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経営管理論における人間観と組織観の変還141 請 に応え る も のと して , テ イ ラー に よ る作業 の科学 化 の方 法 で あ る 「 科学 的 管 理 」 が登場 して く る ので あ る。 ま た, 同 じよ う な状 態 にあ った フ ァヨ ール は, 管理者 教 育 の必 要 性 を 訴 え, 原 則 によ って, 人 間 の有 機的 統 合物 であ る 社 会 体を 構造 化・組 織化 し よ う と し た ので あ る。

(2) 課 題 の解 決 者 < 機械 技 師, 企業 行 政 者 >

外 部環 境 の変化 に 伴 い, 組 織 内部 で は生 産 の組 織 的合 理 性 と経 済 合 理 性 を 追 求 す る必 要 が あ っ た。 そ の 直 接 の 任 にあ た っ た の が 機 械技 師 た ちで あ っ た。 彼 ら は元 来, 工 学 的 知 識 を 用 いて , 効 率的 な生 産 工 程 づ くり に務 め て い た が,上 で述 べ た よ うな 作業 場 内 の不 熟 練工 を 無 駄 な く活 用 す ると い う, 生 産 能 率向上 に対 す る責 任 を も たさ れ るよ うに な る。 つ ま り彼 ら は コ スト概 念

と い ったよ う な会 計士 に必 要 な 能力 を 要求 さ れ たの であ る。

こうし た環 境 か ら の要請 に応 え る形 で出 て きた の が,「科 学 的管 理 」であ っ た。 技師 で もあ っ た テイ ラ ーは, 組 織的 怠 業 や労 働 運 動 と い っ た問 題 を 新 し い 制度 に よ って 解決 し よ う と し た。 彼 は,生 産 の組 織 的合 理 性 を 達 成 す る た め に人 的要 素 に 注目 し, 作 業 の科 学 化 を 実 践 し た ので あ る。 ま た, フ ァヨ ー ル も, 職能 か ら な る階 層 組 織 を 作 り, 管 理原 則 に した が って 管 理 的 職 能 を遂 行 す る行 政 者 と して の管 理 者 に生 産 性 の向上 と労 働問 題 の解 決 の任 を 与え た の であ る。

(3) 伝 統的 アプ ロ ーチ に お け る人 間 観 と組 織 観

い わゆる科 学 的管 理 が 実践 さ れ る以 前 の成 行 管理 (創 意 と 奨励 の管 理) で の作業 の執行 は職長 に よ っ て な さ れ た。 彼 ら は任免 権 とい った力 に よ って 労 働 者 を管理 し た。 し か し, 彼 の 命 令 や 計画 が 不 統一 な ため, 実 際 の作 業 能 率 は個 々の 従業員 の知 識 と主 観 的 判 断 に 依存 して い た。 こ こ で の労 働 者 つ まり 人 的 資 源 は他 の経 営 資 源 と同 一 視 さ れ, 労 働力 商品 と みな さ れて い た。 工 場 に お いて は, 会 計 や購買 や材 料 の保 管 が無 計 画, 無 秩序 に なさ れ, 組 織 立 っ て は いない。

こ れに対 して , 科 学 的 管 理 で は, 差 別 出来 高 給 制 度 と い う刺 激 的 な 経 済 的 誘 因 で, 作業 の能 率 の向上 を 図 る。 そ こで の労 働 者 は, 成 行管 理 に み ら れた 一 生 産要 素 とし て の 側面 と と もに, 労 働 条件 の決 定因 であ る賃 金 労 働 者 と し て の側面 が 強調 で きよ う。 ま た組 織 は作業 の科 学化 に より ,無 駄 と と もに人 間 か ら余 裕 や自由 裁 量 を取 り去 っ た課 業 を構 造化 し た, 機 械的 な 組 織 と な っ た。

また管理原則論 は, 構成員がなす べき役割であ る職能を階層化 することに よって, 社 会的有機体(社会体)を管 理しようとする ものである。 とくに各 職能 の中で人的資源と直接 かかわりを もつ管理的職能 が重視さ れるところか ら,こ の管理原則論 は,科学的管理の機械主義・権威主 義に対して人間主義・

