1.アクティビティ#1:RSラッチ
2.アクティビティ#2:クロック付RSラッチ 3.アクティビティ#3:Dラッチ
4.アクティビティ#4:マルチプレックサー 5.アクティビティ#5:ディマルチプレックサー
第6章が終わった時点であなたは次の事が出来るようになっているはずです。
1.スケッチをして、組み立てて、RSラッチに関する議論が出来ます。
2.スケッチをして、組み立てて、クロック付RSラッチに関する議論が出来ます。
3.スケッチをして、組み立てて、Dラッチに関する議論が出来ます。
4.競合条件について理解して議論が出来ます。
5.スケッチをして、組み立てて、マルチプレックサーの動作を説明する事が出来ます。
6.スケッチをして、組み立てて、ディマルチプレックサーの動作を説明する事が出来ます。
必要な部品
第6章のアクティビティで使われる部品は次の通りです。
(1)パララックスディジタルトレーナー(PDT)
(2)2.1mm同軸パワープラグ付(中心がプラス)の9VDCパワーサプライ
(3)ワイヤ(24番ゲージのソリッドワイヤ)
(4)ワイヤストリッパー(PDTには含まれていません)
ラッチ(Latch)という言葉について
ラッチ(Latch)とは、日本語で 掛け金 の事です。 掛け金 とは戸締りに用いる金物の事 で、柱に取り付け、請壺(うけつぼ)にはめ、クギ又は錠をさしてしまりをする。(広辞苑よ り)とありま す。ロジックなど電子工学で言うラッチとは、正に掛け金と同じで一度ラッチされると(掛け金 がかかると)それを外すための信号を与えないと、そのままの状態を保つのでこのような名前が 付いています。
単純なラッチ
しばしば、その論理的状態をたとえ入力信号が外された後でも 記憶 する回路が必要な事が あります。一般的にこれはあるフィードバック機構の補助で成されます。フィードバック回路の 最も簡単な形は2つのNOTゲートから作られます。図6-1に示しました。
図6-1:最も簡単なフィードバック回路
インバーターの出力は、常にその入力の反対なので、この回路は目的を達してそのロジック状 態を維持するでしょう。しかしここに2つの問題があります:出力の状態を予測する事が出来ま せんし、この記憶回路の状態を変える事が出来ません。この回路の最大の問題は、インプットが ない事です。従って、コントロールする事が出来ません。この問題は、NOTゲートがひとつのイ ンプットしかない事から生じています。この回路の能力は NOT ゲートの代わりに違った種類の ゲートを使うことによって改善する事が出来ます。それなりの理由があります。もし2つの入力 を持ったゲートを使うなら、ひとつのインプットをフィードバック機構に使い、もうひとつのイ ンプットをコントロール用に使うことが出来ます。実際に、RSラッチはそのようなものです。
RS ラッチ
図6-2に示した回路は2つのNANDゲートを使ったRSラッチです。RSラッチ回路は、
Set とResetと 呼ばれる2つのインプットと、2つのNANDゲートと、Qと
(QとノットQ)と呼ばれる2つの出力などを含んでいます。
図6-2:NANDゲートで作ったRSラッチの回路図
この回路の機能が正しく働くためにはアクティブローの入力が必要です。 1 は押されていな い状態で、 0 はプッシュボタンが押された状態であることを思い出して下さい。PB2を押すと インプットは 0 になり、NAND Cの出力が 1 に切り替わります。この出力はNAND Dの インプットにフィードバックされます。そのためNAND Dの出力は 0 にさせられます。この
状態は PB3が押されるまで維持されます。PB3 が押されると、逆の同様な状態が起き初期の状
態に戻ります。
アクティビティ#1:RS ラッチの組み立て
PDT の電源が外されている事を初めに確認して下さい。それからPDT上に RS ラッチを組み ます。2つの出力を近くのLEDに接続して下さい。電源を供給する前に、図6-3で配線を確認し て下さい。
図6-3:NANDゲートを使ったRSラッチの実体配線図
電源を供給して2つのLEDで、Qとの出力の状態を記録して下さい。1回にひとつのボタンを 押して、アウトプットの変化を記録します。この回路はラッチと呼ばれます。なぜなら最後に押 されたボタンを記憶するからです。同じボタンを再び押しても出力の状態は変化しません。
警告:両方のボタンを同時に押す事は禁止されています。同時に押す事によってラッチ の動作が無効になります。この条件では、初めにロジック 1 にスイッチされたゲー トは、他のゲートがラッチをコントロールしている間、コントロールが出来ません。特 記:もし両方の入力が同時に 1 になったら競合が起こり、安定したひとつの状態を 回路にさせる事が不可能になります。
練習
1.あなた自身の言葉で、ラッチの機能を説明して下さい。
2.RSラッチでどんなフィードバック機構がありますか?
