2 平成6年改正法附則第6条による請求
昭和36年4月1日~昭和61年3月31日の間に初診日がある障害については、支給要件が 現在とは異なっていたため、年金制度に障害年金が支給されないといったケースがありました。
例えば次の図のように、「6月以上加入」要件を満たしていなかったような場合です。
【例】
これが平成6年法改正により、当時の支給要件に該当しないため障害年金を受けたことがな く、初診日に公的年金制度に加入していた方が、平成6年11月9日以後65歳になるまでにそ の傷病で障害等級の1級又は2級に該当する状態になり、3分の2の保険料納付要件を満たし ている場合は、請求により障害基礎年金が支給されることになりました。
◆ 注意
・直近1年要件は使えません。
・本人の所得制限があります。(20歳前障害による障害基礎年金と同様のもの)
・請求書の受付日が受給権発生日となり、支給開始は請求日の翌月からとなります。
・初診日が平成3年 5月 1日前にある場合は、「月の前々月」を「月前における直近の基準 月の前月」に読み替える規定はありません。
・20歳前に初診日があり、初診時における厚生年金保険法の納付要件を満たしていない場合 は、国民年金法の20歳前障害となります。
3 受付日(受給権発生日)と時効
年金請求を行う時期は非常に重要となります。もらえる金額に差が生じることがあるためで す。わずか数日請求が遅れただけで、もらえる年金が 10 万円変わることもあります。請求時 期によってもらえる金額が変わるケースを確実に把握することが重要となります。注意が必要 となる2つのケースを確認しておきます。
① 障害認定日請求で、5年の時効が生じる場合
障害年金は、遡及する請求も少なくありません。時効が5年となっているため、原則として 5年以上前の分は受給することができず、もらえる年金は最大5年間分となります。このため、
5年以上遡る請求であれば、できるだけ早く請求をする必要があります。
【具体例】
② 事後重症請求、初めて2級による請求の場合
受給権発生が請求日となるため、実際に受給できるのは請求を行った翌月分からとなるため、
次の図のように、請求日が1日違うだけで1ヶ月分の年金額が変わってくるケースがあります。
4 初診日が65歳以上の厚生年金加入期間中の場合
初診日が65歳以上の厚生年金加入期間中である場合は、次の取り扱いとなります。
○認定日請求のみが可能であり、事後重症請求はできません。
○納付要件について、直近1年要件はつかえません。
○老齢基礎年金等の受給権を取得している場合は、65歳以降の厚生年金被保険者期間は国民年 金第2号被保険者とはされません。このため、
・納付要件の計算の基礎となる国民年金被保険者期間は、65歳到達月の前月までの被保険 者期間となります。
・障害等級が 1・2 級に該当しても、障害厚生年金のみの決定となり、障害基礎年金は支 給されません
6 裁定請求前後の死亡の場合
◆ 請求の前に死亡した場合
死亡した場合であっても、未支給年金を請求することができる親族がいれば障害年金の請求 は可能です。障害給付年金請求書とともに、未支給年金請求書を年金事務所等に提出します。
なお、この場合「認定日請求」を行うことになり、裁定請求の前に死亡しているため「事後重 症請求」はできません。支給決定された場合に受給できる年金は、障害認定日から死亡までの 期間分となります。遺族年金の短期要件を満たすために請求を行うというようなケースもあり ます。
◆ 請求の後に死亡した場合
裁定請求を行った後に死亡した場合は、未支給年金を受けることのできる遺族がいる場合は、
未支給年金の請求を行います。該当の遺族が誰もいない場合は、審査等が打ち切られ、決定は されません。
7 障害等級3級14号について
障害等級3級14号の障害厚生年金は、「傷病が治っていないもの」であって、障害の程度が 障害手当金相当(労働が制限を受けるかまたは労働に制限を加えることを必要とする程度)で あるものに支払われることになっています。
このため、「傷病が治っていない」として3級14号と認定されたものについては原則として 毎年経過観察が行われ、傷病が治ったか、または症状が固定した場合は、障害の程度に変化が なくても、支給停止となります。
8 有期年数(次回診断書提出年)について
障害認定時には、障害状態に応じて最短1年~最長5年の有期、又は永久固定の設定がされ ます。次の内容等が考慮されて決定されます。
・発病年月日や初診年月日からの経過年数
・受給権発生年月日からの経過年数
・傷病の持つ性質・特性
・治療による改善の見込み
・診断書の記載内容
・年齢
個々の状態に応じて異なりますが、状態の変動が見込まれる場合や、1年6ヶ月以内に症状 固定とされた場合、等級変更が行われた場合等は短い有期年数となることが多くなっています。
永久認定については、概ね65歳以上の診査時が目安となっていますが、65歳未満であって も、障害の程度にもよりますが、次の傷病等は永久固定となることが見込まれます。
・無眼球症
・咽頭全摘出
・欠損障害
・短縮障害
・知的障害
・脳性麻痺
・脳血管障害
・糖尿病性網膜症
◆ 人工透析を行っている場合
腎移植の可能性もあり、原則として5年の有期となります。ただし、70以上で引き続き人工 透析を行っている場合は永久認定となります。
腎移植を行った場合は、予後観察期間を2年とし、移植後少なくとも1年は従前等級(2級)
とされます。いったん決定された5年の有期はそのまま有効であるため、5年の有期が決定さ れた直後に腎移植を行った場合は、次の認定までの5年間障害年金が支給されることになりま す。