3. アンケート調査 3.1 概要
3.2 アンケート調査結果
1) 最近の活動事例について (1) 活動地
植樹などの活動を行った場所について図 3‑1に示す。
半数の約50%が「c.市町村有林」で活動を行っていた。次いで「a.国有林」における活動 が多かった。また、「e.その他」としては「河川敷」、「田畑」、「混木林地(草地)」などがあ げられた。
図 3‑1 活動地 活動地
2
31
11 10
13
0 10 20 30 40 50
a.国有林 b.都道府県有林 c.市町村有林 d.私有林 e.その他
回答数
複数回答 総活動数:65 全回答数:67
(2) 活動内容
活動内容について図 3‑2に示す。
95%以上の活動で「a.植樹活動」を行っており、そのうちの43%が「b.地ごしらえ」や「c.
下草刈り」を併せて行っていた。また、植樹を行わなかった活動では、以前植樹した樹木 の維持・管理活動を行っていた。また、「e.その他」としては「林道の整備」、「植樹地の遊 歩道の整備」などがあげられた。
図 3‑2 活動内容
(3) 植栽樹種
主な植栽樹種について表 3‑3に示す。
回答のあった63の活動のうち35%でブナを植樹していた。ブナ以外の樹種でもミズナラ、
コナラなど落葉広葉樹が多く植栽されていた。
表 3‑3 主な植栽樹種
複数回答 総活動数:63 全回答数:140 植樹された樹種 回答数 植樹された樹種 回答数
ブナ 22 モミジ 3
ミズナラ 17 カエデ 2
コナラ 8 キハダ 2
ケヤキ 6 タブ 2
ヤマザクラ 6 ドロノキ 2
シラカバ 5 ナナカマド 2
クヌギ 6 ナラ 2
イチョウ 3 ハンノキ 2
カシワ 3 ヤナギ 2
サクラ 3 その他 42
活動内容
16
22
3 4
63
0 15 30 45 60 75
a.植樹 b.地ごしらえ c.下草刈り d.間伐 e.その他
回答数
複数回答 総活動数:65 全回答数:108
(4) その他
その他の項目および活動開始年についてそれぞれ表 3‑4、図 3‑3に示す。
参加人数、植栽本数、面積、費用とも活動単位によって、小規模のものから大規模のも のまであり、ばらつきがみられた。
活動開始年は、平成8年以降に開始した活動が76%と、近年始まった活動が多いが、昭和24 年から魚つき林の下草刈りを行っている団体もあった。活動頻度は概ね年1回であるが、県 単位で活動を行っているような団体では、場所を変えて年数回活動しているとの回答も得 られた。
表 3‑4 その他の項目
図 3‑3 活動開始年 参加人数
(人)
植栽本数 (本)
面積 (ha)
活動の概算費用 (円)
総活動数 61 61 49 56
平均値 164 790 0.5 869,605 最大値 660 4,560 2.0 6,314,000
最小値 12 20 0.01 0
活動開始年
4
3
5
7
4 13
2
11
5
0 3 6 9 12 15
H7以前 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15
個数
総活動数:55
2) 活動の位置づけ及び目的・方針 (1) 位置づけ
活動の自治体・団体の中での位置づけについて27自治体・団体から回答が得られた。以 下に主だったものをまとめる。
・ 独自事業であったが今後は北海道国土緑化推進委員会の事業として位置づけされる。
・ 市総合発展計画のなかでH13〜H22年度の10箇年計画の一つ。
・ まちづくり総合計画の中で、町の将来像として10項目ある中の一つ。
・ 毎年年次計画をしている事業。
・ 漁協女性部活動の一部。
・ 漁連指導事業の公害対策事業として取り組んでいる事業。
・ 海と山と川を一つの自然環境として考える、漁業者が育つ事業として位置づけている。
・ 漁業資源の繁殖保護事業の中の一つ。
・ 漁協青壮年部の推進する「環境保全」において種苗放流、藻場育成と並ぶ活動の一つ であるが主催として実施していることもあり活動の主軸である。
・ 現状は他団体の活動への協力参加のみである。
(2) 実施目的及び実施方針
活動の自治体・団体の中での実施目的、方針について44自治体・団体から回答が得られ た。以下に主だったものをまとめる。
<目的>
・ 自然豊かな山と海を育てていくことや森林資源の回復を目的とする。
・ 漁業振興の一環と漁場環境の保護。
・ 広葉樹の保護・育成、漁場への濁流流入防止。
・ 魚つき林保護のため。
・ 海の重要性を町民に認識してもらうこと。
・ 緑化による河川の清流化およびサケ・マスの河川遡上効果が得られること。
<方針>
・ 活動を継続する。
・ 流域一丸となり森林の保全を目指す。
3) 活動の効果について
活動を行ったことによる効果について図 3‑4に示す。
活動による「③効果はみられていない」という回答が44%、「④分からないと」いう回答が 43%であり、「①定量的データとして効果がみられた」や「②感覚的に効果がみられた」の回 答率を大きく上回った。①と回答した要因として「市内河川の水質環境基準類型のランクが あがった」、「鮭の遡上数が増加した」という回答が得られた。
