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ミャンマーでは3つの経済特別区の開発が計画されている。それらは、南部のダウェー経済特別区(Tanintharyi地 域)、国の西部(Rakhine州)のチャオピュー経済特別区、及びヤンゴンに近いティラワ経済特別区である。ティ ラワは外国人投資家のミャンマーへの玄関口として位置づけされている。

チャオピュー経済特別区

チャオピュー経済特別区(KP SEZ)は中国とミャンマーにより開発されているが、戦略的に中国とインドの間にある ラカイン州西部に位置している。開発プロジェクトは、深水港、工業・不動産地区及び住宅地で構成されている。

1,000ヘクタールのフェーズ1を開発するための国際入札は2014年12月に受理され、50年の事業権授与は2015年に 発表される予定である。開発計画は3段階に分かれており、それぞれ2016年、2020年、2025年に竣工予定である。

CPGコンサルタントが主導するシンガポールが本拠のコンソーシアムが、KP SEZのマスタープラン策定を受託し

ている。

ダウェー経済特別区

ダウェー経済特別区はThanintharyi 地域に位置する。タイ及びミャンマーは、2008年と2012年に工業団地と深水 港開発のための覚書を締結している。このプロジェクトは2015年までに完成する計画だが、資金不足のために延期 されている。

国際協力銀行(JBIC)、タイの周辺諸国経済開発協力機構、及びミャンマーの国家計画経済開発省が株主合意書を締 結した後、日本は2015年12月14日、ダウェー開発プロジェクトでタイとミャンマーとの本格的なパートナーとなっ た。タイ、ミャンマーと日本は、それぞれ1億6,600万米ドルを拠出しプロジェクトを運営する特別目的会社である

「Dawei SEZ Development Company Limited(DSEZ)」に対等な立場で経営参画することに合意した。

このプロジェクトには、深水港、工業団地、発電所、水道プラント、及び太平洋とインド洋を結ぶ道路が含まれて いる。ダウェーの深水港には、今後30年で100億米ドルの投資が必要とされている。

プロジェクトの第1フェーズは、27平方キロメートル(1.04平方マイル)の工業団地及びミャンマーのTanintharyi 地域の経済特別地域とタイ・カンチャナブリにあるPhunumronチェックポイントの間に建設される2車線道路(138 キロメートル)を含む。

ティラワ経済特別区

ティラワ経済特別区は、日本とミャンマーの民間及び公共セクターにより開発される。ティラワ経済特別区はヤン ゴンの郊外に位置するが、ミャンマー初の経済特別区(SEZ)で2015年に完全稼働した。ミャンマーの最大商業都市 であるヤンゴンから南東23キロメートルに位置する。ティラワ経済特別区A区フェーズ1は完了したが、同区は次 の3つのフェーズで総面積396ヘクタールにおよぶ開発がなされた。

フェーズ 1 : 211ヘクタール フェーズ 2 : 150ヘクタール 住宅・商業区 : 35ヘクタール

フェーズ1は2013年11月30日に着工し、開発プロジェクトは順次進行している。700ヘクタールが新たに追加され るティラワ経済特別区B区は土地選定と環境衛生評価調査の過程にあるが、設計は終了し2016年中旬までに竣工の 予定である。

図表 58: ミャンマーの3つの経済特別区

出所: Millcon Steel Plc. Presentation

図表 59: SEZ工業地区と経済特別の優遇措置比較

工業区域 (外国投資法) SEZ法における優遇措置

法人税インセンティブ 当初5年間免除

業務内容に応じ1年以内に再 投資される利益の最大50%軽 減

業務内容により当初5-7年間 免除

次の5年間の免除と再投資された利 益は更に次の5年間50%減税 関税 建設期間中に必要な原材料は

免除

商業生産の当初3年間輸入原 材料は免除

建設期間中に必要な原材料は免除

営業当初5年間は原材料、機械・部品 および建築材料に対し免除

土地リース 50 年; 2度更新可能(各10 年)

50 年; 25年間更新可能

出所: Solidiance Interviews and Analysis, ミャンマー投資委員会 (MIC)

上方リスク/下方リスク

業績は MJTD と TPD への投資次第

MTSHの業績は、関連会社のMJTDと子会社のTPDの事業に依存する。従って、MTSHのキャッシュフローと売上

高は主としてMJTDとTPDへの投資の実現に依存している。MTSHは主に、MJTDとTPDによる配当金、A区プロ ジェクトのマーケティング・販売による手数料、並びにMJTDに対する管理サービス提供による管理料、に頼ってい る。

