5 -1 は じ め に
第 5 章で は 、 こ くベジ プ ロ ジ ェ ク ト に 関わる 農家と飲 ⾷ 店の 参 加 の 要因や登 録 前後 で の変化 を明ら か に す る た め 、 こ くベジ便に出 荷す る 農家と こ くベジ メ ニ ュー を提供 す る飲 ⾷ 店を 対 象 に2つ のアンケー ト 調 査 を⾏ った 。
アンケー ト 調 査 の質問 項⽬ は 、既 往 研 究で あ る武⽥ ら( 2005)、柴⽥ ら(2010)、
⽥ 中 ら( 2016)で の質問 項⽬ と 、第3 章、第 4 章で の 調 査結 果を 考慮し て設計 し た 。
42
5 -2 農 家 の 参 加 要 因 と 登 録 前 後 で の 変 化
こ くベジ便に 農 産 物 を出 荷す る 農家の 参 加 要因と 参 加 後 の変化 に つ い て明 ら か に す る こ と を ⽬ 的 に 、 こ くベジ便に 農 産 物 を出 荷す る全 11 軒の 農家に 対 しアンケー ト 調 査 を⾏ った 。 調 査 の概要 と結 果を 以下に 述 べ る 。
5 -2 -1 調 査 の 概 要
アンケー ト 調 査 の概要 を 以下に⽰す (表 5-1)。 なお、「 そ の他」 や⾃由 記述 で の明ら か な誤 字は修 正し て記載し た 。
表 5-1 農家へ のアンケー ト 調 査 の概要
調査方法 アンケート調査
調査対象 こくベジ便に出荷している全農家(11軒)
調査項目
農産物の出荷先、こくベジ便参加後の変化、
こくベジ便出荷時のコミュニケーション、
こくベジ便を利用する理由 配布回収 郵送配布郵送回収
回答率 回答7、有効回答6(有効回答率55%)
実施日 2019年11月
調査③
43
5 -2 -2 調 査 の 結 果
こ くベジ便 出 荷農家に 対 し て⾏ ったアンケー ト の結 果か ら 、回 答者 の属性、
農 産 物 の出 荷先 、 こ くベジ便 出 荷 時のコ ミ ュ ニ ケーシ ョン 、 こ くベジ便参 加 後 の変化 、 こ くベジ便を利⽤ す る 理由、 に つ い て 以下に 述 べ る 。
1 ) 回 答 者 の 属 性
調 査 の結 果、7軒の 農家か ら回 答を得た( うち 1軒 無 効回 答)。有効回 答率は 55%で あ る 。回 答者 の属性を 以下に⽰す (表 5-2)。
こ くベジ便に 参 加 し て い る 農家は 、国 分 寺市全体 の 農家と⽐ 較し て2、主業 農 家の割 合が⾼い 。 ま た 、 農 地⾯積は 3軒が 1.0ha 以 上 で あ り 、 市 内 で は⽐ 較的
⼤規 模な 農家が 参 加 し て い る こ と がわか る 。
表 5-2 回 答者 の属性
2 第三 次国 分 寺市 農 業振 興計画の統 計と の⽐ 較
農家名 性別 年齢 農業 就労年数
こくベジ便
利用開始年 農家分類 農地面積 栽培品種数 農家A 男 30 7 2018年4月 主業農家 1.0〜2.0ha 約40 農家B 男 47 23 2015年3月 主業農家 1.0〜2.0ha 100?
