第5章 高知の可能性一般
5−1高知県出身の漫画家たち
高知県は横山隆一氏、やなせたかし氏、はらたいら氏、黒鉄ヒロシ氏、青柳 裕介氏など多くの著名な漫画家を生み出している。
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高知 鳥取 長崎 新潟 山口 北海道 東京 山梨 富山 大分 愛媛 全国
(高知県):計22名
作家名(誕生日) 出身地域 主な作品:出身地関連の作品
青柳祐介(12/4) 香美郡 「川歌」:土佐の一本釣り」?
厦門潤(6/7) ??? 「破妖の剣」
井上恵美子(9/23) 須崎市 「ボディコン刑事」
梅本さちお(2/6) 土佐清水市 「リトルの団ちゃん」
くさか里樹(6/9) 高岡郡日高村 「ケイリン野郎」
楠みちはる(1/25) 土佐市高岡町 「湾岸MIDNIGHT」他 窪之内英策(11/11) ??? 「ツルモク独身寮」
黒鉄ヒロシ(8/3) 高岡郡佐川町 「赤兵衛」
西原理恵子(11/1) 高知市 「ゆんぼくん」:エッセイ集など
JET(1/17) 高知市 「十兵衛紅変化」
図5-1-1 県別まんが家の人口比率
図5-1-2 高知県まんが家一覧
徳弘正也(3/1)
長岡郡大豊町 「ジャングルの王者ターちゃん」
中城健(4/12) 高知市 「カラテ地獄変」シリーズ 西谷祥子(10/2) 高知市 「手紙をください!」
ハヤトコウジ(???) ??? 「yasya(ヤシャ)」
はらたいら(3/8) 香美郡 「モンローちゃん」
まさき輝(7/6) 中村市 「おはよう空!」
正木秀尚(1/7) 香美郡土佐山田町 「MAD STONE」他
森山大輔(9/11) 宿毛市 「クロノクルセイド」
やなせたかし(2/6) 香美郡香北町 「アンパンマンシリーズ」
山本よしこ(3/23) 高知市 「美容師 MONO」)
弓月光(12/5) 吾川郡 「みんなあげちゃう」
(注:高知県吾川郡→兵庫県高砂市→埼玉)
横山隆一(5/17) 高知市 「フクちゃん」
和気一作(3/26) 室戸市 「女帝」
5−2高知県の漫画に関する企画、活動
漫画を貴重な文化資源として位置付け、漫画を題材とした全国に発信でき るイベントを行い、「漫画王国・土佐」を全国にアピールするとともに、漫画を 通じた交流を進め、地域の振興を図ることを目的として、平成四年に「第一回 全国高等学校漫画選手権大会(まんが甲子園)」を開催している。
「まんが甲子園」は「全国高等学校漫画選手権大会」の略称であるが、実は同 時開催している、もうひとつのイベントである「あったか高知まんがフェア」
も併せて広義に「まんが甲子園」と呼んでいる。
この「あったか高知まんがフェア」は昭和六十三年から開催しており、「まん が甲子園」が誕生するきっかけとなったイベントである。
地元高校生の漫研広場、日本漫画家協会コーナー、漫画落書きコーナー、似 顔絵コーナーなど漫画をテーマとしたユニークな催しを開催し、漫画を通じた 交流を図っている。
平成四年に、このような取り組みを一層発展させるため、全国の高等学校の 漫画研究部や漫画サークルに参加してもらう「全国高等学校漫画選手権大会(ま んが甲子園)」を開催した。
5−2−1「まんが甲子園」とは
全国約六千校の高等学校の漫画研究部・漫画サークルからテーマ(二題の中
からひとつを選択)にそった漫画作品を募集(一校一チーム五人)し、第一次・
第二次の予選審査を経て、本選大会に参加できる三十校を選抜する。
本選大会は、第一次競技、敗者復活戦、決勝戦とそれぞれ大会当日に与えら れたテーマにそった漫画作品を仕上げ、最優秀校などを決定する。
審査員は、やなせたかし氏を審査委員長に、牧野圭一氏、里中満智子氏、プ ロの漫画家である。
