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ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 30-34)

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PDA+Sp-cAMPS -100 圃90 回80 圃70

Membrane potential (mV)

Fíg. 18 The voltage-dependency of cortícostriatal NMDA-EPSPs in neostriatal slices from the naíve and application of POA or Sp-cAMPS in rats. NMOA-EPSPs were pharmacologically ísolated by NBQX (10μM) and BMI (100μM). In slices from the control rats, the amplítude of NMDA-EPSPs was decreased at a membrane potential more negatíve than -90 mV. By contrast, the amplitude of NMOA-EPSPs did not show voltage-dependency ín slices from treatment of POA.

Application of Sp-cAMPS , the amplitude of NMOA-EPSPs was decreased at a membrane potential more negative than -90 mV. But, the amplitude of NMOA­

EPSPs was enhanced more than the control rats at -70--90 mV. Application of PDA and Sp-cAMPS , the amplitude of NMDA-EPSPs díd not show voltage­

dependency and enhanced the amplítude of NMOA-EPSPs .

Asterisks indicate sígníficant differences between control and treatment of POA (対Pく0.01; Student'sιtest). Swords índicate sígníficant dífferences between control and treatment of Sp-cAMPS (tP<0.05,↑↑P<0.01; Student'sιtest) .

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このNMDA-EPSPsの振幅は、 メタンフェタミン休薬時のNMDA-EPSPsの膜電位依存性と 非常に類似していた。

3. 考察

第三章第三節では、 メタンフェタミン反復投与後、 休薬期間に引き起こされている NMDA受容体機能の允進が、 cAMP依存性Protein Kinase (PKA)およびProtein Kinase Cの リン酸化による膜電位依存性Mg2+閉塞の解除によるかを検討する目的で、 PKAおよびPK Cの活性化薬および阻害薬を用いて白質高頻度刺激によるNMDA受容体を介した興奮性シ ナプス電位(NMDA-EPSPs)の測定をホールセル記録により検討した。

始めに、 メタンフェタミン休薬ラットにPKA阻害剤であるRp-cAMPSおよびPKC阻害剤 であるchelerythrineを潅流適用し、 NMDA-EPSPsの膜電位依存性について検討するため過 分極電流の通電により膜電位を変化させた。 その結果、 PKAおよび、PKC阻害剤の潅流適用 の結果、 NMDA-EPSPsに変化は認められなかった。

次に、 P比生活性化薬であるSp-cAMPSおよびPKC活性化薬であるPDAを潅流適用し、

NMDA-EPSPsの膜電位依存性について検討するため過分極電流の通電により膜電位を変 化させた。 その結果、 Sp-cAMPSの還流適用時には-70'"'-'・80mVにおいてNMDA-EPSPsの振 幅の有意な増大が認められたが膜電位依存的な変化は認められなかった。 PKAの活性化は 線条休二ユーロンに多く発現しているcyclic adenosine 3', 5' monophosphate-regulated phosphoprotein 32 kDa (DARPP-32)を介してリン酸化し、 Protein Phosphatase-1 (PP-1)を

阻害することによりNMDA受容体NR1サブユニットのリン酸化を行う(Greengard et al.,

1999) 0 Surmeier et al. (1995) はPKAのDARPP-32のリン酸化はL型Ca2+チャンネルの活性 化を介してNMDA電流を先進させることを報告している。 PKA活性化薬であるSp-cAMPS は線条体のNMDA-EPSPsの振幅を増大させたが、 この結果は、 Colwell & Levine (1995)の結果と同様であった。

点、 PDAの還流適用時にはNMDA-EPSPsの振幅の増大が認められ、 この振幅の増強は 膜電位依存的に変化していたD この結果は、 Chen & Huang (1992)によるPKCのリン酸 化はNMDAチャンネルのMg2+閉塞を解除させるという報告と一致している。 また、 PDA を潅流適用した際のNMDA-EPSPsの振幅の増大は、 PKC阻害薬であるchelerythrineの潅流

