四国は人口減少が全国に比して著しく早く、中山間地域に過疎地域が集中し、徳島県・愛媛県・
高知県の3県では県土の大半が過疎地域という状況にあります。このような状況を背景に、四国 では古くから旧道路運送法第 80 条許可又は無償運行による自家用車両を用いた運送サービスが 行われてきました。平成18年に道路運送法の制度改正が行われてからは自家用有償旅客運送の活 用事例が増加していますが、全国的に見ると NPO 法人等による福祉的取組としての移動支援の 性格が強い一方、四国では、市町村による交通空白地帯における移動手段の確保としての性格が 強いと言えます。また、少子化に伴い学校の統廃合が進んでいることから、無償混乗化したスク ールバスがここ数年で大きく増加しています。
これらの運送形態は、地域の多様なニーズに応じたサービスであり、運賃・料金設定等で柔軟 な対応が可能である、手続きが一般乗合旅客自動車運送事業に比べて複雑ではないというメリッ トがあります。
しかし、継続的な事業運営の観点からは、以下に留意する必要があります。
○既存の交通事業者との調整・役割分担について
自動車を用いて有償で他人を運送するのは、原則としてバス・タクシー事業者が担うべき であり、市町村又は NPO 等による有償運送は、バス・タクシーによることが困難であり、
地域住民の生活に必要な旅客輸送を確保するために必要と認められる場合に導入するもので す。このため、地域の交通事業者と十分な協議を経る必要があります。また、道路運送法適 用対象外となる無償運行サービスについては、本調査の結果、多くが協議会を設置していま せんでしたが、地域全体の公共交通ネットワークの維持・確保のためには、無償運行サービ スが地域特性に応じた適切な交通サービスであるかどうか、交通事業者との役割分担が果た されているかを検討する必要があり、このため、地域の交通事業者や幅広い関係者と十分に 調整することが重要です。
○利用状況や利用者ニーズの把握、事業評価について
運行を開始した後、接続する他の交通機関のダイヤ改正や学校の通学時間の変更などの環 境変化や利用者のニーズの変化が生じ、利用者が減少しているにも関わらず、その変化に気 づかず、対応ができていない場合があります。乗降調査やアンケート調査等によるモニタリ ングの実施や事業評価を行うことで、利用状況・利用者ニーズを正確に把握し、適切なルー ト・ダイヤ・車両サイズ・車両数等を検討していく必要があります。
○運行経費の確保について
無償運行サービスは言うまでもなく、自家用有償旅客運送においても、四国における市町 村運営有償運送(交通空白輸送)では約7割が30%以下の年間収支率で運行していることに 留意する必要があります。運送の対価については、実費の範囲内であること、営利を目的と しているとは認められない妥当な範囲内であること、などが求められており、「タクシー運賃
の概ね1/2」とは、運送の対価の目安として示されているものです。
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継続的な事業運営のためには、運賃が過剰に安く設定されていないか、運行費補助は十分 に確保できるか等を確認する必要があります。
○安全の確保について
今回の調査では、運転者の高齢化に加えて、担い手の減少により、運行管理等に係る各種 責任者が多くの場合1~2人で兼務されており、それぞれ別の担当を配置しているのは非常に まれな状況という結果になりました。どのような輸送形態においても輸送の安全の確保を図 ることが必要不可欠であり、これに向けた体制整備について十分に検討を行う必要がありま す。
これらの検討を経た上で、地域が自家用有償旅客運送等を有効に活用し、創意工夫をこらして 実情に応じた交通ネットワークの形成・充実に向けて取り組むことが重要です。
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参考資料①:関連法令・通達等
主な関係法令
道路運送法(昭和26年法律第183号)
道路運送法施行規則(昭和26年運輸省令第75号)
旅客自動車運送事業運輸規則(昭和31年運輸省令第44号)
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律関係
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_tk_000045.html 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律(平成 26 年法律第 41 号)
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平 成 26 年政令第 355 号)
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律施行令及び道路運送車両法施行令の一部を改正する 政令(平成 26 年政令第 356 号)
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成 26 年国土交 通省令第 87 号)
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく道路運送高度化実施計画、乗継円滑化実施 計画及び新地域旅客運送事業計画の認定に係る都道府県公安委員会の意見の聴取に関する命令の 一部を改正する命令(平成 26 年内閣府令・国土交通省令第 5 号)
地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針を変更した件(平成 26 年総務省告示・
国土交通省告示第 1 号)
自家用有償旅客運送の関係法令・通達等
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000012.html
(参考)自家用有償旅客運送制度の創設時における省令改正及び告示制定について
道路運送法施行規則等の一部を改正する省令について(平成18年9月7日公布・平成18年1 0月1日施行)
道路運送法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係告示について(平成18年9月29日公 布・施行)
道路運送法における登録又は許可を要しない運送の態様について(平成18年9月29日事務連 絡)
自家用有償旅客運送者が利用者から収受する対価の取扱いについて(平成18年国自旅第144 号)
自家用有償旅客運送自動車の運転者の要件の取扱いについて(平成19年国自旅第154号)
道路運送法施行規則第51条の16第4項の基準に適合すると認められる者が行う講習の認定要 領について(平成18年国自旅第186号)
自家用有償旅客運送自動車等の運転者に対する道路運送法施行規則第51条の16第4項の基準 に適合すると認められる者が行う講習の確実な実施に向けた取り組みについて(平成21年5月
53 21日事務連絡)
介護輸送に係る法的取扱いについて(平成18年9月)
市町村運営有償運送関係
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000012.html
市町村運営有償運送の登録に関する処理方針について(平成18年国自旅第141号)
地域公共交通会議に関する国土交通省としての考え方について(平成18年国自旅第161号)
過疎地有償運送関係
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000012.html
過疎地有償運送の登録に関する処理方針について(平成18年国自旅第142号)
運営協議会に関する国土交通省としての考え方について(平成18年国自旅第145号)
自家用有償旅客運送制度の着実な取組みに向けての対応について(平成23年国自旅第89号)
福祉有償運送関係
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000012.html
福祉有償運送の登録に関する処理方針について(平成18年国自旅第143号)
福祉有償運送に係る運営協議会における協議に当たっての留意点等について(平成21年国自旅 第35号)
福祉有償運送における運送の区域の特例的な取り扱いについて(平成21年国自旅第83号)
「福祉有償運送における運送の区域の特例的な取り扱いについて」に係る特例的な運送を行った 運送者に対する措置について(平成21年7月22日事務連絡)
自家用有償旅客運送制度の着実な取組みに向けての対応について(平成23年国自旅第89号)
福祉有償運送の対象旅客の判断に際しての知見の活用について
(平成24年老振発0731第1号、障障発0731第1号、国自旅第222号)
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参考資料②:登録申請等手続関係書類一覧
様式第1-1号
自家用有償旅客運送の登録申請書
様式第1-2号
自家用有償旅客運送の更新登録申請書
様式第1-3号
自家用有償旅客運送の変更登録申請書
様式第1-4号
自家用有償旅客運送の登録事項変更届出書
様式第2-1号
地域公共交通会議においての協議が調ったことを証する書類
様式第2-2号
協議会においての協議が調ったことを証する書類
様式第3号
運転者就任承諾書兼就任予定運転者名簿
様式第4号
運行管理の責任者 就任承諾書
様式第5号
運行管理の体制等を記載した書類
様式第6号
自家用有償旅客運送者登録証 様式第7号
登録拒否理由通知書