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アクセシビリティトレーニング Chapter 3: Training for Accessibility

概要

はじめに

本章は、サービス提供を首尾よく行うための必須要素であるアクセシビリティトレーニング及び接遇・

気づきのトレーニングについて、その特徴、内容及び実施手順について述べたものである。個人の 態度、コミュニケーション上のバリア、さらに誤解や思い込みは、建築物における構造的な障壁より も深刻なバリアを生み出しかねない。それを防ぐには、こうしたトレーニングが重要である。

トレーニングの主な受講者は、OCOGのスタッフと大会ボランティアである。トレーニングは次の3 段 階で実施される。

1. 障がい者に対する一般的な接遇トレーニング 2. 大会/任務別のアクセシビリティトレーニング 3. 会場固有のアクセシビリティトレーニング

本章では、それぞれの段階について、内容、トレーニングプログラムの組織、実施方法/手順を説明 する。

トレーニングの目的

アクセシビリティトレーニングと接遇・気づきのトレーニングは、大会に従事する全ての人が、この分野 の業務及び障がいのある人への理解を深め、接客スタッフへの障がいに関する啓発を行うことを目的 とする。

トレーニングは、他の多くの来場者に対する接遇トレーニングの一環として設定すべきであり、トレ ーニングの参加者が、障がい者に対する基本的な「気づき」と接遇の知識を自らの役割分担の中に 位置づける上でのツールとなり、かつ自信をもたらすものでなければならない。

トレーニングは、障がいのある全ての人にとって質の高い大会体験を保証できるよう、効果的かつ 文化的に適切であり、実践知識の向上に焦点をあてたものでなければならない。

内容

本章には以下のテーマが含まれている。

テーマ 接遇(エチケット*)・気づき(アウェアネス*)トレーニング 大会/任務別のアクセシビリティトレーニング

会場固有のアクセシビリティトレーニング

訳者注)エチケット(etiquette)とは、礼儀作法などの意味であるが、ここでは相手に敬意をもって適切に対応す るという意味で「接遇」としました。

訳者注)アウェアネス(awareness)とは、気づいていること、自覚、認識などの意味であるが、ここでは障がい理 解のトレーニングなどの際に使われる「気づき」としました。

アクセシビリティガイド 2013年6月

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接遇・気づきのトレーニング

説明

アクセスやインクルージョン実現の妨げとなり得る態度やコミュニケーションのバリアが、固定概念や 誤解から生み出されることがないよう、OCOG は、大会に従事する全ての人に、期待に応える質の 高いトレーニングを計画し、実施しなければならない。

トレーニングの範囲

全てのスタッフが、障がいのある市民や職場の同僚、障がいのあるスポーツ選手と触れ合う。そのた め、有給スタッフ・ボランティアを問わず全ての大会関係者は、その地位や立場に関係なく、障がい 者への接遇に関する何らかのトレーニングを受ける必要がある。

スタッフが類似トレーニングの受講経験がある場合でも、再確認の意味でこのトレーニングを受講す べきである。

トレーニングの内容

障がいのある人は、障がいのない人と同じサービスを必要としている。障がい者に対する接遇トレー ニングは、相手にとって良いサービスとは何か、求められたサービスを提供することの重要性を取り 上げたものである。相手が何を欲しているかを理解するには、障がいではなく、その人自身に関心 を持たなければならない。

トレーニングのテーマ

効果的なトレーニングの主なテーマは以下のとおりである。

障がいではなく、その人自身に注意を集中する

人々は、障がい者である前にまず人であり、それ以外の何者でもない。重要なのは常に相手その 人自身であり、障がいの中身ではない。

まず何をおいても相手を理解する

大会は、障がいのある選手、障がいのある観客、障がいのある大会関係者、障がいのあるボランテ ィア、市民としての障がい者と出会う環境であることを認識することが必要である。こうした人々のニ ーズは異なるかもしれないが、それに対するアプローチは常にひとつである。

障がい者に対して同情せず、相手の人格を尊重する

ここで出会う障がい者は、一緒に働く同僚であり、すばらしいひと時を過ごす観客であり、あるいは 技を競い合う選手である。自身の障がいを気に病んで、同情してほしいと思うような人ではない。

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アクセシビリティガイド 2013年6月

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接遇・気づきのトレーニング

(続き)

