7.2 防食対策
腐食性土壌と判断される場合には、ポリエチレンスリーブ(JWWA K
158
ダクタイル鋳鉄管用ポリエチレンス リーブ)で被覆する。表61 ポリエチレンスリーブの施工手順
手順 図 解 説
1
管を吊り上げるか、または枕木の上に載せて、挿 し口側からスリーブを挿入する。
2
スリーブの端面より500mm(呼び径500以上は 750mm)につけられた印と管端とを合致させて、
スリーブを引き延ばす。
管頂部にスリープの折りたたみ部がくるように折 りたたんで、粘着テープまたはゴムバンド1)などで
固定する。
3
受口側および挿し口側に粘着テープまたはゴム バンドを巻き、管にスリーブを固定する。
受口および挿し口側のスリーブを折り返す。
4
スリーブを傷つけないように管を吊り下ろす。
管を接合する。
5
折り返したスリーブを元に戻して、接合部にかぶ せ、ゴムバンドを巻き、スリーブを管に固定する。
6
他方のスリーブも同様に管に固定する。
(下図参照)
ワイヤロープまたはスリング スリーブ
管 スリーブ 折りたたみ部 管頂
粘着テープまたはゴムバンド
粘着テープまたはゴムバンド 折り返す
十分にたるませる
十分にたるませる(2重になっている)
7.3 マクロセル腐食
マクロセル腐食は、そのマクロセル(巨大腐食電池)を形成する因子の組み合わせと種類によりコンクリート/
土壌マクロセル、酸素濃淡(通気差)マクロセル、異種金属マクロセルなどによる腐食に区分される。これらの腐 食作用の起電力はいずれも周囲環境の差異による両者の電位の差、あるいは金属自体の電位の差である。
これらのマクロセル腐食のうちコンクリート/土壌マクロセル腐食は、その特徴から比較的短期間のうちに腐食 損傷を起こすので、設計・施工に当たり十分注意することが必要である。
(1)設計上の留意点
コンクリート/土壌マクロセル腐食は、主に(鋼面/土壌)〜(土壌/コンクリート/鉄筋)のマクロセルの電流 回路を形成するために起こるものであるから、両者を接触(導通)させなければ、この種の腐食は防止できる。
① 金属的に一体化した配管系統においては、コンクリート壁の貫通部、配管支持金具、各種の設備機器の 基礎アンカーなどがコンクリート中の鉄筋と接触(導通)する可能性があるので、設計上、接触(導通)しないよ うにするか、またはその部位を絶縁処置する。
② 建物や各機器の銅アースが埋設管と導通する場合があるので注意する。
③ コンクリート壁の貫通部では、管が鉄筋と電気的に導通状態とならないよう、ゴムなどの絶縁物を間に挟む など適切な絶縁処置をとること。ダクタイル鉄管にあっては通常の塗装を施し、土中埋設部についてはポリエ チレンスリーブで被覆する。
(2)施工管理上の留意点
① コンクリート中の鉄筋と接触(導通)する可能性のある部位は、特に注意し接触させないようにする。
② コンクリート貫通部の管は、コンクリート打設前にテスターにより鉄筋との絶縁状態を確認し、導通状態にあ れば再度絶縁措置を改善する。
③ コンクリート貫通部より約
10
mまでの土中埋設される管はポリエチレンスリーブで被覆する。④ 埋戻しに際しては管外面の塗覆装を損傷する恐れのある埋戻しは避ける。
⑤ 工事の完了している地区においては、埋設管の電位あるいは土中の電位こう配を測定し、マクロセル形成 の有無を検査する。電位が通常の自然電位よりも高い(貴な)電位になっているか、あるいは電位こう配が埋 設からコンクリート構造物の方へ向かっている場合は、マクロセルが形成されている恐れがあるので、適切な 対策を講ずることが大切である。
7.4 内面防食
ダクタイル鉄管の内面は、一般にJIS A
5314
(ダクタイル鋳鉄管モルタルライニング)に規定されたモルタルライ ニングが施される。鉄管の内面にモルタルライニングを施すと、セメント中のカルシウム分によるアルカリ性が鉄面 を不動態化して防食する効果がある。さらにはライニングにわずかな割れが生じることがあっても間げきはセメン トの石灰分により密閉されるため、防食機能を維持する。また、異形管については、 JWWA K 139(水道用ダクタイル鋳鉄管合成樹脂塗料)による塗装が一般的で あるが、 JlS G 5528(ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ樹脂粉体塗装)も使用されている。
セメントモルタルライニング管では、管内水の滞留時間が長いとpH上昇が起こる可能性があるため、pHの高 い滞留水は適切な処理後、排水処理する必要がある。