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これで最後やで

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第 3 章 数式を使いこなしてみまっせ 13

3.6 これで最後やで

3.6.1 行列

そろそろ,みなさんお疲れになってきた頃でしょうか? 数式入力の解説も残り少しですから,最 後まで頑張ってください.最後は,行列と場合分けの表示方法について説明をしますが,まずは 行列から始めましょう.

行列を表示させるための入力方法には何通りかあるのですが,ここでは一番汎用性が高くかつ 簡単と思われる方法を扱うことにします.ここで扱うのは,\matrixというコマンドです.その まんまのネーミングですね.実際にどのように使うかについては,次の入力例を参考にしてみま

しょう.

$$ A = \left(

\matrix{

x_1 & x_2 & x_3 \cr y_1 & y_2 & y_3 \cr z_1 & z_2 & z_3 \cr }

\right) $$

と入力すると,

A=

x1 x2 x3 y1 y2 y3 z1 z2 z3

のようなきれいな行列が表示されます.では,入力例を詳しく見てみることにしましょう.

まず,$$で数式環境を始めます.次に行列名Aを入力し,行列を囲む括弧を入れます.\matrix は,要素を並べるだけで括弧は表示してくれないので,括弧は忘れずに入力してください.その

とき,\left,\rightも忘れずに入力しないと,えらい目に遭いますからね.それぞれの要素は

&で区切り,行の最後には改行を指示する\crを書いてください.このとき,「改行だから」といっ て\\を入力してしまわないように気をつけてく下さい.最後に,括弧を閉じて$$で数式環境を終 えれば行列は出来上がりです.括弧の種類は自由に選べますし,「|」にすれば行列式も書けます.

行列の書き方は,要領を掴むまでにちょっと時間がかかるかも知れませんが,慣れてしまえばそ のうち何行何列の行列だってすらすら書けるようになりますし,行列の入力方法は後で勉強する 表の書き方とも共通している点が多いので,早い段階で習得しておくと便利です.

3.6.2 場合分け

場合分けを記述する機会はそれほど多くないかも知れませんが,それでもクロネッカーのデル タや完全反対称テンソルijkなどの説明をする際には場合分け表示が必要ですよね.数式入力の 勉強のラストは,場合分けを記述するための入力方法です.

場合分けの入力には,\casesというコマンドを使用します.入力例は以下の通りです.

$$ \delta_{ij} = \cases{

1 & ($i=j$のとき) \cr 0 & ($i\neq j$のとき) \cr

}$$

このように入力すると,

δij =

1 (i=jのとき) 0 (i=jのとき)

と,場合分けの表示が出力されます.では,入力方法について説明しましょう.基本的には,行列 のところで使った\matrixの入力方法によく似ています.というか,ほとんど同じですよね.で すから,見てもらうだけでだいたいの入力のルールは分かってもらえるのではないかと思います.

ところで,ここまでLATEXでの数式入力を学んできたみなさんなら,上の入力例を見てどこか 疑問に感じませんか.どこか,これまでの説明と矛盾しているとも思えるようなことをしてませ んか.「数式環境の中で日本語を書くのに,\mboxを使ってへん.」と答えた方は,かなりLATEX マスターしてきてますね.その通り,入力例をみると,前後が$$で囲まれて数式環境になってい るのに「($i=j$のとき)」などの部分が\mboxコマンドを使わずに書かれてますよね.実は,これ は\casesコマンドの特徴によるものなのです.\casesでは,1列目の要素は数式環境として,2 列目の要素は本文環境としてそれぞれ扱われます.そのため,全体が数式環境の中にあっても,2 列目の要素の入力に際しては\mboxを使わなくても大丈夫なのです.その代わり,「本文環境とし て扱われる」ために,数式を書くときは改めて$で囲まないといけないのです.この点については,

よく忘れてしまって数式書体でないまま表示してしまったりしやすいので気をつけてください.

さて,これで数式入力の勉強はひとまず終りです.ここまでの内容をしっかり習得すれば,物 理で必要なほとんどの数式の表記はできるはずです.これより高度な表示は,よほどのことがな い限り必要が生じないとは思いますが,もしこれまでの内容だけでは対処できないときは,市販 のテキストを見て下さい.また,記号入力のコマンドについては本テキストではごく一部しか掲 載していませんので,他の記号を入力する際にも市販テキストを参考にしてください.

章末問題 (解答は巻末)

以下のような出力の得られる原稿ファイルを作成せよ.

(1)電荷密度をρ,電流密度ベクトルをjとした場合,Maxwell方程式は,次のように表される.

∇ ·E = 1 ε0ρ

∇ ×E+ B

∂ t = 0

∇ ·B = 0

∇ ×B−∂E

∂ t = 1

εj (2) 点aで連続な任意の関数f(x)に対して,

−∞f(x)δ(x−a)dx=f(a) を満たす関数を「デルタ関数」という.

(3) Pauliのスピン行列,

σ1 =

0 1 1 0

, σ2=

0 −i

i 0

, σ3=

1 0 0 1

は,以下の式を満たす.

σi 2 , σj

2

=ijkσk 2

*太字ベクトルの入力については,\begin{document}の前に,\def\Vec#1{\mbox{\boldmath $#1$}}

と書いておけば,$\Vec{B}$と入力することで「B」と表示させることができます(これがオリジ ナルコマンドの定義なのであるが,詳しい説明は別の章で).

*「·」は,コマンド\cdotを使用する.

*(1)のMaxwell方程式の表示で,第2式から第4式にかけての表示のバランスが悪い点について 気になる人もいるかもしれません.これをバランス良い配置に直すことは可能なのですが,技術 的に高度になるのでここでは目を伏せておくことにしましょう.

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