3-2-3̲アダルト情報サイトに関す相談はスマートフォン利用のものが増加(全体).xlsx
図表3‑3‑3① アダルト情報サイトに関す る相談件数(全体)
(備考) PIO-NETに登録された消費生活相談情報(2015年4月27日 までの登録分)。
0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000
2010 59,575 85,843
69,549 95,650
47,788 65,388
59,393 80,421
76,597 110,428
2011 2012 2013 2014
(年度)
相談総数
相談時点で支払が生じていなかったもの
(件)
3-2-4̲アダルト情報サイトに関す相談はスマートフォン利用のものが増加 (スマートフォン).xlsx
図表3‑3‑3② アダルト情報サイトに関す る相談件数(スマートフォ ンを利用したもの)
(備考) PIO-NETに登録された消費生活相談情報(2015年4月27日ま での登録分)。
0 20,000 40,000 60,000
(件)
2010 37
46 4,236 3,633 10,178
12,202
23,429 28,377
38,400 49,261
2011 2012 2013 2014
(年度)
相談総数
相談時点で支払が生じていなかったもの
72)総務省「遠隔操作によるプロバイダ変更等に係る不適切な勧誘方法等に関する指導」(2015年1月28日)
73)国民生活センター「アダルトサイトの相談が年間で10万件を突破!」(2015年4月23日公表)
144
【解説】遠隔操作によるプロバイダ変更の仕組み
●電話での勧誘から契約までの主な流れ
電気通信事業者又はその代理店が電話によるプロバイダの変更を勧誘
【1回目の電話】(例)「A社(大手電話会社)の○○です。現在○○円お支払かと思いますが、
新しいプロバイダにお申し込みいただくと、○○円となり、お安くなります。」
⬇
消費者がプロバイダの変更に承諾すると、一旦電話が切られ、別の担当者からすぐに2回 目の電話が掛かってくる。【2回目の電話】(例)「リモートで設定しますので、パソコンの電源を入れ、インターネット を立ち上げてください。」
●プロバイダ変更契約後の遠隔操作によるプロバイダ接続手続き例
1)消費者は、電話での事業者の指示で遠隔操作用のソフトをダウンロードする。
2)消費者が画面に表示されるIDとパスワードを事業者に伝える(これにより、事 業者のパソコンから、消費者のパソコンを遠隔操作することが可能となる。)。
3)消費者のパソコン(A)のデスクトップ画面が事業者のパソコン(B)に表示 され、事業者が消費者のパソコンの遠隔操作を行い、プロバイダの変更作業を行う。
●インターネットに関する契約の仕組み
多くの場合、インターネットをするためには、「①回線契約」及び「②プロバイダ 契約」が必要である。回線契約の契約先によって、プロバイダを自由に選択できる 場合と利用できるプロバイダが限定されている場合がある。回線契約を変更するた めには工事が必要となるが、プロバイダの変更はパソコンの設定変更をするだけで 完了する。そのため、事業者が消費者と離れていても、電話勧誘と遠隔操作によって、
プロバイダの変更が可能となる。
(備考)国民生活センター公表資料(2014年9月18日)より一部引用。
消費者のパソコン(A)
インターネット
事業者のパソコン(B) 1 ソフトウェア
ダウンロード/
OSの設定
2 ID・パスワードを 伝える
3遠隔操作
消費者 回線契約 プロバイダ契約 インターネット
第1部第3章 第3節 最近の消費者問題の傾向
145
相談を性別、年齢層別で見ると、男性が約 7割を占めていますが、40歳代から60歳代 までがそれぞれ約12%で、10歳代でも7.9%
と若年層でも見られます(図表3-3-4)。そ して5年前の2009年度は、20歳未満から40 歳代までの男性が中心で15%前後となって いましたが、平均年齢は36.3歳から45.4歳 へと10歳近く上がっています。
女性も5年前の2009年度の26.5%から 2014年度は32.3%へと高い割合を占めるよ うになり、30歳代、40歳代でもそれぞれ 7.2%、8.8%となっています。
相談の主な内容は、「有料だという認識 がないままアダルト情報サイトを見ていた ところ、突然、料金の請求画面が表示され た。支払わなければならないか」といった ように、無料なのでサイトにアクセスした ところ請求されたというものや、「歌手の 動画を見ようと、動画サイトをタップした つもりが、表示された18歳以上かを確認す
る年齢確認ボタンをタップしてしまった。
すると、突然、アダルト情報サイトの会員 登録完了の画面が表示された」というよう に誤操作によるもの等で、そのうち69.4%
と多くが事業者に支払う前の相談です(図 表3-3-3①)。
しかし最近では、「請求されたので事業 者の問合せ先に電話をしたら、支払うよう 強く言われたので、焦って支払ってしまっ た」等の相談事例に見られるように、言わ れるままに支払ってしまうケースもあり、
支払った相談での平均金額は、2014年度に は277,121円 と 高 額 化 し て い ま す(図 表 3-3-5)。その理由としては、スマートフォ ン利用のトラブルが増えていることが考え られます。
アダルト情報サイトの請求画面等には、
「退会はこちら」、「誤操作の方はこちら」
等というボタンが用意されていますが、これ らのボタンを押すことで事業者に連絡する
3-3-4 ▲2014年のアダルト情報サイト性別・年齢別割合.xlsx
図表3‑3‑4 アダルト情報サイトに関する相談(2014年度)
(備考) 1 .PIO-NETに登録された消費生活相談情報(2015年4月27日までの登録分)。
2 .団体、性別不明を除く。
無回答0.7%
32.3%女性
67.7%男性
10歳未満 0.3%
10歳未満 0.6%
10歳代3.4%
20歳代4.9%
30歳代7.2%
40歳代8.8%
50歳代4.0%
60歳代2.1%
70歳代0.8%
80歳以上 0.1%
無回答1.6%
80歳以上 0.7%
70歳代5.1%
60歳代12.1%
50歳代12.3%
40歳代12.8%
30歳代8.7%
20歳代5.9%
10歳代7.9%
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ことになってしまい、事業者から請求を強く 求められるケースが見られます(図表3-3-6)。特にスマートフォンを利用している場合、
簡単に電話発信やメール送信ができて、事 業者につながってしまい、個人情報を把握 されるおそれがあります。決して事業者に 連絡しないようにすることが肝要です。
身に覚えのない請求をされても、慌てて 支払ってしまうケースがありますが、支 払ってしまうと、後で返金を求めようにも 連絡がつかない等、お金を取り戻すことは 困難です。
また、最近では、事業者に誘導され、消 費者には金銭を支払うという意識がないま ま、事業者がプリペイドカードを支払手段 として悪用した、新たな手口が用いられる ようになってきています(手口の詳細は本 節「プリペイドカードを悪用する新たな手 口が発生」参照)。
近年、商品等の売買に係る決済サービス は多様化しており、消費者は多様な支払手 段の中から、支払方法を選択できるように なってきています。現金を用いないクレ ジットカードや、プリペイドカードに代表 される電子マネー等、“キャッシュレス決 済”は、現金を持ち歩かずにカードやスマー トフォンで買い物ができる手軽さから、身 近な決済手段として、消費者の利用機会が 拡大しています。
一方で、悪質商法に利用されたり、複雑 な仕組みを理解しないまま支払ってしまっ たことによるトラブルや、決済手段への不 安等、新しいタイプの消費者トラブルにつ