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室温での結晶構造

ドキュメント内 学位論文 (ページ 65-71)

試料は2.5.1の固相法と2.5.2の液相法(ペチーニ法)を用いた。最終的な試料条件を統一するため

に大気中、1300 ºCで追い焼きが実施された。Fig. 6.2.1-6に室温でのBa1-xLnxFeO3-δ(Ln=ランタノイ ド, Y)のXRDパターンを示す。図は固溶カチオンのイオン半径が大きいものから順次掲載した。

Fig. 6.2.1よりBa1-xLaxFeO3-δは0.1≤x≤0.5は立方晶ペロブスカイトが主相となることが確認され た。組成によっては28 ºC付近にBaFe2O4のピークが観測された。これは焼成温度が高く試料が 分解してしまったと考えられる。このためBa1-xLaxFeO3-δは第3, 4章のとおり1200 ºCでの焼成が 望ましいと考えられる。x=0.6は立方晶が主相となるが38 ºや48 ºに新たなピークが出現した。

0.9≤x≤1.0はx=0.6で出現したピークが大きくなり斜方晶ペロブスカイトの単相となった。このた

め0.6≤x≤0.8は立方晶と斜方晶の混相と判断した。

Fig. 6.2.1 液相法、及び大気中、1300 ºC焼成で合成したBa1-xLaxFeO3-δの室温XRDパターン

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Fig. 6.2.2よりBa1-xNdxFeO3-δは0.1≤x≤0.6は立方晶ペロブスカイトの単相となることが確認され た。x=0.7は立方晶が主相となるが38 ºや48 ºに新たなピークが出現した。x=1.0はx=0.7で出現 したピークが大きくなり斜方晶ペロブスカイトの単相となった。このため0.7≤x≤0.9は立方晶と斜 方晶の混相と判断した。

Fig. 6.2.2 液相法、及び大気中、1300 ºC焼成で合成したBa1-xNdxFeO3-δの室温XRDパターン

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Fig. 6.2.3よりBa1-xSmxFeO3-δは0.1≤x≤0.4は立方晶ペロブスカイトが主相となることが確認され た。またこの領域では Sm 固容量の増加に伴いピークは高角度側にシフトした。これはイオン半 径の大きなBaサイトにイオン半径の小さいSmが固溶しモル体積が減少したためである。組成に よっては 28 ºC 付近に BaFe2O4のピークが観測された。この原因は「6.4 まとめ」で述べる。

0.5≤x≤1.0は斜方晶が主相となった。しかしながら、0.5≤x≤0.9では64 º付近に代表される通りSm

固溶量が増加してもピークの角度が変化せず、強度比のみが変化した。このため Sm 固溶量

0.4≤x≤0.9の間にミシビリティギャップがあると考えた。

Fig. 6.2.3 液相法、及び大気中、1300 ºC焼成で合成したBa1-xSmxFeO3-δの室温XRDパターン

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Fig. 6.2.4よりBa1-xEuxFeO3-δは0.1≤x≤0.4は立方晶ペロブスカイトが主相となることが確認され た。しかしながら、Sm 固溶と比較した場合、非常に多くのBaFe2O4が不純物として観測された。

0.5≤x≤0.8は斜方晶が主相となったが立方晶由来のピークも残っていた。0.8≤x≤1.0は斜方晶が主相

となり立方晶由来のピークは消滅した。ピークの角度に注目すると0.1≤x≤0.4ではEu固容量の増 加に伴いピークは高角度側にシフトした。これはイオン半径の大きなBaサイトにイオン半径の小 さいEuが固溶しモル体積が減少することに伴う当然の結果である。しかしながら、0.5≤x≤0.7で は67 º付近に代表される通りEu固溶量が増加してもピークの角度が変化しなくなった。さらに

0.5≤x≤0.9 の斜方晶由来のピークもEu固溶量の変化に対するピーク角度の変化が観測されず、強

度比のみが変化した。このためEu固溶量0.5≤x<0.9の間にミシビリティギャップがあると考えた。

Fig. 6.2.4 液相法、及び大気中、1300 ºC焼成で合成したBa1-xEuxFeO3-δの室温XRDパターン

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Fig. 6.2.5よりBa1-xGdxFeO3-δは0.1≤x≤0.3で立方晶ペロブスカイトが主相となることが確認され た。またこの領域では Gd 固容量の増加に伴いピークは高角度側にシフトした。これはイオン半 径の大きな Baサイトにイオン半径の小さい Gd が固溶しモル体積が減少したためである。x≥0.4 では指数付が困難なほどピークが分裂したため単相合成は困難と判断した。

Fig. 6.2.5 液相法、及び大気中、1300 ºC焼成で合成したBa1-xGdxFeO3-δの室温XRDパターン

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Fig. 6.2.6よりBa1-xYxFeO3-δは全ての組成で指数付が困難なほどピークが分裂したため単相合成 は困難と判断した。x=0.1の74 º付近のピーク角度に注目した場合、0.1≤x≤1.0においてY固容量 の増大に伴いピークは低角度側にシフトした。これはモル体積が増大していることを示しており、

イオン半径の大きいBa サイトによりイオン半径の小さいYが固溶することと矛盾し、Y がより 小さいFeサイトを置換したことを示唆している。

Fig. 6.2.6 液相法、及び大気中、1300 ºC焼成で合成したBa1-xYxFeO3-δの室温XRDパターン

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