医療・介護・福祉・⾏政の幅広い職種がお互いを理解 し合い、患者さんやご家族の思いを⼤切にしながら協 働していくことが重要です。
東京都板橋区などおよび都⻄北医療圏の在宅療養を⽀
える専⾨職が⼀堂に会し、「患者さんが希望する場所 で⾃分らしく過ごすことのできる仕組みづくり」のさ らなる充実のために、治療だけでなく患者さんとご家 族の社会⽣活を⽀える視点で、情報の共有と連携の重 要性について話し合います。
在宅医療を⽀える多職種連携研修会
板橋サバイバーシップ研究会 2018 アンケートへのご協⼒のお願い
• お答えいただいた結果は、よりよい 緩和ケア・療養⽀援の取り組みを普 及していくための資料にさせていた だきます。
研修会終了後、
出⼝で回収させて いただきます。
在宅医療を支える多職種連携研修会 板橋サバイバーシップ研究会 2018
在宅医療を支える多職種連携研修会 板橋サバイバ―シップ研究会 2018
ー患者さんが安心して住み慣れた地域で暮らすためにー
鈴木陽一
板橋区役所前診療所
がん患者さんのサバイバーシップに関する事例
2018年10月31日
1症例:
70
歳代女性病歴:
201x年、区内A病院にて肺がん(腺癌、stage IIIB)と診断。本人へ告知。
胸部放射線治療および化学療法3rd lineまで行ったが効果を認めず。
本人、以後のがんに対する治療を希望せず。
201x+2年、鎖骨上痛および食道通過障害にて入院。
入院後: 疼痛;オピオイドにて軽快(
NRS 0/10
)。摂食;水分のみ通過。
上部内視鏡;上部食道外よりの圧排狭窄。
胸部
CT
;縦隔リンパ節による気管気管支狭窄、食道狭窄が著明。本人同意のもと、胃瘻造設。
通院困難および独居でもあり、退院前日に当院に訪問診療の依頼。
既往症:
COPD、在宅酸素療法中
家庭環境: 夫死別し独居。
都営アパート1階に居住。
生活保護、介護認定(要支援
2
)。2
退院当日に初回往診。
・食欲不良。飲水のみ可能。
内服薬がひっかかるのが怖く、 1 錠づつ飲んでいる。
・体動時呼吸苦強く、トイレ歩行のみ行っている。
・胃瘻は使用していない。
孔周囲より胃液もれおよび少量の排膿あり。
怖くて触れないし見れないとのこと。
・気道狭窄音著明。
経過①
3
呼吸管理および疼痛管理のほか、独居である。
胃瘻のケア、排便コントロールを行うことが困難。
ー 訪問看護を依頼。
食欲不振および気道狭窄。
ー ステロイド開始。
栄養補助および通過障害対策。
ー 傾向栄養剤処方。
独居、薬局への歩行困難、医療用麻薬処方あり。
ー 訪問薬剤指導依頼。
ヘルパーは週 2 回訪問。
初診直後に訪問医が行ったこと
4 在宅医療を支える多職種連携研修会 板橋サバイバーシップ研究会 2018
食欲徐々に増加しプリンやゼリーを食す。
ヘルパーに食べやすいものを買いためてもらう。
咳も減少。
疼痛コントロールは安定。
経過②
その後疼痛乏しいものの、喘鳴・呼吸苦増強。
食欲も急速に減少。
本人、看護師へ意思を話す⇒医師へ伝達
「病院では死ぬのを待っているようで怖かった。これから また苦しくなったら嫌だけど、先生や看護師さんが何とか してくれるならまだ家に居たい」
5
経過③
悪疫質・気道狭窄対策;ステロイド増量。
胃瘻は本人と相談し、まだ使用しない。
気道狭窄対策;吸入薬使用できないと看護師より報告。
貼付薬へ変更。
呼吸苦時の処方を看護師・薬剤師・本人に確認。
薬剤師と相談し内服整理および剤型の検討。
呼吸困難感著減し安定療養。
左肩痛にてオピオイド増量。
元来の不安要素も考慮し、抗不安薬頓用処方。
6左頸部から上肢のしびれ増強(NRS2~5)。
独居かつ経口からの服薬が不安定。
胃瘻からの薬剤注入を検討。
しかし看護師・ケアマネジャーから、
本人とヘルパーによるオピオイド定期注入は難しいと。
貼付剤への変更と定期貼付のヘルパー見守りの方が容易との 提言。貼付薬は自分で実施。
疼痛 NRS1 ~ 2/10 にてコントロール。
貼布剤の交換を本人が忘れていることあり。
ケアマネジャーを介してヘルパーによる貼付剤交換確認。
在宅にて約半年、自宅にて亡くなられた。
経過④
7
1.退院前に、もう少し、それぞれができることはないか?
2.慢性呼吸不全に進行肺がんを併発した独居患者への 胃瘻造設はどのように考えたら良いだろうか?
3.包括ケアとして考えた場合、介護職や地域住民が 関われることはないだろうか?
検討してもらいたい事項
4.その他
8 在宅医療を支える多職種連携研修会 板橋サバイバーシップ研究会 2018
(公財)東京都保健医療公社豊島病院 緩和ケア内科 山田陽介
板橋サバイバーシップ研究会
ドキュメント内
板橋発 サバイバーシップ研究会 地域の在宅医療を支える多職種連携研修会
(ページ 34-37)