<解 説>
未満の血小板減少 1. 9%) 、 AST(GOT) 上昇 (10.8%) 等であった(血液障害につ いては【臨床成績】の項参照) 。
1) アナフィラキシー様症状、肺障害、心障害 (頻度不明 注) ) :低血圧、血管浮腫、
低酸素血症、気管支痙攣、肺炎(間質性肺炎、アレルギー性肺炎等を含む) 、 閉塞性細気管支炎、肺浸潤、急性呼吸促迫症候群、心筋梗塞、心室細動、心 原性ショック等が infusion reaction の症状としてあらわれることがある( 【警 告】欄参照) 。
バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)のモニタリングや自他覚症状の観
察など、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合は直ちに
投与を中止し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、気管支拡張剤、副腎皮質ホ
ルモン剤の投与等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分
に観察すること。
米国添付文書によると、infusion reaction のうちアナフィラキシー様症状、肺障害、心障害等の重篤 な副作用は、約 80%が初回投与時に発現しています。また、死亡例の多くは初回投与後24 時間以内 にみられています。
本剤投与中は、血圧、脈拍、呼吸数等のバイタルサインのモニタリングや自他覚症状の観察を十分に 行い、アナフィラキシー様症状、肺障害、心障害の発現にご注意ください。異常が認められた場合に は直ちに投与を中止し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、気管支拡張剤、副腎皮質ホルモン剤の投与 等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察してください。本剤の投与を再開 する場合は、症状が完全に消失した後、中止時点の半分以下のの注入速度にて患者の状態を十分に把 握しながら行ってください。なお、再開の可否を判断するための基準は確立していません。
危険因子等につきましては【警告】の項(18ページ)を参照ください。
以下に重篤なinfusion reactionを発現した代表的な症例の経過を示します。
(1)血液中に大量の腫瘍細胞があるなど腫瘍量の多い患者に投与したときの経過
[外国症例]
年齢
性別 原疾患 副作用
経過及び処置 71歳
女性
慢性リンパ 性白血病*1 組織型:
B細胞性
悪寒、息切れ、低血圧、低酸素血症、肺浸潤
入院時 意識は明瞭、臨床症状なし。複数の頸部リンパ節、CTスキャン により腋窩、傍大動脈、胃周囲部、肝門、骨盤内及び鼠径部にび まん性リンパ節腫脹、肝腫大を確認。ヘモグロビン値9.2g/dL、
白血球数234,300/L(リンパ球84%)、血小板数25,000/L。
クレアチニン値、カルシウム値及びリン酸値正常。尿酸値上昇
(557mol/L)。左心室機能正常(駆出率67%)。胸部X線像正常。
投与2日前 コルチコステロイド投与開始。
投与前 アセトアミノフェン、ジフェンヒドラミンの前投与。
投与開始 本剤投与開始(注入速度25mg/時)。 1時間後 注入速度の漸増開始。
2時間後 注入速度37.5mg/時の時点で悪寒発現。投与中断。
3時間後 低血圧(90/60mmHg)、息切れ(軽度)、下肺野の捻髪音が発現。
洞性頻脈を除き、心電図正常。
補液(500mL)、コルチコステロイド及び抗ヒスタミン剤投与。
血圧は徐々に回復(105/75mmHg)。
5時間後 強い息切れ、低血圧(95/65mmHg)、低酸素血症(動脈血CO2
分圧31mmHg、動脈血O2分圧62mmHg)発現。クレアチニン
上昇(154mol/L)。胸部X線で、びまん性肺浸潤を確認。強心 支持療法、利尿薬投与。
9時間後 心肺虚脱発現、患者死亡。
既往歴 不明
Lay-Cheng Lim et al. Journal of Clinical Oncology 17(6) : 1962-1963,1999
*1:慢性リンパ性白血病は、国内においては効能・効果未承認の疾患です。
[外国症例]
年齢
性別 原疾患
[合併症]
副作用 経過及び処置 78歳
男性
慢性リンパ 性白血病*1
( ア ル キ ル 化 剤難治性)
[ 代 償 性 ア ル コ ー ル 性 肝 硬変、ミエロ パ シ ー を 伴 う前立腺癌]
呼吸困難、頻呼吸、発熱、低酸素血症、呼息性喘鳴、錯乱、肺浸潤
投与前 補液、アセトアミノフェン(経口)、ジフェンヒドラミン(静注)
による前投与。
白血球数74,000/L、血小板数27,000/L 投与開始 本剤投与開始(注入速度50mg/時)。
60分後 100mg/時に注入速度を上昇
~75分後 急激な呼吸困難、頻呼吸、発熱(39.1℃)、低酸素血症、呼息性喘 鳴、錯乱発現。胸部X線にて新たな肺浸潤及び、以前より認められ た両側性胸水(少量)を確認。
