次掲の拡大版整理表を参照.
2012/11/29 40
A:その他の意見
総務省
/実効性確保検討会
2012/11/292012/11/29 41
間接行政強制制度の効用と限界
【効用】
①行政規制違反行為の「自主的是正」を実現しうる実効性.
②代執行に比べ低コストで機動的な発動が可能.
③非代替的作為義務・不作為義務に対する有力な強制手段.
④相手方の自主性を尊重した,より穏やかな,国民経済的に も合理的な違反是正(ex. 最適な基準適合改修)が可能.
【限界】
①相手方違反者が不明の場合
②相手方義務者が無資力などの場合
個別法上の略式代執行(:公告により戒告)
代償強制拘留制度などで補完する必要.
社会奉仕命令も ? 義務者自身による!
本報告関連参考文献-1
◇ 西津政信『間接行政強制制度の研究』(信山社 出版,2006)
42
※ 本報告の関連部分抜粋の コピーを参考に配布.
2012/11/29
本報告関連参考文献-2
43
◇ 西津政信『行政規制執行改革論』(信山社出版,
2012)
※ 直接行政強制などに関する 報告者の近年の発表論文を集成.
⇒本書第一章(「日本国憲法は,
行政強制消極主義を容認する か?」)に報告者の問題認識を 集約.
2012/11/29 2012/11/29 44
ご静聴ありがとうございました。
論点2(4) 戦後の改革議論の流れ
○戦後、行政執行法が廃止され、代執行のみが一般制度として存続した経緯について、しばし ば、「戦前の権限濫用、人権抑圧に対する反省」と説明されるが、強制手段ごとに分けてより 詳しく見れば、以下のように評価・継承されたと言えるのではないか。
(1)一般的な制度として継承 : ①行政代執行法 : 代執行
②警職法 : 保護、立入、土地等の使用制限等
(2)個別法に継承 : 間接強制、直接強制
(3)廃止 : 予防検束、直接強制(演説中止、集会解散等)
○「行政上の強制執行手段の拡充が必要」との見解は戦後早い時期に存在したが、その後沈 滞したのは、行政代執行法や警職法、個別法での対応や、行政スタイルそのものの変革によ り、強制執行以外のソフトかつ効果的な手法(行政指導等)の進展によって、実務上の必要が 満たされたためではないか。
○すなわち、戦後の改革の意義は、行政上の強制執行の必要性は認めつつ、一般法主義から 個別法主義へシフトしたものと見るべきではないか。
【参考】関連する学説
○塩野宏 ジュリスト増刊「行政強制」 昭和52年
(戦前から戦後の法制度の変化を述べた上で)
ここには、制度的にみて、たしかに、明治憲法のそれと比較した場合の変革がみられる。しかし、それは、なお、
量的なものであるといえるように思われる。すなわち、適用範囲は縮小されたとはいえ、なお、行政強制のカテゴ リーは残されており、その内部では、行政機関の自力救済のシステムが、貫徹している。(中略)いいかえれば、
人権保障の理念に、行政強制の範囲の縮小でこたえたのが、現行制度であるといえよう。
○柳瀬良幹「行政強制」『行政法講座 第二巻 行政法の基礎理論』P210、1964年
直接強制を行う必要のある事態は依然としてあり得るのである以上、その濫用の防止は別にその方法を考えるべ きで、濫用を慮るがために直接強制そのものを行い得なくするのは、所詮羹に懲りて膾を吹くものと評しなければ ならぬ。(中略)要するに、これらの不都合は、すべて立法者が、実際上その必要のあることが明かであるに拘 らず、それを顧みずに直接強制の規定を廃止し、自由の尊重を装ったところにその原因があるので、今後の立法に 依って解決せられなければならぬ問題である。
○田中二郎「行政法(Ⅰ)新法律学演習講座」P185、1961年
現行制度下においては、一般的に、行政法上の義務の履行を強制する手段としては、代執行のみより認められな いことになる。つまり代執行を適用しえない義務については、特別法に特別の執行手段を認めていない限り、強制 的にそれを実現せしめる手段がないというのが現状である。これは、行政法上の下命権をもつ行政主体の立場より すれば著しく不便であり、また論理的に考えても、適法有効に成立した行政法上の義務について、これが履行され ない場合においても、行政主体としてこれを放置せざるをえない場合のあることを認めることになり、首尾不徹底 の感をいだかせる点がないわけでもない。しかし、従来国家公益のためと称して、人民の正当な権利が不当に侵害 されたことに鑑みても、従来の一般的行政強制の原則(略)の上に立つ制度は十分に批判反省されるべき理由が あった。また、義務の内容如何によっては、強制執行の方法が存在しないことは、一般に強制執行制度に伴う制約 であって、格別この場合だけの現象ではない。むしろ、(略)日本国憲法の建前よりすれば、行政上の義務の履行 の担保は、原則として、違反に対する事後的制裁(行政罰)にまつべきであり、それ以上に出て、義務者の身体・
財産に実力を加えて義務を実現することは、(略)必要最小限度に抑え、人権を侵害しない程度に止めるべきは当
然であると考えられる。
行政上の義務の実効性確保に関する制度の変遷(未定稿) 【参考】第2回資料3
⼀般制度 個別法 刑事・⺠事 その他
ドキュメント内
Microsoft Word - 01 議事次第.docx
(ページ 34-39)