第 3 章 吹付けコンクリートの材齢を考慮した曲面切羽の有効性の比較解析
3.5 まとめ
本章では吹付けコンクリートの材齢変化を考慮した直面切羽に対する曲面切羽の有効性 評価を地山等級別で検討した.得られた結果をまとめると以下のようになる.
① 地山等級 CⅡの地山の場合,変位量においてcase1に比べて case2では,切羽押出 しは直面切羽に対する曲面切羽の有効性に変化は見られなかった.天端沈下は曲面 切羽に対する直面切羽の有効性が小さくなったものの,若干の差であった.また塑性 領域においては,直面切羽に対する曲面切羽の有効性に変化は見られなかった.
よって,数値解析で地山等級CⅡにおいては,直面切羽に対する曲面切羽の有効性 の検討をする際に,吹付けコンクリートを数値一定の簡略化で設定しても大きな支 障はないと考えられる.
曲面
直面
曲面
直面 case1
case2
弾性領域 せん断破壊
引張破壊
図‐3.16 塑性領域図
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② 地山等級DⅡの地山の場合,変位量においてcase1に比べて case2では,切羽押出 し及び天端沈下では直面切羽に対する曲面切羽の有効性が小さくなった.また塑性 領域においては,塑性領域及び引張破壊領域においての直面切羽に対する曲面切羽 の有効性に差が見られた.
よって,数値解析で地山等級DⅡにおいては,直面切羽に対する曲面切羽の有効性 の検討をする際に,実施工に基づいて吹付けコンクリートの材齢対応弾性係数を考 慮した設定が望ましいと考えられる.
③ 地山等級Eの地山の場合,変位量においてcase1に比べてcase2では,切羽押出し 及び天端沈下では直面切羽に対する曲面切羽の有効性が小さくなった.また塑性領 域においては,直面切羽に対する曲面切羽の有効性が大きくなった.
よって,数値解析で地山等級 E においては,直面切羽に対する曲面切羽の有効性 の検討をする際に,実施工に基づいて吹付けコンクリートの材齢対応弾性係数を考 慮した設定が望ましいと考えられる.
以上より,直面切羽に対する曲面切羽の安定効果を検討する際,地山等級CⅡ程度の弾性 係数が大きい地山では,地山自体の自立性より,吹付けコンクリートの弾性係数の値による 地山挙動の大きな違いは見られないため,吹付けコンクリートの簡略式設定でも支障はな いと考えられる.また,地山等級DⅡ程度以下の弾性係数が小さい地山では,吹付けコンク リートの補強効果が地山挙動に大きく関係してくるため,吹付けコンクリートの材齢対応 弾性係数を考慮した設定が望ましいと考えられる.
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