主な収益源は MJTD の A 区プロジェクトのマーケティング・売却に関する手数料

MJTDのA区プロジェクトのマーケティング・売却からの手数料収益は、本質的には経常的なものではなく、A区プ ロジェクト全体のリースにより徐々に減少する。MTSHは他の不動産開発プロジェクトに投資する計画であるが、そ れには子会社のTPDを通じた住宅・商業区プロジェクトやティラワ管理委員会とのティラワ経済特別区における今後 のB区プロジェクトの開発が含まれる。そして、MTSHはティラワ経済特別地区とティラワ同特別区以外の不動産開 発プロジェクトへの投資により、長期的価値を構築し確立する計画である(MTSHの定款及び関連法で認められる範 囲内で)。

今後、工業団地間の競争は激化の可能性

ミャンマー経済の急速な自由化は、戦略的に位置する他の工業団地が内外の投資家により開発されるのを促進する可 能性が高い。将来、このような工業団地はティラワ経済特別区と競合することが考えられる。

A区プロジェクトの顧客とテナントによる支払い遅延や未払いは、合弁会社の運営に悪影響

合弁会社の収益は、主にA区プロジェクトの運営から生み出される。顧客またはテナントによる支払い遅延や未払い があった場合、合弁会社の事業、流動性、財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。

為替リスク

MTSHのMJTDとTPDへの投資と同社の売上高は米ドルで表示されている。しかし、MTSH の資産と費用の一部は チャットで表記されている。チャットは管理フロート制で運営されており、米ドルに対しチャットが上昇した場合、

チャットでの売上高減少のためMTSH の財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性がある(決算書目的で米ドルから チャットに転換する際の変換調整の結果を含む)。

ミャンマーに関するリスク

ミャンマー経済は発展途上にある。そのため同社は、不十分な通信、輸送、その他インフラ、あるいは公益事業及び その他用役不足に関連して困難に直面する可能性がある(ミャンマーにおける事業展開に伴うコスト・簡便度合いに 影響)。さらに、ミャンマーの政治的、経済的、社会的条件の重大な変化あるいは安全性や治安に影響を及ぼす事象 の存在は、ティラワ経済特別区の潜在的な顧客やテナントの魅力を損ねる可能性がある(特にミャンマーに投資する外 国投資家)。

