2009年10月
油球数は 1 で、発生が進んだ個体では胚体の前方に 位置していた。卵黄は粗に亀裂しており、亀裂はホ
ルマリン固定後の未発生卵(Aステージ)でも明瞭 であった。黒色素胞はBステージ始めに胚体背面、
油球胚体側に小さな樹枝状色素が出現し始め、発生 後期(Cステージ)になると、胚体背面前方では
2列、後方では列を成さずに散在した。なお、胚体頭 部に黒色素胞はほとんど出現しない。
マアジ卵巣の組織観察により、産卵中の特徴を示 す吸水卵と排卵後濾胞が同一個体で確認された。
4)卵DNA分析
決定された塩基配列にマアジ属魚類、マルアジ属 魚類、メアジ属魚類の塩基配列を加え分岐図を作成 した。全ての卵はマルアジと同一のクラスターを形 成したことからマルアジと判定した。前年度までに
0 5 10 15 20 25 30 35
5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月 1月 2月
��
佐賀関
姫島 2009年5月~2010年2月
N=77
0 20 40 60 80 100 120
5月 6月 7月 8月 9月10月11月12月1月 2月 3月 GSI
2009年5月~2010年3月
N=116
実施したマアジ卵
DNA分析の結果と併せて、外部 形態によりマアジ卵ならびにマルアジ卵を判別でき ることが明らかとなった。
3.年齢・成長調査
マサバの年齢と成長の関係ならびに最小二乗法に より算定された
Bertalanffyの関係式を図
3に示し た。また体長(尾叉長)と体重の関係を図
4に示し た。これより、満
1歳で体長
27cm、体重
273g、満
2歳で体長
33cm、体重
520g、満
3歳で体長
37.5cm、 体重
729g、満
4歳で体長
40cm、体重
885g、満
5歳 で体長
42cm、体重
992gに成長すると推定された。
図3 マサバの年齢と成長の関係
10 15 20 25 30 35 40 45
0 1 2 3 4 5 6
尾 叉 長 ( m m )
年齢
天然マサバ Bertalanffy 人工マサバ
図4 マサバの年齢と体長(尾叉長)、体重の関係
今後の課題
マサバ、マアジの移動範囲、中長期的な移動を把 握するには継続してタグ標識放流を実施し、再補報 告の精度を高める必要がある。卵稚仔調査を継続し、
マサバおよびマアジの産卵・成熟生態にかかる知見 の集積を図るとともに、産卵親魚の年齢構成を調査 していくことが望まれる。マサバに関しては瀬戸内 海における漁獲動向を把握するとともに、太平洋系 群および対馬暖流系群と比較するためのマーカーの 捜索、および地域群としの可能性について遺伝学的 手法等による検討の可否について見極めていくこと が必要である。
0 200 400 600 800 1,000
0 10 20 30 40 50
0 1 2 3 4 5
体 重 ( g )
尾 叉 長 ( c m )
年齢
尾叉長
体重
新漁業管理制度推進情報提供事業-1
漁海況予報事業
(交付金)
中里礼大・真田康広
事業の目的
伊予灘・別府湾及び豊後水道域での海況及び漁況 の変動を解析し、漁業関係者等に漁海況の予報を提 供する。併せて、浮魚を主とした漁業資源の合理的 利用を図るための基礎的知見の収集を目的とした。
事業の方法
浅海定線調査では、国東半島沖合域および別府湾 内において図
1に示した
29定点で、毎月上旬に調 査を行った。調査項目はコンパクト
CTD(アレッ ク電子社製)による底層までの
1m間隔の水温と塩 分(但し、表層についてはデジタル水温計、鶴見精 機社製電気塩分計による計測)、透明度、改良型ノ ルパックネット垂直曳き(水深
150~
0m)と丸稚 ネット水平曳き(
5分間)による卵稚仔魚の採集、
気象観測および計量魚群探知機(カイジョーソニッ ク社製
KFC-3000)による魚群分布量とした。
図1 調査地点
浅海定線調査
(ナ-セ-9線)
沿岸定線調査
(ナ-5-2線)
1 2 3
5 7 8 9
1�
11 12 13 14 16 15 17
18 19 2�
21 22 24 23 25 26 1 2827 29 3�
31
32 33 34
35 36
1 2
3
4 5
6
7 8
9
1� 11
12 13
14 15 16
17 18
19
2� 21
22
���
���
���
���
���
A B
豊後水道北部 別府湾
伊予灘
豊後水道中部
豊後水道南部
沿岸定線調査では、豊後水道海域において図
1に 示した
22定点で、毎月中旬に調査を行った。調査 項目は浅海定線調査の項目と同様である。
調査に使用した船舶は、いずれの調査も漁業調査 船「豊洋」(
75t)である。
漁獲量調査では、大分県漁協鶴見支店、米水津支 店および蒲江支店にまき網漁業の水揚げ状況報告を 周年依頼した。また、佐賀関支店についても、釣り 等による漁獲状況の報告を同様に依頼した。
事業の結果
Ⅰ 結果の公表方法
調査結果の概要は、「速報」として漁業者と関係 機関にファクシミリ及び郵送により通報した。また、
海洋観測結果は、中央水産研究所海洋生産部および 関係県試験研究機関等へ伝達した。さらに、
6ヵ月 ごとに海況とマイワシ、カタクチイワシ、ウルメイ ワシ、マアジ及びさば類の漁況の見通しを「長期漁 海況予報」として漁業者と関係機関に前記の方法で 通報した。併せて、これらの結果を当試験場のホー ムページ上で公開した。
Ⅱ 海況 1.水温
浅海定線調査:月別に調査定点平均水温の推移を 図
2に、平年偏差の評価を表
1に示した。
2009
年前期(
1~
6月)の伊予灘・別府湾では、
1月と
2月の伊予灘で「平年並み」となった他は、概 ね「やや高め」~「高め」傾向で推移した。
2009
年後期(
7~
12月 ※
8月は長期ドッグの ため欠測)は「平年並み」~「やや高め」傾向で推移し た。
沿岸定線調査:月別に調査定点平均水温の推移を 図
3に、平年偏差の評価を表
2に示した。
2009
年前期の豊後水道北部(沿岸定線
Sta.
1-9)
ドキュメント内
農林水産事業報告_目次.indd
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