度を参考にp19の手順で新たにCT to EDテーブルを作成 しましょう。

Mfr/Model ID : DICOM3 Field ID : PhysDens

③ 登録が終わったら、最小化していた画面を戻し、【b)の場合】の①から④を繰り返して下さい。

但しCT to EDテーブルは、新たに作成したPhysDensを適用して下さい。

図3.3 CIRS社製発行のファントム資料(密度一覧)

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表3.1 各ロッドの物理密度

材質名 CT 値

(p18ワークショップ資料2を転記)

物理密度

Air 0.01

Lung (Inhale) 0.20

Lung (Exhale) 0.50

Adipose 0.96

Breast 0.99

H2O 1.00

Muscle 1.06

Liver 1.07

Bone200 1.16

Bone800 1.53

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表3.2 相対電子密度の違いによる計算結果(=Dcalc

中心軸上 中心軸外

照射野

5x5 10x10 20x20 10x10

実測結果 Dmeasured (cGy) 141.5 156.5 171.3 150.1

計算結果Dcalc (cGy)

a) b) c)

相対誤差を出してみましょう!

以下の式を使用して相対誤差を算出し、表3.3に記入しましょう。

相対誤差

表3.3 相対電子密度の違いによる相対誤差

中心軸上 中心軸外

照射野

5x5 10x10 20x20 10x10

a)

b)

c)

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メモ

いかがでしょうか。本 Workshop を通じて CT to ED テーブル

の役割や重要さがお分かり頂けましたでしょうか。

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