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アンテナの大きさと CRB との関係

第 3 章 可変容量を装荷した帯域可変スリーブアンテナ 33

3.2 アンテナの大きさと CRB との関係

まず,マイクロストリップ線路給電の板状スリーブアンテナにおいて,スリーブ部の大 きさとCRBの関係をFDTD法により検討する.図3.1に板状スリーブアンテナの構成を示 す.ここでは,モデルを簡略化するため,マイクロストリップ線路の地導体を細長い導体 板(図3.1のGND)でモデル化し,モノポール導体とGNDの間に給電点を設置する.実 際にマイクロストリップ線路で給電した場合については,5章で検討する.また,スリー ブ導体をGNDの両側に設置し,スリーブ導体とGNDを給電点直下で接続する.更に,モ ノポール,スリーブ導体の長さは,設計の中心周波数620MHzにおいて約4分の1波長と する.FDTD法の吸収境界条件はPML4層とする.

w

s

d w

a

w

s

x y z

図 3.1: 板状スリーブアンテナの構成 ( c2010 IEICE[11])

470MHz

620MHz

770MHz

0dB

-40dB A

A' B' B

図 3.2: z方向の電流分布計算結果(d=4mm, ws=8mm, c2010 IEICE[11])

-40 -35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0

300 400 500 600 700 800 900 frequency [MHz]

Il /If|[dB] d=4mm

d=8mm d=12mm d=16mm

d=20mm

d=24mm d=28mm d=32mm

図 3.3: |Il/If|の計算結果(ws= 8mm, c2010 IEICE[11])

まず,スリーブ導体の幅wsを8mmとし,スリーブ導体とGNDの間隔dを変化させる 場合を考える.GNDのBB’に流れる漏れ電流をIl,給電点電流をIf とし,|Il/If|を計算 する.Ilは,GNDを囲みGNDから0.5セル(0.5mm)離れた閉曲線に沿って,閉曲線に 平行な磁界を積分して求める.また,図3.2にd=4mm,ws=8mmの時の電流分布計算結果 を示すが,AA’〜BB’では電流が急峻に変化していないことが確認できる.図3.3に|Il/If| の計算結果を示す.dを小さくするにつれ,CRBが狭くなることが分かる.また,dを大き くするにつれCRBが低周波数側へシフトしている.これは,dを大きくすると,スリーブ 導体とGNDの接続部が長くなることと,スリーブ先端部での漏れ電磁界の影響が大きく なることにより,等価的にスリーブ長が長くなるためと考えられる.次に,ws+d= 28mm とし,dを変化させた場合の|Il/If|の計算結果を図3.4に示す.図3.4から,ws+dが一定 であれば,dを変化させてもCRBの広さはほとんど変化しないことが分かる.以上より,

ws+d,すなわちアンテナ横幅waを小さくするほど,CRBが狭くなることが分かる.

また,d=4mm, ws=8mmの時のzx面の放射パターン計算結果を図3.5に示す.図3.5 は,図3.1においてGNDをAA’から右側に340mm延ばした場合の放射パターンである.

-40 -35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0

300 400 500 600 700 800 900 frequency [MHz]

Il /If|[dB]

d=8mm d=16mm d=24mm

図 3.4: |Il/If|の計算結果(ws+d= 28mm, c2010 IEICE[11])

470MHz 620MHz 770MHz

10[dB/div]

z 0

x 90

180 0dBi

270

Eθ

図 3.5: d=4mm, ws=8mmの時のzx面の放射パターン計算結果 ( c2010 IEICE[11])

620MHzでは半波長ダイポールアンテナとほぼ同じ放射パターンが得られているが,470,

770MHzでは放射パターンが乱れていることが分かる.ここで,図3.2に示した電流分布を見

ると,620MHzではAA’から右側に流れる漏れ電流を十分低減できているが,470, 770MHz

ではGND上の漏れ電流を阻止できていないことが分かる.また,周波数を変化させても モノポール上の電流分布の変化は小さいことが確認できる.したがって,470, 770MHzで 放射パターンが乱れているのは,漏れ電流を阻止できていないためと考えられる.

図3.3から,470〜770MHzにおいて,|Il/If|10dB以下とし,漏れ電流をほぼ阻止す るには,最小で,アンテナ横幅waを56mmとする必要がある(d=16mm, ws=8mm).ま た,スリーブ長を短縮するほどCRBが狭くなることが報告されているので[7],図3.1より スリーブ長を短くすることはできない.そこで,本章では,スリーブアンテナのスリーブ 部の小形化のために,スリーブ導体の途中に可変容量素子を設置し,そのキャパシタンス を変化させることでCRBを調整するスリーブアンテナを提案する.

l

s2

l

s1

C

C

図 3.6: 可変容量装荷スリーブアンテナ( c2010 IEICE[11])

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