朴 賢緒
エ ッ セ イ 韓 国 か ら ①
れて日本も刃をちらつかせているのが現状である。
20年以上も高度経済成長を遂げている中国のプ レセンスは、アジア平和構造には最も重要な要因 になっている。国家統制における遠心化を防ぐ装 置の最重要点に台湾がありチベットがあり新彊が あるが、両湾問題こそその最たるものである。趙 紫陽前首席の葬式で民主化運動再発への恐れが甦 っている傍ら大国の覇権主義のかけらを見せてい る。今年も8.5%以上の経済成長を展望する中国 の行く末はどうなることだろう。そして6者協議 における中国の主導的役割は長引くだろうか。
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ちょうど3年前の2月、日本のある地方組織か ら招かれた講演で次のような内容を述べたことが ある。ひとこま引用させて頂きたい。
19世紀は帝国主義の時代であったと規定して いるがそれは20世紀の後半までも続いた。傲慢 と憎悪、征服と支配、侵略と抵抗が織りなす時 代である。偉大な遺産ソビエト体制の崩壊は冷 戦構造の解消をもたらしアメリカによる一極支 配の世界戦略がまかりとおるかに見える。
軍事戦略面では超大核軍事力を背景に〝善! の使徒と自負しながら〝お気に入らぬ!国家を 威脅、応懲するため侵略戦争を敢行する寸前に きている。ポスト冷戦の特徴として各地域であ らわれた部族、種族、民族、宗教間の紛争には アメリカの軍事戦略は有効ではないどころか、
かえってこれを煽っている。
経済戦略面では新自由主義を中核とするいわ ゆるグローバリゼイション支配理論を強要して いる。国際貿易では資本主義経済の市場原理を うたい弱肉強食のみをアメリカは選り好んでい る。世界いたるところ国家主権も民族の伝統と 志向もゼロ化しアメリカの資本、技術、商品、
様式などを標準と定めて一方的に強要している。
対抗軸なき独り善がりのウルトラ帝国アメリ カは21世紀早々一団の超鷹派に囲まれてジョー ジ=ブッシュ政権が誕生する。ブッシュは資質 も気稟も勉強も足りない業界びいきで人類の普 遍的価値追究には明きめくら同然、キリスト教 根本主義の偏執症さえも見せている。就任初年 の9.11で彼の本質つまりウルトラ帝国主義の本
質をさらけ出した。文明衝突論までとり沙汰さ れたアフガン戦争をやってのけ〝われに従わず んばこれ皆敵!と断言し〝悪の枢軸!にイラン、
イラク、北朝鮮を挙げた。(中略)
なぜアメリカはかくも執拗にイラクを侵略し ようとするのか。かくれた目的は石油資源の確 保である。サウディ=アラビアとの友好関係も 傷つきはじめは、アフガニスタンからカスピ海 に至る中央アジア一帯の制覇はサウディに次ぐ 豊富な石油資源を有するイラクを抜いては考え られない。ブッシュをはじめチェイニーも、ラ イスもみなエネルギー業界の立役者で、その他 ラムズフェルトなども関連している。アラスカ 開発(掘鑿)禁止を解除した一党は国内の資源 確保に限らず海外の資源征服に本格的に乗り出 す態勢である。(後略)
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韓国も日本もイラクに派兵していて、韓国はア メリカに次ぐ兵力3千600人を送っている。いず れもアメリカとの軍事同盟によるものであるが、
イラク再建のためと言いはっている。
国民67%の派兵反対世論を押しきって盧大統領 は派兵を決行したが、その背景には北朝鮮の核疑 惑につけこんでのアメリカからの武力先制攻撃を 思いとどまらせるための苦肉の策であったと殆ん どが思い込んでいる。彼が2期目の当選を果した ブッシュに会うためすばやくワシントンに翔び、
六者協議以外に道なしを強く迫ったとの観測が流 れているのもその間の事情をかいま見せている。
一方、小泉総理は日米安保の強化に積極的に乗 り出しているが、その背景には石油資源という乗 り合いバスに乗り遅れないこともあるが、先ずは UN安保理の常任理事国入りが目あてらしい。現 下の日中間の政凍経熱状態では楽観は許されない だろう。小泉政権が抱えている懸案のひとつに北 方領土の返還問題がある。エリツィン以来の二島 返還約束さえもプーチン大統領の来日が決まらず 行く先がまだ見えていない。国家間の外交では虚 実がつきものとはいえ、冷戦構造が終わったいま 尚付きまとっているのが実情である。
〝沖縄返還までは戦後は無い!。これは60年代 の日本人の心をあらわしたスローガンであった。