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適用により阻害されないという結果(Fig.16-C)は、 一度リン酸化が引き起こされると PKC阻害薬では抑制されないととを示唆している。 さらに、 Sp-cAMPSとPDAの潅流適用 の結果は、 メタンフェタミン休薬ラットの膜電位依存的なMg2+閉塞の解除と類似してい た。 この結果は、 PKCおよびPKAのリン酸化がメタンフヱタミン休薬ラットの膜電位依存 的なMg2+閉塞の解除に関与していることを示唆している。

PKCの活性化は、 線条体においてアンフェタミンによるドーパミンの遊離を調節してお り、 アンフェタミンのラットへの投与はドーパミン受容体を介して線条体のPKCの活性化 の変化を調節している(Giambalvo, 1992)。 また、 アンフェタミンの投与は、 ラット線条 体の神経特異的カルモジュリン結合型タンパクであるこユーロモジュリンによるPKCのリ ン酸化を調節している(Gnergy et al., 1993)。 さらに、 線条体シナプトソームにおいて、

アンフェタミンはセリン41残基においてニューロモジ、ユリンによるPKCのリン酸化レベル を増加させるが、 これはPKCの阻害剤により抑制される(Iwata et al., 1997) 0 PKC阻害剤 の前処置により、 側坐核におけるアンフェタミン誘発ドーパミン遊離は阻害される (Browman et al., 1998)。 さらに近年、 細胞膜のドーパミントランスポーターを通りアン プエタミンにより遊離されるドーパミンはPKCの活性化により調節されている(Kantor et al.,1998)。

方、 線条体ニューロンにおいてアセチルコリンは、 M1様ムスカリン受容体を介して NMDA受容体の機能を元進させる(Calabresi et al., 1998)。 また、 線条体ニューロンにお いてGroup 1代謝型グルタミン酸の活性化はNMDA受容体の機能を充進させる(Pisani ct al., 1997)。 ドーパミンD1受容体の活性化は、 PKNDARPP-32/PP1を介して線条体の GAB九ベ電流を減少させる(Hemandez et al., 2000)。 これらの報告は、 メタンフェタミン休 薬ラットのNMDA受容体機能の充進はPKCおよびPKAのリン酸化による膜電位依存的な Mg2+閉塞の解除が他の因子と密接に関与している可能性を示唆するものである。

これらの報告および本研究結果より、 メタンフェタミン誘発行動逆耐性の形成時には 線条休投射ニューロンのシナプス後膜において、 PKCおよびPKAの活性化を介したNMDA 受容体チャンネルのMg2+閉塞の解除によりNMDA受容体機能の充進が引き起こされてい ることを明らかとした。

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第t章 メタンフヱタミン休薬時におけるグルタミン酸神経伝達の可塑的変化に関する電 気生理学的検討

近年、 電気生理学的検討より、 線条体シナプスにおいて長期抑圧現象(long-term

depression

: LTD)が引き起こされることが報告された(Calabresi et al., 1992)。 これまで線条体シナ プスにおけるLTO誘発のメカニズム としてドーパミン01および02受容体の同時活性化、

代謝型グルタミン酸受容体の活性化、 一酸化窒素(NO)などの関与が報告されている (Calabresi et al., 1992a, 1992c, 1993, 1999; Pisani et al., 1997)。 一方、 線条体シナプスで は、 NMOA受容体の活性化により長期増強現象(long-term potentiation: LTP)が誘発する ことが報告された(Calabresi et al., 1992)。 さらに、 ドーパミン02受容体欠損マウスにお いてもLTPが誘発するととが明らかとなった(Calabresi et al., 1997)。 第三章では、 グル タミン酸神経伝達の可塑的変化に着目し、 メタンフェタミン休薬時におけるNMOA受容 体機能の充進を検討した。

