第 3 章 オートフォーカス処理のロバスト性向上技術 19
3.6 むすび
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図 3.10: 実SEM画像から算出した焦点測度分布の例
用いて区分的に焦点測度を算出することにより、ノイズに対するロバスト性が 向上していると考えられる。
次に、回路パターン領域の45画像、回路パターンなし領域の23画像、計68 画像を用いて合焦位置算出成功率を評価した。結果を表3.2に示す。複数のバン ドパスフィルタを用いることにより、高周波側フィルタのみを用いた場合と比較 して成功率が60.3→95.6%に向上した。失敗した事例はいずれも画像SNRが1.5 未満、周波数成分Qは約0.01の画像であり、シミュレーション実験結果(表3.1) とも一致する。この場合、画像SNRが向上するように画像取得条件を変更(例 えば加算フレーム数を高くする)してリトライする必要がある。以上、2つのバ ンドパスフィルタを用いることで実画像において合焦位置をロバストに算出可 能となることがわかった。また、失敗事例に関してシミュレーション実験と一致 していることを確認した。
表 3.2: 合焦位置算出の成功率
# 画像種類 評価数 成功率 %
高周波側フィルタのみ フィルタ併用 1 回路パターン領域 45 84.4 100.0 2 回路パターンなし領域 23 13.0 87.0
Total 68 60.3 95.6
2. 画像からエッジを抽出するためには、高周波成分を抽出するラプラシアン フィルタや、低周波成分を抽出するガウシアンフィルタなどを組み合わせ てバンドパスフィルタを構成することが重要である。回路パターン領域と、
回路パターンなし領域の画像について周波数解析を行い、抽出すべき周波 数成分が異なることを明らかにした。
3. 周波数特性が異なる2つのバンドパスフィルタを導入し、入力画像に応じ てバンドパスフィルタを切り替える手法を提案した。提案手法は、入力画 像に対して2つのバンドパスフィルタを独立に適用し、得られた焦点測度 分布の信頼性を評価することで、2つのフィルタを切り替える。
4. 提案手法の精度評価として擬似画像を用いた評価を行った。本評価により、
先端プロセスで製造される線幅10nm、ピッチが20 nmの微細な回路パター ン領域においても、画像SNRが1.5以上あれば安定してオートフォーカス を実行可能なことを明らかにした。
5. 実デバイスのSEM画像を用いた評価を行い、複数のバンドパスフィルタ を用いることで、1つのバンドパスフィルタのみを用いた場合と比較して
成功率が60.3→95.6%に向上することを確認した。