また、「③効果はみられていない」とした要因について図 3‑5に示す。
③と回答したうちの78%が「a.活動を開始して間もないため」としており、44%が「b.小規模 な活動のため」としていた。また、その他(c、d)の具体的な要因として、「水温の上昇」や
「河川水の流下量の減少」との回答が得られた。
図 3‑4 活動の効果
図 3‑5 効果がみられない要因 効果が見られない要因
12
6
1 21
0 5 10 15 20 25
a.活動を開始して 間もないため
b.小規模な 活動のため
c.その他の環境 条件の影響が
大きいため
d.その他
回答数
複数回答 総活動数:27 全回答数:40 活動による効果
2 4
2 27 26
0 10 20 30 40 50
①定量的データ として効果が
見られた
②感覚的に 効果が見られた
③効果は見 られていない
④分からない ⑤その他
回答数
総活動数:61
4) 活動における問題点や課題
活動における問題点や課題について図 3‑6に示す。
活動における問題点・課題として最も多かったのが「⑤植樹した樹木の維持管理に人手や 手間、費用がかかること」であり、45%が問題点としてあげた。また、それぞれ約30%が「① 活動費用の確保が困難」、「④活動の準備・手配等に人手や手間がかかる」をあげており、⑤ とあわせると活動前の準備から後の維持管理まで費用や人手がかかることが問題点・課題と して多くあげられた。また、「⑥その他」として、「今後の植栽地が見つからない」、「市町村 有林でないと植樹が難しい」との回答もあった。
図 3‑6 活動における問題点や課題
複数回答 総活動数:55 全回答数:90 活動における問題点や課題
16
14
12
16
7 25
0 5 10 15 20 25
①活動費用の 確保が困難
②参加者 が増えない
③活動の効果 が見えてこない
④活動の準備・
手配等に人手 や手間がかかる
⑤植樹した樹木の 維持管理に人手や 手間、費用がかる
⑥その他
回答数
5) 良好な漁場海域環境を形成・維持する上での森林・河川の役割
<森林>
森林が良好な漁場海域環境の形成・維持に果たす役割について図 3‑7に示す。
森林の役割として83%が、「①水産動物の生育・生息に寄与する成分や元素の供給機能」を あげた。「②森林の保水機能」、「③森林の土砂供給機能」はそれぞれ62%、57%であった。ま た、「④その他」として、「河川水の水温の安定化」があげられた。
図 3‑7 森林の役割
<河川>
河川が良好な漁場海域環境の形成・維持に果たす役割について図 3‑8に示す。
河川の役割として87%が、「①森林から供給される成分等を海域に送り出す機能」と回答し た。
図 3‑8 河川の役割 森林の役割
50
37 34
1 0
15 30 45 60 75
①水産動植物 の生育・生息に 寄与する成分や 元素の供給機能
②森林の 保水機能
③森林の 土砂供給機能
④その他
回答数
複数回答 総活動数:60 全回答数:122
河川の機能 53
20
28
1 0
15 30 45 60 75
①森林から供給 される成分等を 海域に送り出す機能
②濁水の海域へ の流出防止機能
③水質の 浄化機能
④その他
回答数
複数回答 総活動数:61 全回答数:102
6) 今後の活動方針
今後の活動方針について46自治体・団体から回答が得られた。以下に主だったものをまと める。
・ 今後も活動を継続していく(多数)
・ 植樹から育樹へ、活動の展開を図る。
・ 植樹祭、植樹活動をレクリエーション的な活動とし、特に子供が積極的に参加するイ ベントとして発展させる。
・ 他団体における植林、間伐、下草刈り等のボランティア参加。
・ 植栽活動を年2回に増やす。
・ 小中学校の「総合的な学習の時間」等を利用し、青少年に自ら森林について学ぶこと のできる場所の整備を図る。
・ 一般県民への普及。
7) 森・川・海のつながりに関する意見・考え
森・川・海のつながりに関する意見や考えについて20自治体・団体から回答が得られた。
以下に主だったものをまとめる。
・ 森を育てることが、河川の浄化、土砂の流出を防ぎ、川を育て豊かな海づくりには欠 かせないものと思います。広い視野で言えば、地球の温暖化の抑制にもつながり、内 水面及び海洋資源の確保に期待するものです。
・ 森林が少なければ川は土砂を海に流すだけのやっかいなものになるが、木があること により森林で蓄えられた栄養分を海へ供給する重要なものになる。
・ 森林の整備により保水・飛砂・水産動植物の生息・生育に寄与することにつとめたい。
・ 漁業者だけの特典となる恵みでなく、あらゆる県民が海の自然の豊かさを示す県民共 有の財産を失うことなく守り、活性させることに主眼を置き、当事業の継続化を図っ てまいりたい。
・ 上流・下流の団体が連携した取り組みを行う必要がある。
・ 漁業者も山の重要さは認識しているが、高齢化により今後漁業者だけでの取り組みで は難しい。