機能主義 であ るという評価 も下されてい る。

2. 人間関 係論的 アプローチ

(1) 組織環境の変化<第一次世界大戦, 従業員福祉政策,労働組合運動 > 伝統的 アプロ ーチにおいて も人間的側面 へ の配慮が なさ れて はいたが,そ れが(人事 に関 する)職能や部門という形 になうて表面 にあらわれてきたの は,19 世紀 末期から第一次世界大戦(1914 年〜1918 年) にかけての時期 で あ った。 第一次大戦前の人事職能の主 たる目的 は他 の職能 と同様に生産性 の 向上 と利 潤 の獲得 にあ った。 大戦後 の好景気 とと もに人間的側面 への関心 は,人事管理部門の発展というかたちで1920 年代 に急速 に高 まっていった。

と くぶ ニO 時期強調 された(Djま従業員 福祉と安全 と健康問題゛あ った.CR よ うに労 働組合 との対立を 極力避 け るた めに, ほとんど の福祉プロ グラ ム が,従業員 の不満を取り除 くことに割 かれた。

(2) 課題 の解決者<人事管理部門, インフ ォーマ ル・リーダー>

伝統的 アプロ ーチへの反動か らか,1920 年代以 降,組織におけ る人間的側 面への関心 が高まった。 と はいうものの, 幸 福な従業員 は生産的 な従業員 であ る という考えからも分かるように, 企業 は作業条件を改善 することに よって生産性向上 に結 び付けることを目的 としていた。 こうし た高まる労働 組合運動 を通じての従業員 福祉への要求 にあ た ってい たのが,上で も述 べた よ うに人 事管理部門であ った。彼 らの主 たる職能 は,人 材の募集, 選抜,訓 練そして 作業方法の改善, さらには安全衛生問題 など であ った。1920

年代 の中頃から始 められたウェ スタ ン・土レクト リッ ク社の ホーソ ン 工場での一 連 の研究 は,人事管理分野にかなりの影響 を与え た。 この実験 は 労働者 の生 産性と物的要因 との相関関 係を 調べるために始 められたのだが,

やがて,生産 性は従業員 の感情つまり心理状態 や対人関係に左右されること が明 らか となる。 例えば, 生産制限一 組織的怠業 など は, 組織内での自然発 生的な インフォーマルな小集団 のもつ防衛機 能 の発現である。 このように組 織 メンバ ーの社会的欲求 の充足を目的 として,組 織内 に自然 発生する非公式

経営管理論における人間観と組織観の変還143 的 な小 集 団 の社 会 統 制 機能 を果 た して い る のが, イ ンフ ォ ーマ ル・リ ーダ ー で あ る。

(3) 人 間関 係 論 的 アプ ロ ーチ にお け る人 間 観 と 組 織観

人 間関 係論 は, 従業 員 が組 織内 に自然 発生 し た小 集 団 で あ る非 公 式 的組 織 にお いて, 社 会 的 欲求 を 充 足 す る とい うこ と を明 ら か に し た。 そ こ で の彼 ら の行 動 は, 公 式 的 組 織 で求 め ら れ る費 用 や能 率 の論 理 に 基 づ く 意 識的・合理 的 行動 で は な く, 感 情 の論理 に基 づ く没 論理 的 ・ 慣 習 的 行 動 で あ る と い う も ので あっ た。 こ のよ うに 人 間関 係 論 で は, 公 式 的 組 織 に 注 目 す る 伝統 的 アプ ロ ーチの合 理 的 経 済 的 人 間観 に対 し て, 非公 式 的 組 織 に 注 目 す る 社会 的人 間 観 を とって い る。 彼 らは経 済 人 で は な く社会 人 な ので あ る。 し た が って管 理 者 は,彼 ら の企業 へ の アイ デ ンテ ィ テ ィ ー(identity )一 帰 属 感 と か一 体感 と

