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アンケート・ヒアリング調査の結果(概要)

ドキュメント内 untitled (ページ 38-44)

 

1.アンケート調査 

(1)調査の概要 

  本委員会では,広島県の観光が抱える問題点や課題などについて,幅広い意見を集めるために アンケート調査を実施した。本委員会のほか,観光との関連が深い都市機能委員会,1500万人委 員会の委員を対象に実施(2004年10〜11月)し,29名から回答があった。

質問項目は,「問1.広島県の観光の現状に関して,問題と思っておられること」,「問2.問題 点の克服に向けて必要と考えられること」,「問3.広島県の観光振興に関する具体的なアイディ ア」,「問4.その他,広島県の観光振興に対する提言」の4項目であり,すべて自由回答とした

(注:アンケートの回答全文は(資料1)に記載)。

 

(2)調査結果 

①広島県の観光が抱える問題点 

  アンケート調査で多くの方が指摘(第 32 図)していた問題点は,「観光資源」と「交通」に関連 したものであった。

「観光資源」関連では,世界遺産に指定されている厳島神社(宮島),原爆ドーム(平和記念公 園)は有力な観光資源であるもののそれ以外に集客できる観光資源が少ないことや,宮島や平和 記念公園も比較的短時間での周遊が可能であり,通過型の観光地となっているとの指摘があった。

その他にも,「それぞれの観光地が独立している」,「観光ゾーンという視点の欠如」など観光地間 の連携不足が問題点として挙がっているほか,「住民自身が観光拠点についてよく知らない」,「観 光資源を棚卸し,広島の魅力を県民が共有する必要がある」との意見もあった。

「交通」関連では,高速道路網の整備や広島空港へのアクセスの整備が不十分であること,観 光地間を結ぶ交通網の不備,広島市内の駐車場や駐輪場の不足など交通インフラに関する項目が 問題点として挙がっていた。

他の意見では,「ホスピタリティ」関連(公共交通網が分かりにくい,案内板が少ない等),「情 報発信」関連(PRが不足している等),「推進体制」関連(各推進組織が独自に取り組んでおり,

一体感がない等)に関連する意見が複数挙がっていたほか,「観光に携わる者の問題意識が低い」

点などを指摘する意見もあった。

                     

0 2 4 6 8 10 12 14 16

「観光資源」関連

「交通」関連

「推進体制」関連

「ホスピタリティ」関連

「情報発信」関連

(件)

第 32 図  広島県の観光が抱える主な問題点 

(注)自由記入様式であったため,複数の問題点を挙げる回答もあり,問題点は回答者数(29 名)を超えている。 

なお,上記区分での集計は事務局の判断による。(第 33 図も同様) 

         

 

②問題点の克服に向けた課題と対策 

  当然のことながら,問1で挙がった問題点に関連した課題や対策が大半であったが,最も意見 (第 33 図)が多かったのが,観光にかかわる行政機関と民間企業の連携など「推進体制」に関する ものであった。具体的には,行政と交通機関,旅行会社など官民の連携や旅行会社・運輸会社な ど観光事業者間の連携などを求める意見が挙がっていたほか,観光振興を推進する新たな組織の 設立といった一歩踏み込んだ意見もあった。また,連携や役割分担の調整に際しては,リーダー シップをとる存在が必要であるとの意見もあった。

「交通」関連では,広島空港からのアクセスや高速道路網の整備,既存空港の有効活用(定期 便の増便,広島西飛行場を活用した周遊ルートの設定など),主要観光地以外への定期バスの運行,

観光地間の交通アクセスなどの改善を求める意見が多く見られた。

「観光資源」関連では,既存資源の活用と新規資源の開発という2つの視点からの意見があっ た。既存資源の活用としては,「海や川などに囲まれている点を活かす」,「カープ,サンフレッチ ェ,広響等のイベント活用」といった意見があったほか,「食」を観光資源として活用する意見も 挙がっていた。新規資源の開発では,新しい観光施設の建設やイベント等の開発などが挙がって いる。