財務諸表

損益計算書 2014/3 期 2015/3 期 2014/3 期 2015/3 期

百万チャット 百万円

手数料収入 0 2,091 0 175

手数料収入にかかる税金 0 -100 0 -8

手数料収入(税引き後) 0 1,992 0 166

販売費および一般管理費 -369 -1,445 -31 -121

EBITDA -353 614 -29 51

減価償却費 4 34 0 3

EBIT -357 580 -30 48

支払い利息 0 0 0 0

その他収益(損失 12 34 1 3

EBT(税引き前利益) -464 16,861 -39 1,408

法人税 0 -645 0 -54

為替損益 0 0 0 0

特別損益 0 0 0 0

関連会社持分損益 -111 14,347 -9 1,198

当期純利益 -464 16,217 -39 1,354

会社公表 EPS -393.36 4,165.67 -32.85 347.83

完全希薄化後 EPS -393.36 4,165.67 -32.85 347.83

中核純利益 -464 16,217 -39 1,354

中核 EPS -393.36 4,165.67 -32.85 347.83

配当 (チャット) 0 0 0 0

出所: KT ZMICO リサーチ、キャピタル・パートナーズ証券が円換算

貸借対照表 (百万チャット) 2014/3 期 2015/3 期 2014/3 期 2015/3 期

百万チャット 百万円

現金及び現金同等物 80 306 7 26

売掛金 7,184 25,122 600 2,098

棚卸資産 0 0 0 0

純有形固定資産 14,674 13,013 1,225 1,087

その他資産 0 1,000 0 84

資産合計 23,177 56,882 1,935 4,750

短期借入金 0 0 0 0

長期借入金 0 0 0 0

負債合計 11,851 2,200 990 184

払込み済み資本金 11,790 38,929 984 3,251

資本合計 11,326 54,682 946 4,566

負債合計+資本合計 23,177 56,882 1,935 4,750

出所: KT ZMICO リサーチ、キャピタル・パートナーズ証券が円換算

キャッシュフロー計算書 2014/3 期 2015/3 期 2014/3 期 2015/3 期 百万チャット 百万円

純利益 -464 16,217 -39 1,354

外国為替及びその他特別損益の調整 111 -13,702 9 -1,144

減価償却費 4 35 0 3

運転資本の増減 -1,229 -14,656 -103 -1,224

営業活動によるキャッシュフロー -1,578 -12,106 -132 -1,011

資本支出(投資・売却) -7,379 -4,852 -616 -405

その他 0 0 0 0

投資活動によるキャッシュフロー -7,379 -4,852 -616 -405

負債の調達(返済) 0 0 0 0

資本の調達 23,631 15,298 1,973 1,277

配当金の支払い額 0 0 0 0

その他 0 0 0 0

財務活動によるキャッシュフロー 23,631 15,298 1,973 1,277

現金の増減額 14,674 -1,660 1,225 -139

フリーキャッシュフロー -8,958 -17,603 -748 -1,470

1株当たりフリーキャッシュフロー -7,597.61 -4,521.88 -634 -378

出所: KT ZMICO リサーチ、キャピタル・パートナーズ証券が円換算

収益性 2014/3 期 2015/3 期

売上高伸び率(%) n.a. n.a.

EBITDA 伸び率 (%) n.a. n.a.

EPS 伸び率(%) n.a. n.a.

売上高総利益率 (%) n.a. 95.2

EBITDA マージン(%) n.a. 29.4

営業利益率 (%) n.a. 27.8

純利益率(%) n.a. 775.5

中核純利益率 (%) n.a. 775.5

実効税率 (%) n.a. -3.8

出所: KT ZMICO リサーチ

Anti-Corruption(腐敗防止進捗を示す指標)

KT ZMICO 調査 ・評価判断の定義

 レベル 1(確約):会社の声明又は取締役会の決議により、腐敗防止に取り組み、関連する全ての 法律に準拠している。

 レベル 2(宣言):タイの民間組織である腐敗防止共同行動連合(CAC)又は同等な組織に参加して いるという公式宣言がなされている。

 レベル 3(確立):防止措置、リスクアセスメント、コミュニケーション及び全従業員に対する研修に ついて、公開している。(継続的モニタリング及び審査プロセスを含む)

 レベル 4(認定):監査委員会、又は証券取引委員会(SEC)により認定を受けた監査役による監査 契約、及び独立した外部の保証提供者(CAC 等)により、認定又は許可を受けている。

 レベル 5(展開):腐敗防止方針を供給網における取引先にまで展開しており、現在行われている 調査、訴訟及び解決済みの事例についても開示している。

 指針が不十分若しくは明確に規定されていない。

 データなし/措置なし。

注:

 KT ZMICO 証券は KTB(貸付金や総資産でバンコク銀行と並びタイ王国内で商業銀行として最上位に 位置するクルン・タイ銀行)と ZMICO(Seamico 証券)との間のパートナーシップです。

 KT ZMICO 証券の役員は BCP、BTC、CI、CPI、KBS、MAJOR、MK、PACE、PSL、SVH、VNG、ZMICO、

SAWAD、TFG の取締役会メンバーでもあります。

 KT ZMICO 証券の幹部は BTC と NFC の取締役会メンバーでもあります。

 KT ZMICO 証券は U, LOXLEY, ZMICO, MAKRO, CPALL, SAFARI, PACE, PLE, TPOLY のフィナンシャル・

アドバイザーを務めています。

 KT ZMICO 証券は TPBI の共同引受会社です。

銘柄推奨

買い:今後 12 ヶ月間におけるトータルリターンが+

15%以上であると予想する場合。

アウトパフォーム:トータルリターンが-10%から+

15%の間で、特定の材料(カタリスト)により、今後 6 ヶ月間におけるトータルリターンが市場リターンを 上回ると予想する場合。

アンダーパフォーム:トータルリターンが-10%から

+15%の間で、特定の材料(カタリスト)により今後 6 ヶ月間におけるトータルリターンが市場リターンを 下回ると予想する場合。

売り:今後 12 ヶ月間におけるトータルリターンが-

10%以下であると予想する場合。

セクター推奨

オーバーウエイト:今後12 ヵ月において、関 連する主要市場指数との比較で、当該セク ターのパフォーマンスが少なくとも 10%上回 るとアナリストが予想する場合。

ニュートラル:今後 12 ヵ月において、関連す る主要市場指数との比較で、当該セクター のパフォーマンスが同程度とアナリストが 予想する場合。

アンダーウエイト:今後12ヵ月において、関 連主要市場指数との比較で、当該セクター のパフォーマンスが10%下回るとアナリスト が予想する場合。

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