「まんが甲子園」は2003年で第12回目を迎え8月に開催されている。
一校が一作品しか応募できないというなかで、全応募校のクラブ員の合計は、
応募用紙の部員数から集計すると四千人を超え、多くの高校生が「まんが甲子 園」にかかわっており、夏の高校生のイベントとして確実に定着した。
この「まんが甲子園」は県内外の企業にも協賛・協力団体として支援しても らっており、新聞・テレビなどのマスコミも応募用紙発送、応募作品開封作業、
予選審査、本戦大会と積極的に報道してもらっている。
教育関係では、高知県高等学校文化連盟(高文連)にいろいろ協力してもら っている。
この高文連には、現在十三の専門部があるが、なかでも漫画専門部のある県 は全国でも高知県だけである。
高校生のこれまであまり評価を受けていなかった漫画クラブが「まんが甲子 園」に出場することによって、学校がこれまで以上に部活動を応援してくれる ようになった、生徒自身にも積極性が出てきた、応募するために先生と一緒に なってテーマについて話し合った、皆で力を合わせて作品を仕上げた、という ことを聞いており学校内でのコミュニケーションを図る場としても成果を上げ ている。
また、高知県では、「まんが甲子園」が契機となって、高知県高等学校漫画ク ラブ連盟(かつおの会)が結成(平成7年に高文連が発足し、高文連漫画専門 部となった)され、合同漫画イラスト展示発表会を行うなど、県内漫画クラブ の交流も盛んになっている。
昨年からは、「もっと全国の高校生と交流を広げたい」といった声が大きく広 がり、地元高校生二百三十人がスタッフとして大会運営に参加し、まんが甲子 園かわら版の発刊や、競技作品の運搬、交流会の進行などさまざまな場面で活 躍してくれている。
5−2−2高知県でのセミプロまんが家の活動 高知漫画集団
1950年代、地元高知新聞で一枚漫画(社会風刺)に健筆をふるい、その 後、劇画・コミックの台頭で 開店休業 となっていたコウチ・マンガクラブ を発展的解散。南国土佐の いごっそう精神 を発揮して自由で奔放な漫画を 創造していこう…と1978(昭和53)年9月、高知漫画集団(会長・平山 昌幸、会員21人)を結成。漫画の原点である一枚漫画を主体に似顔絵イベン
トへの参加など、地域に根ざした漫画文化の普及、発展に努めている。
くじらの会
1979(昭和54)年5月に地元高知で発刊された奇想天外社「くじらの 鼻歌」への投稿をきっかけとして集まり、1980(昭和55)年に結成され た。「漫画と酒を愛する個性派集団」。高知県内のこども会、小・中学校などで、
子どもまんが教室 を開催するなどまんがの裾野を広げる活動を多岐にわた って行っている。
学校法人龍馬学園 「国際デザイン・ビューティーカレッジ」
ユーモアをベースに個性的世界を表現
社会風刺とユーモアをベースに、長い歴史を経て発展してきた表現方法が漫 画です。全国でも珍しい「マンガ科」では、背景図法や技法論、ストーリー演 習などを通じて漫画家として求められる考察力や創造力、表現能力を身に付け るとともに、漫画家輩出県らしいユニークかつ個性的な漫画家の養成を目指し ている。資格は高卒以上。定員は 30 人で、年限は2年。
「MANGAMIT(マンガミット)」
県内に漫画産業を NPO設立で若手育成『あらゆる「漫画の仕事」請け負い ます―。』県内にある漫画のプロダクション、団体、専門学校などの関係者が協 力して、近くNPO(民間非営利団体)を発足させる。漫画やイラストを使う 各種看板、広報誌、パンフレットなどの製作を収益の核にして、若手漫画家の 受け皿とし、その育成と「漫画王国・土佐」をアピールするのが目的である。