  「情報発信」関連では,テレビや旅行会社などを活用した情報発信の強化,「ホスピタリティ」

関連では,案内板や使いやすいトイレの設置などによるホスピタリティのレベルアップ,などの 意見があった。

他の意見では,「広島に行かないと手に入らない,味わえない,体験できないといった,広島な らではの“広島ブランド”の確立」の必要性を指摘する意見があったほか,外国人観光客の誘致 を積極的に進めるといった意見が挙がっている。

                       

③観光振興に関する具体的なアイディア 

  交通アクセスの改善や観光資源の充実,食に関するものなど幅広い分野でのアイディアが挙が っている。

交通網やインフラ整備の関連では,「観光用循環バスの運行」や「ループシップの就航」など交 通アクセスの改善につながるアイディアのほか,「ウォーターフロントの開発」「広島駅前の早期 整備」などインフラ整備に関するアイディアがあった。

観光資源関連では,「新球場・ドーム球場」や「瀬戸内海を眺望できるタワー,モニュメント」

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「推進体制」関連

「交通」関連

「観光資源」関連

「情報発信」関連

「ホスピタリティ」関連

(件)

第 33 図  問題点の克服に向けた主な課題と対策

など中核的な観光施設の建設や,体験型ツアーの企画,新たな観光コース(美術館めぐり等)の 設定などの意見があったほか,「特産品で構成したメニューによる食事」「屋台村」「新しい名物料 理の創作」などのように「食」に関連した観光資源の開発というアイディアも多く見られた。

その他では,情報発信に関するアイディア(広島市内などで無料配布されている飲食店情報誌 を大都市圏でも配布するなど)や「宮島を観光特区にする」「豪華客船でのカジノ等の運営」「映 画ロケの誘致と観光とのタイアップ」といったアイディアがあった。

④その他 

中央省庁や大企業の出先機関が多く,支店経済とも呼ばれる広島には,転勤などにより他地域 から移り住む人も多いが,これらの人は地元の人にはわからない強みや弱みを知っている。また,

地域には,観光振興や地域活性化に対して熱い情熱や強力なリーダーシップを持った人もいる。

このような人的資源を上手く活用し,また,地域の活力に不可欠な若者の希望や意見を反映して いくことが観光振興につがなるという意見があった。

 

2.ヒアリング調査等 

(1)ヒアリング調査の概要 

上記アンケート結果を踏まえ,実際に観光産業にかかわる事業を行っておられる方の意見や要 望,取り組みなどを聞くためヒアリング調査を行った。対象は,①従来から広島県を代表する観 光地である「宮島」,②近年観光客が増加している「備北地域」において観光産業に携わり,それ ぞれの地域で観光振興に関してリーダー的な役割を果たしておられる3名の方にヒアリング調査 を実施した。 

 

(2)ヒアリング結果の概要 

①宮島 

(2004 年 11 月 30 日に実施した「(有)石亭 代表者 上野 純一 氏」,「(株)やまだ屋 代表取締役社長   中村 靖富満 氏((社)宮島観光協会会長)」へのヒアリング概要。) 

宮島には,厳島神社以外にも歴史を体感できる観光資源が多数あるが,これまで有効に活用で きていない部分もあった。このため,これまでの観光は往復2時間といったケースが多かった。

このような現状を打破するために,埋もれている観光資源を活かし,宮島にいかに滞在しても らうかという視点でこれまで取り組みを進めてきた。具体的には,夜の宮島の魅力を発信するた め,10数年前に「ソン・エ・ルミエール」という夜のイベントを実施したほか(かなり費用がか かることなどから現在はやめている),最近は夜に屋形船を出し,船で鳥居の下をくぐらせるとい った取り組みも行っている。今後も,厳島神社に対して参拝時間の延長などの働きかけも考えて いるほか,もみじ饅頭を作る,宮島彫りや牡蠣の殻打ちといった体験を取り入れたプログラムを 作ることで宮島の良さを知ってもらい,できるだけ長く宮島に滞在してもらえるようにしたい。