しかしこの戦後論はいまも続いている。〝北方領 土返還までは戦後は無い!のスローガンがいまも 日本至るところに掲げられているからだ。戦後論 が一国の現実を果てしなく重く規定している例と して韓国を除いては論じられない。戦後論の感覚 は〝解放論!あるいは〝統一論!に要約されるだ ろう。
第2次世界大戦の終焉期、朝鮮軍司令部麾下の 日本軍の武装解除のため北緯38度線を境界に北は ソビエト軍が南はアメリカ軍が進駐して国土を分 断していまに至っている。民族恨の悲劇がここか らうまれたのは言うまでもない。イデオロギーの 分断を醸し統一政府樹立を妨げ遂に朝鮮戦争を起 す源となった。
終戦の年12月モスクワ"米英蘇三相会議で自主 的統一政府樹立が決定されたが、最低5年の信託 統治案で左右が別れて恨み骨頂の民族分裂と国土 分断があらわれることになった。47年のトルーマ ン宣言、48年のベルリン封鎖、49年の中華人民共 和国樹立そして50年の朝鮮戦争勃発を経て51年の サンフランシスコ講和に至っている。第2次世界 大戦の総締めくくりとして、そして米蘇冷戦構造 の要としてのサンフランシスコ体制は出来上がっ た。
サンフランシスコ条約の単独講話のつけは北方 領土の返還に纏わっているし、附帯の安保条約は 日本の非核三原則の実現を可能にした。しかし日 本の平和憲法を保障すべきサンフランシスコ体制 はアメリカの軍事戦略により日本の軍事大国化を 促している。冷戦構造の要であった筈のサンフラ ンシスコ体制はソビエトの崩壊でいまや用をなし ていない。
脱冷戦で地域の集団安全保障の動きがではじめ ている。アメリカ一極の覇権主義は恐龍の生理で 諸国、諸民族を食い潰そうとしている。これに立 ち向かうためにはサンフランシスコ体制の崩壊無 くしてはなにもできない。この体制の相棒を担い でいる日本の人民的自覚がまずは要請されている。
ポスト=サンフランシスコ体制の集団安全保障に はいろいろな検討事項があるが、まずは進歩的な 諸 国 の 人 民 連 帯 に よ る 第 二 のFRONT POPU-LAIRE(人民戦線)結成を目指さねばならないだ ろう。
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日本が真に平和憲法を護り通す意志があれば、
国連安保理の常任理事国に入らなくともそれ以上 の国際的地位を得ることができるだろう。日本の 経済力を待たなくとも知的、文化的水準で国際上 指導的地域に立ちうること再言を要しない。確固 たる平和憲法守護の意志を万邦に示せば、いかな る紛争地域でも日本は成功した仲介役を果し得る ことが出来るノウハウも資格も持っているのだ。
色あせた在りし日のバンドン五原則を身をもって つらぬくならば、覇権主義に抗する諸国は日本を 平和の盟主に担ぐだろう。
但しそのためにはひとつの通過儀礼が待ってい る。戦前の過ちを率直に認め謝るべきである。帝 国日本が犯したもろもろの過ちに頭を下げてお詫 びすべきである。国はサンフランシコス講和を盾 に、また韓日基本条約締結を口実にうそぶいては いけないし、司法部もかつての憲法の無答責など に頼り嘘を言ってはいけないのだ。
2月24日に名古屋地裁で〝名古屋・三菱朝鮮女 子勤労挺身隊訴訟!に関する判決が予定されてお り、国と企業の責任を問い直す言い渡しを期待し ている。戦時下、軍の性奴隷として酷使され辱め られた〝従軍慰安婦!ハルモニたちが毎週水曜日 の正午日本大使館前でひらく抗議デモは15年をす ぎ634回に及んでいる。日本帝国による被害者た ちはいま全国で登録を行っており、補償請求を求 める訴訟が後を絶たない可能性も強い。彼ら、彼 女たちの血の叫びを無に帰してはならないだろう。
韓国は日本による屈辱的な乙巳条約が結ばれて ちょうど100年になっているし、日本支配の桎梏 から解放されて60年を迎えており、しかも韓日基 本条約が締結されて40年が経っている。北朝鮮を 含めた韓日両国のこれまでのぎくしゃくしている 関係を癒すためにも、サンフランシスコ体制の解 消が最も緊要とされている。
去年は〝ヨン様!で代表されるいわゆる日本で の韓流が押し寄せて驚いたことがある。今はちょ っと下火になっているようだが、ともかくそれは よいことに違いない。両国の人びとがお互いにど しどしふれあってつきあうということは、今後の 両国間の信頼と友情を深めるのにこれ以上無い良 策であるからである。互いに認めあい信頼を醸し