トレーニングのテーマ(続き)

障がいのある人全てが車いすを使っているわけではない

人口の 10%は障がいがあるが、恒久的な車いす使用者はそのうちの約 4%程度である。一口に障 がい者といっても様々な障がいがある。例えば視覚障がい者、歩行器具や杖を使用する歩行困難 者、あるいは学習障がい者がいる。さらには、関節炎や聴覚障がいなど「目に見えない」障がいのあ る人々もたくさんいる。

コミュニケーション

どのようなクライアントに対しても、支援する際には十分なコミュニケーションが重要である。とりわけ 聴覚障がいや視覚障がいのある人への対応では重要度が増す。

障がいのある人に応対するとき

 必ず直接対応する。

 障がいのある人について話題にするとき、同伴者に向かって話さない。

 障がいのある人に対応するときは、相手に敬意ある態度で接する。

聞くとき

 学習障がいまたは言語障がいのある人の場合、相手に理解してもらうのに通常よりも時間がか かる場合があることを認識しておく。

 たとえ学習障がい者または言語障がい者であっても、相手の話を遮ったりしない。

 車いす使用者に対する場合、見上げることで車いす使用者の首に負担がかからないよう一歩 下がる。

 相手の話すことに辛抱強く、注意深く耳を傾ける。

 一度聞いてわからなければ、ちゅうちょせず繰り返すよう頼む。または、相手が話そうとした内容 を復唱して、きちんと理解しているか確かめる。

話すとき

 聴覚障がい者は、読唇する必要があるかもしれない。その場合、顔をまっすぐ相手に向け、話 すときは口元を手で覆わない。

 明るすぎる太陽光や影は顔の表情をぼかし、読唇を難しくすることがあるので注意する。

 相手が特に大きな声で、あるいはゆっくりと話すよう要求しない限り、普通のスピードと声音で 明瞭に話す。必要であれば、静かな場所に移動したり、ドアを閉めたりする。

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アクセシビリティガイド 2013年6月

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接遇・気づきのトレーニング

(続き)

トレーニングのテーマ(続き)

 単刀直入で、短い文にする。

 相手が理解していない時は、ちゅうちょせず繰り返して言う。言い方を変えてみて、相手が理解 してくれたかどうか確認する。

 一部の聴覚障がい者や学習障がい者には、言いたいことを明確にするために身振り手振り(ジ ェスチャー)を交えるとよい。方向を示す時は地図を用いるのも有効な手段である。

 理解してもらえない時は、筆記用具を用いてのコミュニケーションを提案する。

 肯定文を使うようにする。例えば「座席をお探しではないでしょうか」ではなく、「座席をお探しで すか」と言う。

障がい者を支援する

 援助が必要なことはほとんどないが、もし要求されたら、何をすべきで、何をすべきでないかを 理解することが不可欠である。

 障がいがあるからといって、障がい者が支援を必要としていると決めてかからない。

 苦労しているように見えても、本人にとっては単に自分のペースと方法で、問題ないと認識して いるかもしれない。必ずまず尋ねてみて、手伝いが不要という返事であれば、言葉とおり受け 取る。支援を押し付けたり、申し出を断られても怒ったりしない。

 本人の許可を得ることなく、障がい者や歩行器具に触らない。無断で触れることは無作法であ るだけなく、障がい者のバランスを損なう可能性がある。

 先を見越して、援助が必要だと判断すればそれを申し出る。

 障がい者が座席エリアや会場内の他の施設で支援を必要としている場合で、もし持ち場を離 れることができない時は、チームリーダーに連絡し応援を求める。

車いす使用者へのサポート

 車いす使用者が支援を求めてきた場合、目的地がどこかを尋ねた上で、一言声を掛けてから 車いすを押し出す。

視覚障がい者を支援する

 視覚障がい者を誘導する場合、肘を持ってもらい、自分の横を並んで歩いてもらう(盲導犬を 伴っている場合は、1人で歩く方がよいというかもしれない)。

 常に、「あと少しで傾斜路を降ります」、「階段に近づいています」などと、現在地を知らせる。

 目的地に到着したら、どこに着いたかを知らせる。他のスタッフが援助を引き継ぐ必要があるか どうか尋ねなければならない。

 盲導犬を伴っている場合、役目から気を散らさないように犬には触れない。

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