最近は古い建物を活かそうとする動きもある。古い建物が多く残っている町屋通りという裏通 りがあり,そこで古民家に雛を展示する「雛めぐり」というイベントを開催(商工会女性部や町 の女性会が中心となりこれまで4度開催)している。また,古い建物を活用したギャラリーもで き,若い芸術家の間では憧れの対象となっている。これまでの線の往復では足を運ばなかった場

  所にも観光客が来ることで,観光客が島内に長時間滞留することから経済効果にもつながる。

ただ,古い建物がなくなっているという問題もあるため,居住している人に住居の価値を見直 させる仕掛けを作り,これらの資産を残していくことが重要である。また,(音戸町で行われてい る)学生が制作したオブジェの展示会の開催なども建築資産の有効な活用法であり,実施を検討 している。古い建物以外にも,歴史民族資料館にある貴重な資料や,もうすぐ誕生から100年に なるもみじ饅頭などを上手く活用して情報発信したい。ただ,これらの取り組みは個人だけでは 無理であり,企業にはメセナ的な後押しで協力してもらえるとありがたい。

これまでの観光は,人と人との出会いではなく,物との出会い,施設との出会いになっている。

宮島でいえば,厳島神社と五重塔を見て帰るというものである。「そこに行けば求めるものがある」

という心理がリピーターにあることを考えると,お客さまとのからみ方を強める必要がある。お 客さまとのからみ方を強め,現場のスタッフと地域が議論することで,地域のホスピタリティに 対する意識を高めていく作業を恒常化することが重要である。ただ,全体でレベルアップしよう とすると時間がかかる。特定の地域,特定の事業者が突出すれば,それがやがて面になり全体の 底上げにつながることから,リーダーシップも重要である。

  世界遺産に指定され,欧米の観光客が目立つようになったが,欧米の観光客は宮島をリゾート と捉えており,滞在期間が長いなど,日本人やアジアからの観光客とは観光スタイルが異なって いる。そのため,看板や宿泊施設を整備する必要がある。

広島は重厚長大型産業で栄えてきた地域であるため,人の出入りでお金が動くという意識が希 薄であり,観光振興への取り組みが不十分であった。また,観光振興にかかわる組織は多いが,

それぞれの組織がばらばらにやっている感じがある。観光協会も,宮島のように民間色が強いと ころから,首長が会長となっているところもあるなど温度差が激しい。このため,県の観光連盟 などが中心となり,調整などをすることも重要である。

②備北地域 

(2004 年 11 月 29 日に実施した「(有)平田観光農園 代表取締役 平田 克明 氏(2004 年 2 月 観光カリ スマ選定)」へのヒアリング概要。) 

三次市など備北地域はもともと観光拠点が少ない地域であり,観光農園を始めた20年前には周 辺に観光施設がほとんどなかった。その後も,(平田氏が立ち上げにかかわった)三次ワイナリー などの観光施設ができたが,それぞれの施設は小規模なものが多く,1箇所で1日楽しめるわけ ではない。また,観光施設への公共交通機関によるアクセスもほとんどないという問題がある。

こうした問題を克服するには,まず,短時間でリーズナブルに移動できる仕組みが必要であり,

道路の整備は難しいにしても,公共交通網や低料金で利用できる交通手段を整備する必要がある。

備北地域では,観光地の連携に向けて「やまなみルートバス」を実験的に運行させた。目標人数 の達成はできなかったが,観光客の増加につながった。このような行政区域を越えた取り組みは,

民間の立場からすれば当たり前であるが,行政の立場からすれば画期的であり,立ち上げ時には しがらみがあった。このような取り組みを上手く実施するためには,リーダーシップをとる人の 存在が重要となる。

これまで観光振興策などの策定や実施は,行政が中心となってきた。しかし,行政が企画した ものにはニーズに合わないものもあるし,地域に縛られる部分がある。このため,施策計画など の策定は,実際に観光産業に携わっている者が行う必要がある。第3セクターにもかかわらず三

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