第 3 章
2 次元オプティカルフローと 3 次元シーン フロー
本論文は,画像中で得られる2次元オプティカルフローを入力とし,3次元シーンフロー の復元を目的とする.本章では,3次元空間中の物体の運動(シーンフロー)とそれを投影 した画像中でのオプティカルフローの間の関係を示す.また,一般的な2次元オプティカ ルフローの推定方法を述べる.
図 3.1: カメラ画像と表面f との関係
で表される.
画像の変化から面上の変化を求めるには逆ヤコビ行列 ∂x
∂ui を推定する必要がある.もし 面の情報が与えられているとすると,逆ヤコビ行列は次の二つの線形式より求められる.
∂ui
∂x
∂x
∂ui =
à 1 0 0 1
!
(3.4) f
∂ui = f
∂x
∂x
∂ui = ∆f ∂x
∂ui = (0 0) (3.5)
3.1.2 照明と表面の光度
時刻tにおける,シーン内の点xを方向mにおいて観測した場合,光束E はE = E(m;x;t)として表される.点(x, y, z)の時刻tにおける光度s=s(x, y, z;t)はベクトル 量であり,半球の表面積分によって与えられる.
s(x, y, z;t) = Z
S(n)
E(m;x, y, z;t)dm (3.6)
ここでS(n) = {m:||m|| = 1 and m·n≤ 0}である.この面がランバートモデルであ
り,反射率がρ =ρ(x;t)であると仮定する.点x= (x, y, z)がカメラiに点uiとして投 影され,その点の輝度がシーンの放射量に比例すると仮定すると,次式が与えられる.
I(ui;t) =−C·ρ(x;t)[n(x;t)·s(x;t)] (3.7) Cはレンズの直径と,レンズと画像面との距離により決定される定数である.
3.1.3 オプティカルフロー
3次元の面上にある点をx(t)とし,その点におけるカメラiでの座標をui(t)とする.3 次元での運動はdx
dt で表され,その点を投影した画像上での運動はdui
dt で表される(オプ ティカルフロー).点xが面上を移動したとき,その点の輝度値は変わらないため次式が 推定される.
dρ
dt = 0 (3.8)
オプティカルフローの基本的なアルゴリズムは次式である.
dIi
dt = ∆Ii· dui
dt +∂Ii
∂t =−C·ρ(x;t)d
dt[n·s] (3.9)
∆Iiは画像の空間的な勾配であり,dui
dt はオプティカルフロー,∂Ii
∂t は画像輝度の瞬間的な 変化率である.
n·sは面の形と照明に依存した項である.シーンへの依存を回避するためにn·sは次 式のように仮定する.
n·s= Z
S(n)
E(m;x;t)n·dm (3.10)
この式ではdtd[n·s] = 0が成り立つ.これは光が一定で面が速く動かない場合成り立つ.
3.2 3 次元シーンフロー
画像上の瞬間の運動を表したオプティカルフローと同様に,シーンフローはシーン内の 全ての点の動きを表すことができる.点xがシーン内を動いているとして,その点をカ メラiでとらえた座標をui とし,カメラが動かないとすると,uiの変化率は次式で表さ れる.
dui
dt = ∂ui
∂x dx
dt (3.11)
これを逆に変換するには,面fの情報が無ければならない.また逆変換をするには時間も 間接的に依存する.この微分式に対し,時間を考慮すると次式が与えられる.
dx
dt = ∂x
∂ui dx
dt +∂x
∂t
¯¯
¯ui
(3.12) この式は3次元空間内の点は以下の2つの要素により構成されていることを示している.
• オプティカルフローを取得し,それを逆ヤコビ行列 ∂x
∂ui を用いてシーンへ投影する こと.
• 光線に沿ってuiに対応するxの瞬間の運動 また∂x
∂t
¯¯
¯ui
の大きさは,光線に沿った面f の奥行きの変化率である.