1. 実験材料および実験方法

1-1. 実験動物ならびに飼育方法

実験動物ならびに飼育方法は、 第一章1・1と同様に行った。

1・2. 線条体スライス標本の作製方法ならびに保生法

線条体スライス標本の作製方法ならびに保生法は、 第二章第一節1・4と同様に行った。

1・3. 実験装置

実験装置は、 第三章第一節1・5と同様に行った。 細胞外記録には、 高入力インピーダン スの微小電極用増幅器(Neurodata IR183)で増幅し、 ブラウ ン管オシロスコープ

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(Universal Oual-Beam Oscilloscope VC・9:日本光電)にて観察すると共に、 MacLabを用い て解析した。

1・4. 記録電極作製

細胞外記録電極に は、 外径1.5mm、 内径O.9mmのガラス電極を使用した(成茂科学 製)。 電極は微小電極作製器(成茂科学製)により電極抵抗が2"-'6M Qなるように調整し た。 電極内には、 2M水酸化ナトリウム溶液を充填した。

1-5. 刺激電極作製, 刺激方法ならびに記録部位

刺激電極作製, 刺激方法ならびに記録部位は、 第二章第一節1・7と同様に行った。

1-6. 使用薬物ならびに調整方法

実験に用いた薬物は以下の通りであり、 それぞれ所用濃度にKrebs-Ringer液中に溶解し 還流適用した。

Methamphetamine HCl (大日本製薬) , OLふaminoふphosphonovaleric acid (APV, Sigma),

phorbor 12, 13-0L-acetate (POA, Sigma),

1・7. 実験スケジュール

メタンフヱタミン投与スケジュールは第二章第三節1-9と同様に作製した。

1・8. 統計学的処理

統計学的処理は、 第三章第一節1-11と同様に行った。

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ナ プ

ス100%

伝 達 効 率

高頻度刺激

長期増強現象(LTP)

長期抑圧現象(LTD)

時間経過

Fig.19 Concept of long-term potentiation (LTP) and long-term depression (L TD)

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2. 実験成績

2-1. テタヌス刺激により誘発されるシナプス後電位の長期増強現象

2-1-1. NMDA受容体括抗薬の影響

対照ラットおよび、メタンフェタミン休薬ラットにおける白質刺激により誘発される電場 電位(Population Spike)に対するテタヌス刺激の影響を細胞外記録により比較検討した。

Fig.20には、 線条体におけるテタヌス刺激(4 trains, 3 sec duration, 100 Hz frequency at 20 sec inteIVals)による振幅の経時的変化とテタヌス刺激前および、刺激後40分後のPopulation Spikeの典型例を示している。 対照ラットではテタヌス刺激後、 長期抑圧現象(long-term depression: LTD)が観察され、 40分後では65.7:r4.6%(nゴ)の値であった(Fig.20)。 一 方、 メタンフエタミン休薬ラットではテタヌス刺激後、 LTDの観察は認められず、 長期増 強現象(long-term potentiation: LTP)が認められ、 40分後では120.8:r 7.4% (n=5)の値で あった(Fig.20)。 次に、 メタンフエタミン休薬ラットの線条体LTP形成に対するNMDA 受容体括抗薬APV(50μM)の影響について検討した(Fig.21・A)0 APVはテタヌス刺激 30分前より潅流適用した。 APVの濯流適用時、 メタンフェタミン休薬ラットはテタヌス刺 激によりLTPは観察されず、 LTDの発現が認められ、 40分後では74.5+ 6.7% (n=5)の値 であった(Fig.21-A)。

2-1・2. Mg2+ free条件下の影響

対照ラットにおける白質刺激により誘発される電場電位(Population Spike)に対するテ タヌス刺激の影響を細胞外記録によりMg2+-free条件下で検討した(Fig.21・B)。 対照ラッ トではテタヌス刺激後、 長期抑圧現象( LTD)が観察され、 40分後では67.3:r1.5%

(n=5)の値であった。 一方、 Mg2+企ee条件下においては、 テタヌス刺激後LTDの観察は 認められず、 40分後では108.5土3.4%(n=5)の値であった(Fig.21・B)。

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