第 7 章 本研究 3
7.3. 量的調査による結果
7.3.1. 対象者の職場環境の特徴
分析に先だって,対象者の 3 名の教師の環境要因を明確にするため,職場環境要因の分 析を行った。以下に分析対象者の環境要因として,生徒・教師間関係 (自己効力感と学校効 力感) の結果を散布図として,また教師の協力体制の結果をグラフとして図7.1に,さらに 各教師の因子得点を表7.2に示す。図7.1の散布図は縦軸に自己効力感の主成分得点、横軸 学校効力感の主成分得点を対応させ、教師全体の得点とともに,3名の教師の得点をプロッ
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トした。また教師の協力体制に関しては因子が 1 つであったことからグラフとし,縦軸に 教師の協力体制の主成分得点を対応させ,右側に教師全体の度数を,左側に 3 名の教師の 得点をプロットした。学校1の教師Aは職場の協力体制の得点が比較的高く,特に学校効 力感が高い得点を示していた。教育課程特例校である教師 B は協力体制の得点がもっとも 高く,生徒・教師間関係は平均値に近い得点であった。僻地校の教師C は協力体制の得点 が極めて低く,自己効力感も低い得点であり,3名の教師たちは極めて異なった特徴を示し ていた。
図7.1 各教師の職場環境の特徴
表7.2 職場環境に関する各教師の因子得点
生徒・教師間関係 教師の協力体制 自己効力感 学校効力感
教師A .85 .56 1.48
教師B 1.80 -.24 -.08
教師C -1.32 -1.02 .60
7.3.2. 対象者の認知面の特徴
以下に,分析対象者の認知面として,学習者ビリーフ (学習適性と学習方略) と指導観
(構成主義的指導観と直接伝達主義的指導観) の結果を散布図で図 7.2 に,各教師の因子得
点を表7.3に示す。
教師B
教師A
教師C
102 図7.2 各教師の認知面の特徴
表7.3 認知面に関する各教師の因子得点
外国語学習者ビリーフ 指導観
学習適性 学習方略 構成主義 直接伝達
教師A -.38 .42 .87 -1.50
教師B -.66 .10 -1.82 -.49
教師C -.60 -1.13 .25 -.52
学習者ビリーフにおいては,対象者3名とも比較的平均値に近い得点を示していたが,学 校2の教師Bにやや学習適性 (英語習得に対する自信) が低い傾向が見られた。指導観におい ては,対象者の3名とも直接伝達主義的指導観は低かったものの構成主義的指導観において は違いが見られ,学校1の教師Aが最も高く,教育課程特例校である学校2の教師Bは極めて 低い得点を示していた。
7.3.3. 対象者の感情面の特徴
以下に,分析対象者の感情面として,外国語学習動機 (外発的動機と内発的動機) と国際 的志向性 (仕事志向と交流志向) の結果を散布図で図7.3に,各教師の因子得点を表7.4に 示す。
103 図7.3 対象者の感情面の特徴
表7.4 感情面に関する各教師の因子得点
外国語学習動機 国際的志向性
外発的動機 内発的動機 仕事志向 交流志向
教師A 1.01 1.17 1.28 1.73
教師B .99 .79 -.67 .27
教師C .31 1.32 .05 .42
外国語学習動機に関しては,3名の教師ともに外発的・内発的の両因子ともに高い得点を 示しており,3名とも外国語学習に対して高く動機づけられていることが示された。国際的 志向性に関しては,3名に著しい違いが見られた。教師Aは両因子ともに高く,教師Bに いては交流志向が平均的であるものの仕事志向は低く,教師C は両因ともに低い得点であ った。
7.3.4. 対象者の行動面の特徴
以下に,分析対象者の行動面として,外国語授業実践 (生徒主体実践と構造化実践) の結 果を散布図として,教師の学びの結果をグラフとして図7.4に,各教師の因子得点を表7.5 に示す。
104 図7.4 対象者の行動面の特徴
表7.5 行動面に関する各教師の因子得点 授業実践
教師の学び 生徒主体 構造化
教師A -.27 -1.45 1.67
教師B .42 1.12 .64
教師C .01 1.13 .16
3名の教師ともに,生徒主体実践においては平均点に近い得点を示していたものの,構造 化実践においては学校1の教師Aの得点が極めて低く,教育課程特例校の教師Bと僻地校 の教師Cには高い傾向が見られた。教師としての学びにおいては,学校1の教師Aが高い 得点を示しており,教育課程特例校の教師Bと僻地校の教師Cもともに平均よりも高い得 点であった。