い っ た意 味 であ るー を喚 起 す る必 要 があ る。

3. 行動科学(現代人間関係論)的アプロ ーチ

(1) 組織環境 の変化 <労 働組合運動,第二 次世界大戦 >1929

年 の大恐慌 に続 く1930 年代 は経済不況 の時代であ った。 世界中での ビジネス活動 は大幅 に減退 し, 企業 の関心 はコスト低減,不必要 な活動の排 除に向かった。 費用 がかかりす ぎるという理由で福祉プロ グラムぽかりでな く,人事部門 まで廃止 されていく。 こう七た不況下 において, 労 働組合の地 位を有利にする法案が可決す る。 ワグナー法(theWagnerAct‑1935 年)で あ る。 これは,労 働組合 の組織する権利を強化し, 使用者と の団体交渉権を 保証したものであ る。 こうして,経営者の関心 は労 使関係問題 に集中するよ うになった。

そして第二次世界大戦 が勃 発した。 戦争 は量的 に も質 的に も効率的な人力

(マ ンパワー)を必 要と した。彼らの選抜,配置,訓練のた めに産業心 理学や 行動科学 の手法や研究成果が応用さ れてい った。

(2) 課題の解決者 <人事管理部門,民主的 リーダ ー>

労働者 が組織に参加する理由 の一 つに,パ ーソナ リティの集団 内での発揮 があ る。 その目的 はマズローの欲求階層説にみるよ うな社 会的 欲求 の充足に あ る。 こうした組 織 メンバーの欲求一 目的を満 たす とともに, それを組織目 標に一致させる役割 が リーダーシップである。例えば,リーダシップの型を,

影響力の集中度 や部下 との信頼関 係の強弱, また仕事 との人間 への関心の高

低 によって分けると,高業 績を引 き出すのは,「専制型 」「独善型」「無 為無 策 型」より も,「民主型」「集団 参加型」「 チーム型」の管 理者 の方であ ることが わかった。 これに対 して,状況 に応 じて リーダーシップの型が異な るとい う コ ンティンジェ ンシー理 論に基づ くリーダーシップ論 もあ る。

(3) 行動科学的 アプロ ーチにおけ る人間観 と組織観

人間関 係論的 アプ ロ ーチに行動科学 的な色彩を加え た,この現代人間関係 論 とも呼ばれるリーダーシップ 論 は, 組織内 の集団 の行動に着目している。

すな わち,フォロワ ー(follower)としての部下 が, 管理者の リーダ ーシップ によ ってどのような行動 をとるか, そして それが集団 の生産性,集団 の凝集 性, 構成員 の満足 にど のよ うな影響 を与え るかを, リ ーダー シップ の型 に よって分類 している。 これは,民主的 なりーダーシップが職務 に満足 した従 業員 を生 み出し, より効果的 な職務業 績を上げ,生産性を向上さ せるとい う ものであ る。しかし, これに対 して は必 ずしも職務満足(人間関係)が生産 性 と結 び付 いていない とい う見解 が出 て くる。 コンテ ィン ジェ ンシー的 な リーダ ーシップ論 によれば,人 は状況 に応 じて適応の仕方を変え る複雑人で あるとい う。 伝統的 アプ ロ ーチによ れば,人間は金銭的刺激により労働へ と 駆り立て られるとい う前提 に立 うてい た。しかし, 労働者の仕事意欲を高め るには, こうした物質 的 な報酬だけで なく,非物質的あるいは精神的な報酬 も効果的であるとい うこ とを モティベー ション論 は明 らかにする。 人間 は低 次 の欲求 が満たさ れると段階的により高次の欲求を満 たすことで動機づけら れる。 したがって,能 率改善の ため には,伝統的 アプ ローチのよ うに仕 事を 細分化 したり単純化 す るのではな く, 人間の欲求を満 たす動機づけ要因 を取 り入 れることで職務 を充 実(enrichment )させ る必要 がある。こうして,人 間 は外的 な報酬を満 たすにつ れて, 内的報酬を満たす自己実現人を目指 すの であ る。

4. 現代的 アプ ロ ーチ

(1) 組織環境の変化 <第二次 世界大 戦,ME 技術, コンビコ ーダ>

第一次世界大戦時 には, 徴用 や志 願による兵隊の配 置に(産業)心理学 の 成果 が利用さ れた。 これは第二 次世 界大 戦時 も同 様で,数多くの心理 テスト が開発さ れ,兵士 の訓練 や配 置に役立 った。 その後 こ れらのテスト は産業用 として採用されるように なった。軍 事に携わる研究者 たちは一層 効率的 な武

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