農家C 男 74 25 無回答 準主業農家 0.5〜1.0ha 70 農家D 男 64 44 2019年6月 準主業農家 0.5〜1.0ha 2 農家E 男 30 8 2015年3月 主業農家 2.0ha以上 約100
農家F 男 53 11 2015年3月 主業農家 0.5〜1.0ha 30〜50 後継者を確保する見通しが立っていない 後継者
今は後継者はいないが見通しは立っている 既に後継者がいる
既に後継者がいる
後継者を確保する見通しが立っていない 既に後継者がいる
44 2 ) 農 産 物 の 出 荷 先
農 産 物 の出 荷先 と 、 そ れぞれ が全体 の出 荷量 に占め る割 合を 以下に⽰す (図 5-1)。 農家 D は無 効回 答だった 。 いずれ の 農家も JA へ の出 荷 割 合は低く 、 直売 所な ど が 中⼼だった 。 ま た 、3つ 以 上 の出 荷先 を 持っており 、 農家 Eと 農家 Fは7つ の出 荷先 に 農 産 物 を卸し て い た 。「 そ の他」 の うち 具体 的 な出 荷 先 が回 答さ れ て い た も の は 、 農家 A の 「集 荷に 来 る他の 業 者 」、 農家 Fの 「 ⽣ 協 」 で あった 。 こ くベジ便が全体 の出 荷量 に占め る割 合は いずれ も 5〜10%
で 、他の出 荷先 と⽐ 較し て 少 な い割 合で あった 。複数の出 荷先 へ 農 産 物 を卸し て い る こ と か ら 、JA 等 へ ⼤ 部分を出 荷す る 地 ⽅ 部 の 農家と⽐べ て 、 都 市 農家 は出 荷 作業 に ⼤ き な時間を割い て い る こ と が 考 え ら れ る 。
ま た 、 そ れぞれ の出 荷先 へ の販 売額が 農 業収⼊全体 に占め る割 合に つ い て も 質問し た 。回 答を 以下に⽰す (図 5-2)。 農家 Dは無 効回 答だった 。 農家 E 以外は 、出 荷量 に占め る割 合と 農 業収⼊に占め る割 合は同じだった 。 農家 E は 、飲 ⾷ 店と の 直接契 約が出 荷量 と⽐ 較し て収⼊に占め る割 合が⾼く 、個⼈直 売 所が出 荷量 と⽐ 較し て収⼊に占め る割 合が低かった 。
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図 5-1 農 産 物 の出 荷先 が全体 の出 荷量 に占め る割 合
図 5-2 農 産 物 の出 荷先 が 農 業収⼊に占め る割 合
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
農家A
農家B
農家C
農家E
農家F
こくベジ便 飲食店との直接契約
個人直売所 共同直売所(エマリコくにたち)
JA スーパー
学校給食 その他
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
農家A
農家B
農家C
農家E
農家F
こくベジ便 飲食店との直接契約
個人直売所 共同直売所(エマリコくにたち)
JA スーパー
学校給食 その他
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3 ) こ く ベ ジ 便 出 荷 時 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
こ くベジ便を出 荷す る際に 、 こ くベジ便 配 達 ⼈と や り 取 り し て い る 内容と頻 度を 以下に⽰す (図 5-3)。「 そ の他」 は 「飲 ⾷ 店や そ のお客様 の反 応な ど情 報共有し て い る 。(頻度 :頻 繁に す る )」、「 今 後 の こ くベジ の 取 組 み に つ い て 協 議し て い る 。(頻度 :回 答な し )」 だった 。全て の 農家が 、 イベン ト開催な ど こ くベジ の情 報に つ い て聞い て い た 。作 って欲し い野 菜な ど の ⽣ 産 の 要望や 、野 菜の 感想に つ い て は全く会話し た こ と の な い 農家が2軒あった 。
回 答を 農家ごと に個 別に⾒る と (表 5-3)、 農家によ ってコ ミ ュ ニ ケーシ ョン の頻度は異な る こ と がわか る 。 農家 B は 様々な 内容の会話を頻 繁に⾏
い 、 さ ら に飲 ⾷ 店の反 応を聞く な ど し てニーズ 把 握を⾏なって い た が 、 農家 E は こ くベジ に 関 す る情 報を聞く 以外は全く会話を し て い な かった 。 ⼀ ⽅ で ど の 農家も 共 通 し て こ くベジ に 関 す る情 報は聞い ており 、配 達 ⼈が農家に 対 し て情 報共有を⾏なって い る こ と がわか る 。
47
図 5-3 こ くベジ便 出 荷 時のコ ミ ュ ニ ケーシ ョン
表 5-3 こ くベジ便 出 荷 時のコ ミ ュ ニ ケーシ ョン (個 別)
1 1 1
2 2 0
1
2 2 1
1 1 2
3
2 2 3
