73 於阿鼻地獄受大苦悩 72)うきを猶したふもくるし末の世のしらぬ契をたのむはかりに 74 世々値仏疾成仏道 73)むくひある世のことはりをうき人もつもる思ひに身をやこかさん 75( 雑神力品為説衆生故現無量神力十五首 悦 74)さりともと世々のちきりをたのむ哉よも偽はあらしと思へは 76( 75)数ならぬ我涙をもいとはてやせはき袂にやとる月かけ」(
如風於空中一切無障礙 11ウ)
77
76)曇なく晴たる空を吹風に法とく人の心をそしる 眼―現(内・春)
行は―ゆけは(内)浅き深きは―あさゝふかさに をイ(内)
猶―なに(内) 世の―世に(内)
ことはりを―ことはりは(内)〔歌題―注
18〕 雑十五首―雑(内)―〔なし〕(碧)〔歌題―注
19〕 世々値仏 疾成仏道―世々ニ値
二 ヒテ仏疾成ニ トク
二 ス仏道
為説衆生故現無量神力―為悦衆生故現無量神力(内・春)―為 悦 一 ヲ〔返り点ママ〕(碧)
三 ノ悦
二 シメンカ
衆生
一 ヲ故現ニ
二 シ玉ヲ
無量ノ神力
一 ヲ〔「現
二 シ玉ヲ
」の訓点「玉ヲ」は「玉フ」の誤写か〕(碧)
九四如日月光明 能除諸幽冥 78( 是人於仏道決定無有疑 77)末の世の闇をてらさんためとてや月日も空に出はしめけん 79( 嘱累品流布此法広令増益」( 78)おしへをく人のまことそしられける分る深山の道もまよはて
12オ)
80( 令一切衆生普得聞知 79)鷲の山峯のあらしに契りをかん御法の花を四方にちらせと 81( 多宝仏塔還可如故 80)みな人の浮世の夢も覚はかりはる/\ひゝけ暁の鐘 82( 薬王品我適曽供養今復還親近 復 81)今日の日もはや暮かたに成にけり今やかへらんをちの里人 83( 82)結ひをく契りくちせてめくりあふ昔の友そ哀也ける」(
而今焼譬身不具足 臂 12ウ)
84( 如炬除闇此法花経 83)おしますよ思ひにたにもこかす身をまして妙なる法の手向に 85(
84)今も猶かゝけつたへて長夜の闇をそ照す法の灯 まよはて―まよはす(内)
〔歌題―注
はる/\―はるかに(内・碧) 20〕
今(春)―令(内)
而今(春)―而令(内)焼譬 臂―焼臂(内・春)闇―暗(内・春)
シム一二一20令一切衆生普得聞知―令一切衆生普得聞知〔返り点ママ〕(碧)シテク
叡山文庫本『尊円親王詠法華経百首』翻刻九五 病即消滅不老不死 86( 妙音品百千天楽不鼓自鳴」( 85)唐人も御法にあはていたつらに蓬の嶋の草は尋ねし
13オ)
87( 而来詣此娑婆世界耆闍崛山 詣闍来 86)遥なる雲ゐの空にきこゆ也人もしらへぬいと竹の声 88 現種々身処々為説衆生説是経典 諸 87)白雲をいくへ分来て鷲の山高根の花を人の見るらん 89 及衆難処皆能救済 88)たのもしなとうな/\に身をかへて人をみちひく法のおしへは 90 89)但他蘗多の誓にさこそかなふらめ奈落の底もすてぬ恵は」(
神祇普門品威神之力十首 13ウ)
91 受此法施珍宝瓔珞 90)月も日もかはらす影を和けて塵にましはる道そかしこき 92
91)神垣に妙なる法の手向して玉のかさりや光そふらん 〔歌題―注 あはて―あはゝ(内・碧) 不死―不死(碧)ナラム
白雲―〔注 来(春)―求(内) 来 也―なる(碧) 21〕 とうな―ところ(内) 〔詞書高さ、ママ〕 説―諸(内・春) 諸 22〕 見る―みつ(内)
但―坦(内) らめ―らん(内)神祇十首―神祇(内)―〔なし〕(碧)かはらす―はからす(内) 〔三句―注 かさり―かさし(内) 23〕 百千天楽 不鼓自鳴―百千ノ天楽不