NPO設立を呼び掛けたのは、故青柳裕介さんの長男、吉村領さん(35)
=土佐山田町中野、青柳プロダクション専務=。吉村さんは、国際デザインカ レッジのマンガ科を卒業した4人の若者から「漫画の技術を生かした仕事に就 きたいが、県内にはそうした場がない」との相談を受けて奮起した。
この呼び掛けに対して、県内在住の漫画家、くさか里樹さん、和気一作さん、
正木秀尚さんが協力を約束し、NPOの理事に就任する予定。代表には国際デ ザイン・ビューティーカレッジマンガ科の岩神義宏・教務課長が就く。名称は
「MANGAMIT(マンガミット)」で、近く正式にNPO申請する。
NPOが当面の業務として見込んでいるのは、自治体や企業が発行するポス ターやパンフレットの製作、イベント開催、中央で活躍している漫画家たちの 本県への 誘致 活動などだ。
吉村さんは「漫画を使った新しい産業を創出して、若手漫画家育成の受け皿 としたい。収益は漫画イベント開催で還元するなど、漫画王国・土佐をアピー ルしたい」と話す。
今春同マンガ科を卒業してNPOスタッフとなる土居恵子さん(20)は、「地
震防災の啓発に漫画を使うなど、さまざまな仕事ができると思う。県内で漫画 の仕事ができるというのは大きな励みにもなる」と期待する。
5−3行政主導の産業振興に期待はできるのか?
5−3−1行政(東京都杉並区)が産業振興にアニメを選択した問題点 日本が世界に誇る文化であるアニメーション。実は杉並区にはそのアニメの 製作元ともいえるアニメ製作会社の2割前後が存在している。そこで杉並区は 最近になってこの「アニメ産業」の振興に力を入れ、街の経済・産業振興に一 役かってもらおうと力を入れているのだが、行政が行う産業振興としての試み は本当に正しいのか考察した。
その前に、街や区市町村といった自治体は、どういった産業振興に力を入れ れば実を結ぶのかといった事例を考えてみよう。その代表的な例は、生産品の ブランド化だろう。例えば、他地区と異なり明らかに質の良い商品を持ちなが ら、消費者へのPR不足から、他と同様の値段で取引されているようなものが ある場合、自治体がバックアップし、その商品のPRに努めるというような手 段である。新潟、魚沼のコシヒカリ、大分、佐賀関の関アジ、などこういう事 例は結構ある。
また、自治体が力を入れPRすることで、その商品自体の人気が上がり、これ までの数倍の売れ行きになり、産業自体が活性化するということも考えられる。
最近では、讃岐うどんブームなどがそのいい事例だ。
ところがアニメ産業というものは、こういったものと、まったく異なる商品 である。アニメーションは作品自体を観ることで、作品の善し悪しはおのずと 判断できるものであり、当然であろうが自治体のPRが売上げを左右するとは とうてい思えない。そんなPRをいちいち参考にしなくとも作品の質はそのも のを見れば一目瞭然だし、作品の開発力も視聴率や関連グッズ販売量などの数 字を見ることで把握できる。こういう状況を見ると、杉並という自治体がPR に努めたところで、他の地区より杉並のアニメ製作会社が評価されたり、注目 を浴びるということはまったくありえない話であると思われる。
ある程度アニメ業界に詳しい人なら、日本のアニメは今や世界中で人気があ り世界各国で放映されている。ひょっとしたら自治体が積極的にPRすること で番組の放映権売買が上向き、産業活性化につながらないか、という考え方を もつ人もいるかもしれない。杉並区もこれと同じような考え方を抱いてアニメ 産業の活性化を進めているようである。
アニメ製作会社は杉並が誇る産業の一つであることは確かだが、従来型のP Rに努めるというような手法ではなく、行政がアニメ産業を育成するための具 体的施策は実施されていない。