3 3 4
1
1 1 1
0 0 0 1
0% 100%
野菜のこだわりを伝えている 野菜の調理の仕方を伝えている 生産状況(旬の野菜や多く取れた野菜など)について伝えている 野菜の感想を聞いている 作って欲しい野菜など、野菜の生産について要望を聞いている こくベジの情報(イベント開催など)を聞いている 野菜とは直接関係のない雑談をしている
全くない 数回したことがある たまにする 頻繁にする
農家名 野菜のこだわりを伝えている 野菜の調理の仕方を伝えている 野菜の生産状況を伝えている 野菜の感想を聞いている 生産の要望を聞いている こくベジに関する情報を聞いて
いる
雑談をしている その他
農家A
1 1 1 0 0 1 1
農家B
3 3 3 2 2 2 3
飲食店やそのお客様の反応など情報共有している。頻度3
農家C
2 2 2 2 2 2 1
農家D
2 2 2 2 2 2 2
農家E
0 0 0 0 0 1 0
農家F
1 1 2 1 1 2 1
今後のこくベジの取組みについて協議している
48 4 ) こ く ベ ジ 便 参 加 後 の 変 化
こ くベジ便参 加 後 の変化 を 以下に⽰す(表 5-4)。「 こ くベジ便へ の出 荷量」
は 、3軒の 農家が増加傾向に あ る と回 答し た 。 理由と し て 、 こ くベジ を扱う店 舗や イベン ト が 年々 増え て い る こ と や 、出 荷先 の変 更が挙げら れ て い た 。「 ⽣ 産 量 」 は 、飲 ⾷ 店のニーズに応え る た め増加 し た 農家も あった ⼀ ⽅ で 、労働⼒や
⼈数の限界か ら こ れ 以 上増や す こ と は難し い 農家も2軒あった 。「栽 培品 種 」は 、 農家 B の み積 極的 に飲 ⾷ 店と情 報 交換す る こ と でニーズを把 握し増や し て い た 。「収 益」は 、新 た に こ くベジ便の収 益が 加わ った た め増え た と回 答し た 農家 が い た ⼀ ⽅ で 、 こ くベジ便以外の出 荷量 を減ら し た た め全体 で は変 わら な い 農 家も あった 。「飲 ⾷ 店と の つ な が り 」は 、圃場の⾒学を受け⼊れ た り 直接店 舗へ
⾜を運ぶな ど積 極的 に交流 し て い る 農家が あ る ⼀ ⽅ 、出 荷先 を変 更し た こ と で 減 った と回 答し た 農家も あった 。「他の 農家と の つ な が り 」は 、こ くベジ が注⽬
さ れ る こ と で他地 域 の 農家と も つ な が れ た と回 答し た 農家が い た ⼀ ⽅ で 、 地 域 内 で の つ な が り は JA や 直売会で 従 来 か ら あ り 、変 わら な い と回 答し た 農家も い た 。
こ くベジ便 出 荷 時のコ ミ ュ ニ ケーシ ョン の回 答(表 5-3) と⽐ 較す る と 、 こ くベジ便 配 達 ⼈と積 極的 に情 報 交換し た り 、 直接飲 ⾷ 店に⾜を運び ニーズを 把 握し て い る 農家は 、 農 業 経 営 に も好 影 響が あ る こ と がわか る 。
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表 5-4 こ くベジ便参 加 後 の変化
農家名農家A
農家B
農家C
農家D
農家E
農家F 増加傾向→御直接契約していた飲食店をこくベジ便へ移したため 変わらない→これまで他の販路で販売していたものをこくベジにシフトしたので 変わらない→他との出荷もあるので 変わらない→人数(労働)が変わらないので 変わらない→今までも多品目で同じ様な形態だった 変わらない→ほとんど国ベジの分。他のレストラン等を減らした 減った→都内のレストランなどが減ったかも 変わらない→組合員同士のつながりはJAそしきでもある
変わらない変わらない増えた変わらない 増えた→こくベジの取り組みが注目されることによって市内にとどまらず他地域の農家とのつながりが増えた。
変わらない変わらない変わらない変わらない変わらない 増えた→飲食店の迷惑にならぬよう、ある程度余裕のある生産にしている。また注文数も増えているため
増えた変わらない増えた変わらない 増えた→こくベジの飲食店へはできるだけ足を運び店長と直接話をするよう心がけている。その中で新たなニーズに応えているため。 増えた→これまでの収入にこくベジ便の収益が加わったから。 増えた→飲食店には行くように心がけ、圃場の見学受け入れ等、接点を持つように心がけているため。 他の農家とのつながり
変わらない
増加傾向→こくベジ便が扱う店舗が年々増えているのと、トマトフェスタ、うどフェスタ等、イベントも増えているため
変わらない
増加傾向 こくベジ便への出荷量生産量栽培品種収益飲食店とのつながり
変わらない→120%で労働しているので、増やせない。また、労働力が低下すれば、今後減る予定。 変わらない変わらない変わらない 変わらない→直売会の会員の為、国分寺のエリート農家の方々と元々、つながりを持てていた。
変わらない