古典文庫、「やはらけく」とするが、内閣文庫本の字は「て」と読める。 (「て」か) 古典文庫、「しら雪」と読むが、内閣文庫本の字は「しら雲」と読める。 レ ルニ一鼓自鳴〔返り点ママ〕(碧)ナル
九六無垢清浄光 恵日破諸闇 93( 陀羅尼品為愍・衆生権護・法師」( 念此擁 92)明らけき神は日吉の名にしほへは浮世の闇を照也けり
14オ)
94( 妙荘厳王品為現神夂 (ママ) 93 )世をすくふ誓ひもふかき神なれは法とく人をさそ守らん 95( 値仏復難是 94)唐崎の松の梢に舟よせて我山もとに神そきませる 96( 宿福深厚生値仏法 95)鷲の山八年の春にあはぬ身もへたてははてし七の神垣 97( 96)契り有て神も御法にあふみ路や心によする志賀のうらなみ」(
勧発品各現威徳神通之力 14ウ)
98( 心意質直・正憶念 有 97)神垣や七のいらかをならへても一つ心に世を守るらん 99(
亦於現世得其福報 98)哀我かわたくしもなき心をは人こそしらね神そしるらん 〔歌題―注
〔歌題―注 ほへは―おへは(内・碧) 24〕 我―わか(内) 夂〔「変」の略字か〕―変(内・春) (ママ) 守―まほる(内・碧) 25〕
身も―身は(内)
心に―こゝろを(内・碧)
守るらん―まほるらし(内)・ 有―有(内・碧・春)神そ―神は(内・碧)
24無垢清浄光恵日破諸闇―無垢清浄光恵日破ノアリテ
二 テ諸闇〔返り点ママ〕(碧)ヲ
二一二一25為愍・衆生権護・法師―為愍念衆生擁護此法師(内・春)―為愍念衆生擁護此法師(碧)シヲヲ 念此擁
叡山文庫本『尊円親王詠法華経百首』翻刻九七
100 建武仲春下旬叡南住侶尊円親王」(丁丑 99)大江山麓の雲となりやせんほそき煙を神にまかせて
(白紙)」( 15オ)
15ウ) 建武~親王―〔なし〕(内・碧) 大江山―をひえ山(内)
九八【他出一覧】
凡例一、他出は次のように示す。・叡山文庫本の歌番号をアラビア数字で示し、『新編国歌大観』の歌番号が異なる場合はそれを括弧内に示す。また、『法花経和歌』所収歌は歌番号を四角で囲む。・他出の作品名(勅撰集の場合は部立と詞書)、歌番号(『釈教歌詠全集』は巻数とページ数)、異文を示す。・『類題法文和歌集注解』の異文は次のように注記する。・上段には、異同箇所と『類題法文和歌集注解』の異文、括弧内にそれと同じ本文を持つ『尊円親王詠法華経百首』の伝本名の略称(叡山文庫本は「叡」、内閣文庫本は「内」、『碧冲洞叢書』所収『法花経和歌』は「碧」)を記す。下段には、『尊円親王詠法華経百首』の本文を示し、括弧内にその伝本名の略称を示す。なお、『類題法文和歌集注解』は「類」と略称する。例)二句 袖にそ誘ふ(類)―袂にさそふ(叡内)これは『類題法文和歌集注解』の二句が「袖にそ誘ふ」であるのに対し、『尊円親王詠法華経百首』の叡山文庫本・内閣文庫本の二句が「袂にさそふ」であることを意味する。・適宜、「※」以下に備考を記す。『法華経』の句に異同がある場合は、参考として春日版『法華経』(駒澤大学図書館蔵。駒澤大学電子貴重書庫の画像による)の本文を示し、『大正新修大蔵経』で異同を確認する。
叡山文庫本『尊円親王詠法華経百首』翻刻九九 ・『類題法文和歌集注解』は歌題の『法華経』の句に訓点を付すことがあるが、それは異同に挙げない。