白血球数18,000/L、血小板数20,000/L以下
本剤投与を中止(総投与量:125mg)。メチルプレドニゾロン投与、
アルブテロール吸入、血小板輸血、フロセミド投与、酸素吸入、ジ フェンヒドラミンを追加投与。数時間で症状は改善。
2日後 腹水発現。
3~4日後 2回の穿刺により腹水を除去(培養結果は全て陰性)。超音波検査 により、肝硬変と診断(肝静脈血栓症でないことを診断)。 10日後 患者の希望により全ての治療を中止。ホスピスへ転院。
13日後 原疾患・合併症により死亡。
既往歴 腹水
John C. Byrd et al. Journal of Clinical Oncology, 17(3) : 791-795,1999
[外国症例]
年齢
性別 原疾患 副作用
経過及び処置 26歳
女性
慢性リンパ 性白血病*1 組織型:
B細胞性
血小板減少(G4)、頻脈、悪心、肝酵素上昇、LDH上昇、d-ダイマー上昇(G3)、 発熱、悪寒、低カルシウム血症、低蛋白血症、CRP 上昇、プロトロンビン時間 延長(G2)、嘔吐、低カリウム血症、貧血(G1)
投与前 IL-6 20pg/mL、TNF-α 25pg/mL、リンパ球数89,300/L
(CD20陽性細胞90.8%)、血小板数13,700/L 投与開始~
10時間後
重度のinfusion reaction*2(発熱、悪寒、嘔吐、血小板減少、
血液凝固パラメータ低下、LDH上昇(最高値:2,000U/mL以 上)、肝酵素上昇)発現。
血小板減少に対し、血小板輸血を実施。
投与90分後:IL-6 244pg/mL、TNF-α 351pg/mL 投与7時間後:IL-6 40pg/mL、TNF-α 47pg/mL 症状及び血清パラメータ異常は2日間持続。
投与48時間後 血小板数の回復開始。
治療効果:SD(不変)。TTP(腫瘍増殖抑制期間)3週間半 既往歴 不明
先行治療歴
VACOP-B療法(エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、
プレドニゾロン、ブレオマイシン)
自家骨髄移植
U. Winkler et al. Blood, 94(7) : 2217-2224,1999 正常値:IL-6 <25pg/mL、TNF-α <20pg/mL
*1:慢性リンパ性白血病は、国内においては効能・効果未承認の疾患です。
国内の臨床第Ⅱ相試験において、脾腫を伴う患者に投与され、2 例の副作用による中止例が報告され ています。いずれも本剤の投与中止後、副作用は回復しております。
年齢
性別 原疾患 副作用
経過及び処置 70歳
男性
マントル細胞 リンパ腫 病巣部位:
表在性リンパ節、
脾腫、胃粘膜下、
骨髄
血圧上昇、疼痛(G3)、発熱、悪寒、頻脈、末梢性虚血、虚脱感、呼吸障 害(G2)、AST(GOT)上昇(G1)
投与開始 本剤投与開始(注入速度25mg/時)
1時間後 突然、左腹部(脾腫病巣部)に激痛を訴え、頻呼吸と収縮期 血圧210mmHg、頻脈(160/min台)、四肢冷感発現。
ヒドロコルチゾンコハク酸エステル500mgが静注され、酸 素吸入が行われた。同時に悪寒、戦慄、体温上昇(39.7℃)
発現。
ECG及びSpO2モニターを装着して経過が観察されたが、そ の後徐々に回復に向い、1時間半後には脈拍数(100/min)、 血圧(130/80mmHg)、呼吸数(20/min)ともに安定したた め、酸素吸入中止。
2日後 経過観察中に異常は認められず、後治療に移行。
既往歴 なし 先行治療歴
CHOP(シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩、
プレドニゾロン)
CH(O)P(シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、プレドニゾロン)
年齢
性別 原疾患 副作用
経過及び処置 61歳
男性
マントル細胞 リンパ腫 病巣部位:
左右鼠径部リンパ 節、脾腫
悪寒、虚脱感、多汗(G3)、発熱、嘔吐、呼吸障害、血小板減少(G2)、 血圧下降、頻脈、頭痛(G1)
投与開始 本剤投与開始(注入速度25mg/時)
1時間後 強い悪寒、虚脱感、発汗が発現。注入速度を低下させ(5mg/
時)、ヒドロコルチゾンコハク酸エステル(500mg)及びd -クロルフェニラミンマレイン酸塩(5mg/アンプル)の静注を 行い、一時これらの症状は弱まった。
3時間後 再び強くなり発熱を伴ったため、被験者が投与の中止を希望 し、投与を中止。
既往歴 多血症
先行治療歴
CHOP(シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩、
プレドニゾロン)
ESHAP(エトポシド、シタラビン、シスプラチン、メチルプレドニゾロンコハク酸エ ステルナトリウム)
エトポシド(経口)
シクロホスファミド水和物(経口)