対 象:
軽度(Child-Pugh分類クラスA:スコア5~6)の肝機能障害患者7例、中等度(Child-Pugh分類クラスB:スコア7~9)の 肝機能障害患者8例、重度(Child-Pugh分類クラスC:スコア10~15)の肝機能障害患者6例及び健康被験者13例
方 法:アフィニトール10mgを低脂肪の朝食後、単回経口投与した。
表 肝機能障害患者にアフィニトール10mgを単回投与した時の薬物動態パラメータ
(Child-Pugh分類クラスA)軽度 中等度
(Child-Pugh分類クラスB) 重度
(Child-Pugh分類クラスC) 健康被験者
n 6 9 6 13
Tmax(hr) 1.5(0.5-4.0) 1.5(1.0-3.0) 2.25(0.5-4.0) 1.0(1.0-4.0)
Cmax(ng/mL) 37.0±13.2 43.2±13.0 34.6±16.7 33.8±12.8
AUC
0-inf(hr・ng/mL) 539±212 1056±298 1297±747 317±55
CL/F(L/hr) 21.6±9.8 10.2±2.9 10.0±5.2 32.6±6.7
Tmax:中央値(最小値-最大値)、Cmax、AUC0-inf、CL/F:平均値±標準偏差※最終観察日のChild-Pugh分類に基づく集計:本剤投与日にChild-Pugh分類クラスAであった被験者2例が最終観察日ではChild-Pugh分類クラスB、本剤投 与日にChild-Pugh分類クラスBであった被験者1例が最終観察日ではChild-Pugh分類クラスAであった。
肝機能障害のある患者に対してアフィニトールの投与を開始する場合、投与量の 調節は必要ですか?
肝機能障害のある患者は慎重投与です。そのため、肝機能障害患者に対しては本剤の投与の 可否をご検討ください。
本剤を投与する場合には、肝機能障害患者において本剤の血中濃度が上昇するとの報告が あるため、減量を考慮するとともに、定期的に肝機能検査を行うなど患者の状態を慎重に観察し、
有害事象の発現に十分に注意してください。
本剤の血中濃度は肝機能障害により上昇します。Child-Pugh分類を肝臓の障害度の指標と して用いた臨床試験成績では、軽度(Child-Pugh分類クラスA)、中等度(Child-Pugh分類
クラスB)及び重度(Child-Pugh分類クラスC)の肝機能障害を有する被験者に本剤10mgを 単回経口投与したときのAUC
0-infは、肝機能の正常な被験者のそれぞれ1.6倍、3.3倍、3.6倍 に増加しました。
上記データに基づき、軽度(Child-Pugh分類クラスA)の患者では減量を考慮し、中等度
(Child-Pugh分類クラスB)の患者では治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合 のみ減量しての投与を検討してください。
なお、重度(Child-Pugh分類クラスC)の患者では、可能な限り投与は避けてください。
◎Child-Pugh分類について⇒p.9参照
A15
Q15
れ投与にあたって主な副作用とその対策Q&A臨床試験成績
感染症を合併している患者に投与してもよいですか?
腎機能障害のある患者に本剤を投与する際は投与量の調節は必要ないと考えられます。固形 癌患者のデータを用いて母集団薬物動態解析を実施した結果、クレアチニンクリアランス(25~
178mL/min)は本剤の見かけの全身クリアランス(CL/F)に対して有意な影響を及ぼさないことが 示唆されました。なお、本剤投与による重篤な腎障害の発現が報告されていますので、本剤の 投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン、血中尿素窒素(BUN)等の腎機能 検査及び尿蛋白等の尿検査を行ってください。
透析を導入している患者における投与経験は限られており、透析患者に対する投与法は確立して いません。
国内外で実施された臨床試験において、本剤を投与された患者でグレード3及び4の重篤な感染症 が認められました。本剤は免疫抑制作用を有しており、本剤投与により感染のリスクが増大する おそれがありますので、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。感染症に罹患している 患者では、本剤投与前に適切な処置を行うとともに、本剤投与中は感染症の増悪に十分注意して ください。
◎感染症⇒p.28-37参照
A16
A17
Q17
治療の流れ投与にあたって主な副作用とその対策Q&A別 添臨床試験成績
間質性肺疾患について、 投与開始後は「定期的に胸部CT検査を実施し、
肺の異常所見の有無を慎重に観察すること。」とありますが、どれくらいの頻度 で行うのがよいでしょうか?
患者の状態に応じて適切な頻度は異なると考えられます。少なくとも腫瘍の画像評価を行う際には、
同時に間質性肺疾患についても画像を評価していただきますようお願いいたします。なお、腎細胞 癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)では、投与開始後1年目は8週毎、2年目 以降は12週毎に胸部/腹部及び骨盤のCTスキャン又はMRIを実施しました。膵神経内分泌腫瘍 対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)では、投与開始前と開始後は12週毎に胸部 X線検査又はCTスキャンを実施しました。消化管又は肺神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨 床試験(RADIANT-4試験)では、医学的に必要性が認められる場合に、胸部X線、CTスキャン 又はMRIを実施しました。また、進行性胃癌対象国内第Ⅱ相試験では、サイクル
*4までは4週毎、
サイクル5以降は8週毎に胸部CTスキャンを実施しました。エストロゲン受容体陽性かつHER2陰性 でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者対象第
Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では、低酸素症、胸水、咳嗽、呼吸困難などの間質 性肺疾患が疑われる症状がないかを定期的に問診し、間質性肺疾患が疑われる場合には、必要 に応じて胸部CTスキャン及び肺機能検査を実施しました。また、BOLERO-2試験においては、胸 部、腹部及び骨盤のCT又はMRIによる腫瘍の画像評価について、腫瘍病変の有無にかかわらず、
投与開始前及び投与開始後6週間毎に実施しました。
*
1サイクル=4週
◎RADIANT-3試験における主な検査スケジュールについて⇒p.80参照
◎RADIANT-4試験における主な検査スケジュールについて⇒p.87参照
◎間質性肺疾患が発現した場合の対処について⇒間質性肺疾患【減量・休薬基準/治療指針】(p.24)参照
A18
Q18
れ投与にあたって主な副作用とその対策Q&A臨床試験成績
ドキュメント内
アフィニトール適正使用ガイド(神経内分泌腫瘍編)
(ページ 70-73)