A、『新編国歌大観』、『新編私家集大成』、『歌書集成』(以上、日本文学WEB図書館所収)。B、塚田晃信『類題法文和歌集注解』(古典文庫、一九八五~九三年)。※引用は間中冨士子『類題法文和歌集注解』(世界聖典刊行協会、一九八三年)の影印による。C、高楠順次郎ほか『釈教歌詠全集』(東方出版、一九七八年)。D、『日本歌学大系』および『日本歌学大系 別巻』。E、内野優子「慶安五年刊『訳和和歌集』翻刻と解題 附校異(1)~(6)」(文献探究
同 39、二〇〇一年三月。
40、二〇〇二年八月。同
41、二〇〇三年三月。同
42、二〇〇四年月。同
43、二〇〇五年三月。同
辻勝美・那須陽一郎「資料紹介日本大学所蔵『訳和和歌集』〈翻刻〉(上)(下)」(語文(日本大学) 二〇〇七年三月)。 45、 二〇〇一年十二月。同 111、
※八木意知男『京都女子大学研究叢刊 ※国文学研究資料館の古典籍総合目録データベースの画像による。 F、奈良女子大学学術情報センター蔵『釈教題林集』(京都菊屋喜兵衞・宝暦九年(一七五九)刊記)。 112、二〇〇二年三月)。
※なお、D~Gには他出を見出せなかった。 G、首藤靖子「和歌索引―法華経鷲林拾葉鈔・法華経直談鈔」(叙説9、一九八四年十月)。 子大学、二〇〇三年)参照。 38 八坂神社蔵明治版「説教必用釈教題林和歌集」翻刻』(京都女
一〇〇1『類題法文和歌集注解』(八八)2『類題法文和歌集注解』(八七)二句 袖にそ誘ふ(類)―袂にさそふ(叡内)四句 あかぬなこりは(類内)―あはぬなこりは(叡) ※歌意より叡の誤写か。3『類題法文和歌集注解』(一〇一)四句 声また若き(類)―また声わかき(叡内)4『類題法文和歌集注解』(九七・詞書「本光瑞如斯」。碧と一致。ただし二首前の詞書を受ける。春日版「本光瑞如此」。異同なし)5『類題法文和歌集注解』(三七五)6『新後拾遺集』(釈教・方便品、唯有一乗法無二亦無三といふ心を・一四七三)『類題法文和歌集注解』(一五二)『片岡山』(『釈教歌詠全集4』一二ページ)7『類題法文和歌集注解』(一六四)詞書 如我昔願(類)―如我昔所願(叡内) ※春日版「如我昔所願」。異同なし。類の脱字。二句 思ひしまゝに(類叡)―おもひしことゝ(内)8『類題法文和歌集注解』(一五六・四句「いつく」は「いつこ」とも読める。百首諸本「いつく」)詞書 若有聞是法(類叡)―若者 (ママ)聞是 (ママ)(内) ※春日版「若有聞是法」。異同なし。内の誤脱。9 『類題法文和歌集注解』
(四一七)
叡山文庫本『尊円親王詠法華経百首』翻刻一〇一 三句 忍はすよ(類内)―しのかすよ(叡) ※歌意より叡の誤写か。
『類題法文和歌集注解』(四五九) 五句人にかたらは(類内)―人にかたらん(叡) 『類題法文和歌集注解』(四二三) 五句たかふむくひを(類)―たかふ報は(叡内) 詞書餘無所知(類叡)―餘無所分(内)※春日版「餘無所知」。異同なし。内の誤写か。 『類題法文和歌集注解』(四二二・古典文庫、詞書「伹」と読むが、底本「但」と読める) 10『類題法文和歌集注解』(四〇四・古典文庫、三句「其初日」と読むが、底本「もえ初る」と読める)
四句遠近人も(類内)―とをきを人も(叡)※歌意より叡の誤写か。 二句よもの山への(類内)―四方の山鳥の(叡)※歌意より叡の誤写。 『類題法文和歌集注解』(四五二) 四句よその雲ゐに(類内)―よその雲ゐを(叡) 『類題法文和歌集注解』(四五三) 14『類題法文和歌集注解』(四四一・詞書「無上宝聚」。前歌の詞書を受ける。百首諸本「無量珍宝」)
『類題法文和歌集注解』(四九六) 三句田子の浦の(類内)―田子の浦(叡) 『類題法文和歌集注解』(四九八) 17『類題法文和歌集注解』(四九七)