3.RS ラッチを描写するブール表現を書いて下さい。(ヒント:表現を作り出すとき、ラッチの 上半分と下半分に分けて考えて下さい。)
RSラッチは便利なものですが、実際に使う時はかなり制限があります。よくラッチをグループ で使う必要があります。そのような時、いつラッチの状態を変更するかコントロールする必要が あります。この機能的な追加をするために、クロック付RSラッチを作ります。
クロック付 RS ラッチ
4つのNORゲートで3番目の入力−クロックを用意します。手段としてNORゲートを使った 理由としてこの 3番目のインプットは、反転されてない入力を必要とするクロック付 RSラッチ のRとSインプットを阻止するものだからです。(これは、RとSの入力がこの3番目のインプ ットに依存すると言う事です。) クロック付RS-NORラッチ回路を図6-4に示しました。
図6-4:クロック付RSラッチの回路図
クロック付RSラッチ回路は普通のRSラッチに似ています。主な相違はNORゲートを使う事 とクロック入力がある事です。各NORゲートにクロック信号を与える事で、クロック付RSラッ チが状態を変更する間の時間をコントロールする事が出来ます。NORゲートの出力がハイ(high) になるためには、両方のインプットがロー(low)でなければなりません。与えられたこの条件で、
クロック付 RS ラッチはクロックインプットがローの時だけ、状態を変更する事が出来るという 事になります。RとSの信号はNORゲートを通るので、それらの信号は反転させられます。
アクティビティ # 2:クロック付 RS-NOR ラッチを組む
PDTの電源が外されている事を確認して下さい。それから前に作ったRSラッチ回路で使った 回路を外して下さい。そしてクロック付RSラッチをPDT上に組んでください。2つの出力は近 くのLEDに接続して下さい。電源を与える前に、配線が正しいか図6-5に示した図で、もう一度 確かめて下さい。
電源を供給して出力のQとの状態を記録して下さい。入力のプッシュボタンを押したままクロ ックインプットを、オン ―オフ(押して指を放す)させてください。それから入力ボタンから指 を離します。全ての組み合わせで確かめ、クロック付の RS ラッチがどのように働くかを良く見 て下さい。
疑問?回路は全ての入力の組み合わせで予期した通りに働きましたか?出力 Qと は どうでしたか?それらの出力は例えRとSの両方がハイでもクロック信号を与えた時、
常に反対になりましたか?答えは、ノーです。RとSの両方がハイでクロックが与えら れた時、ラッチ動作は迂回され両方の出力は論理1になります。
競合条件とは、禁止されている入力の組み合わせに対して、予期するラッチが出来ない か又は、発振するかのどちらかになる条件を言います。禁止された入力組み合わせがク リアされた時、Q又はノットQのどちらかが、新しい値で安定します。正確にどちらが どの値を取るかは未知で決まっていません。
クロック付RSラッチは普通のRSラッチから大きく進歩したものですが、まだ改良する点があ ります。例えば、ある一定の時間、クロックがハイを保っている時、入力が何回か変化したら期 待した通りに働かない結果となる事があります。改善するひとつの方法は、クロックパルスがハ イになっている時間を短くする事ですが、どの位クロックパルスを短くしたら良いのでしょう か?決めるのは大変難しい事です。クロックが影響する理想的な時間を計算する代わりに、ラッ チを瞬時にするように制限しましょう。これをするにはクロックのインプットを、ローからハイ になって動作が起きる レベル感度 を使う代わりに、変化に対して敏感(信号のエッジを使う)
な回路を使う事によって出来ます。
練習
1.RとSインプットの両方を無視するラッチのためにはクロックがどのような状態でなければ なりませんか?
2.クロック付RSラッチは普通のRSラッチよりどのような利点がありますか?
3.組み合わせロジックの定義をして下さい。
4.全てのインプットがローになっている時のクロック付RSラッチの動作を説明して下さい。
D ラッチ
図6-6に示した回路は、Dラッチと呼ばれるものです。Dラッチは、データ(D:Data)とク ロック(C:Clock)と呼ばれる2つのインプットと4つのNORゲートと、Qと と呼ばれる2 つのアウトプットから構成されています。D ラッチはクロック付RS ラッチ設計を変形する事に よって作られています。