r., 齢r t
b)ひび割れ発生状況(終局時)
真2.2.3 HPFRCC梁のせん断裂破壊性状100)
38一
2.3 爆発荷重を受ける鉄筋コンクリート版の挙動に関する既往の研究
2.3.1 鉄筋コンクリート構造物の耐衝撃性に関する研究の動向101・ 102・ 103・ 104・105)
従来,土木分野で対象としてきた衝撃荷重を受ける構造物としては,落石防護工や砂防 ダム,道路のガードフェンス等があり,衝突体の質量が大きく衝突速度が数m/s〜数十m/s 程度の低・中速衝突現象が対象であった。一方,建築分野では,原子力発電関連施設や社 会的に重要な構造物の建設にあたり,航空機衝突などを想定した飛来物(Missileあるいは Projectile)による衝撃外力に対する耐衝撃性の検討が必要とされている。この問題では,
衝突速度が約200m/sのいわゆる高速衝突現象が対象となる(表2.3.1,表2.3.2)。
飛翔体の高速衝突に対するコンクリート構造物の耐衝撃問題は,1930〜40年代に入って 軍事的な必要性から我が国や諸外国で研究が行われており,耐爆・耐弾構造設計のための 局部損傷(貫通・裏面剥離)の評価式(修正Petry式,浜田式, ACE式, NDRC式など)
や設計法が各国で提案されている。1945年以降になると,衝撃研究は一部を除き衰退して いった。ところが,1970〜80年代に,欧米における原子力発電所の建設に際して航空機の 衝突に対する安全性検討の必要性から,再び高速衝突問題に関する研究が行われるように なった。すなわち,米国では竜巻により巻き上げられた電柱等の飛来物あるいは航空機や 破損により飛散した発電機のタービンブレードの原子力発電施設への衝突問題があり,ド イツ・フランス等のヨーロッパ諸国でも航空機の墜落事故を対象とした鉄筋コンクリート 構造物の耐衝撃設計に関する研究が行われた。その結果,新たな損傷評価式が次々と提案
されている(修正NDRC式, Ammann−Whitney式, IRS式, Bechtel式, Stone−Webster式,
Kar式, CEA−EDF式, Degen式, Chang式, Halder−Miller式, Adeli−Amin式など)。これら
の式の詳細については,文献101)を参照されたい。我が国においても,原子力発電所や その関連施設等の重要構造物には,従来から行われている静的・動的な構造設計に加えて,
航空機等外部からの飛来物による衝撃荷重を考慮した設計が必要とされている。最近では,
青森県六ヶ所村に建設された核燃料サイクル再処理工場施設がその実施例であり,実戦闘 機を用いて行われた衝突実験の結果を反映した安全設計がなされている。
2001年9H以降は,第3期として,航空機衝突に対する一般高層建築物および爆破テロ に対する鉄筋コンクリート構造物の耐衝撃性に関する新たな研究が国内外において必要と されている。これに対して,平成16年度には文部科学省の基礎研究のひとつとして「重要 構造物の耐衝突・耐爆性能評価と防止対策」に関する調査・研究が,建築・土木・機械工 学の研究者グループによって行われている。テロ攻撃の目標を特定することは極めて困難 であるが,万が一攻撃に遭った場合とその後の影響を想定したシナリオとその対策は,安 心・安全確保の観点から民間施設においても必要とされる時代になりつつある。
2.3.2 衝突・爆発荷重による鉄筋コンクリート構造物の破壊形態lo1・102・103・lo4・lo5)
物体の衝突や爆風圧の作用を受ける鉄筋コンクリート版部材には,図2.3.1に示すよう な局部破壊(Local damageまたはLocal・failure)または曲げ・せん断等の全体破壊が生じる。
局部破壊は,さらに表面破壊(Cratering),貫入(Penetration),裏面剥離(Scabbing, Spalling
一39一
轟O
表2.3.1 土木・建築分野における衝撃問題の分類101)
衝撃外乱
i衝突体)
対象構造物 i被衝突体)
衝突体 被衝突体 衝撃の
嵭゙
柔/剛 速度 柔/剛衝撃の
謨ェ
発生
p度
土石流 砂防ダム 繰返し 柔 101m!s 剛 ソフト 大
落石,流木,雪崩 軍戸,トンネル, 緩衝材有 101mls 柔 ソフト
ケ路,橋脚 緩衝材無 繰返し 剛 剛 ハード 大
自然的
波浪,氷塊 防波堤,港湾施設,
C岸・海洋構造物 繰返し
柔 100m/s 剛 ソフト 中
地震動 建物 繰返し 一 100m/s 柔/剛 ソフト
中
竜巻 構造物,建物 単一 一 lolmls 柔/剛 ソフト 小
危険物の爆発
i石油,LPG,火薬,ガス類) 工場,倉庫建物 単一 柔 103m!s 柔/剛 ソフト 小
重量物の落下 工場,倉庫の床 単一 剛 100mls 剛 ハード 中
車両の衝突 車両,道路橋橋脚,高欄 単一 柔 101m/s 柔 ソフト 大
人為的
船舶の衝突 船舶,橋脚,
C岸・海洋構造物 単一
柔 100m/s 柔/剛 ソフト
中
航空機の墜落 原子力関連施設ほか
d要構造物 単一
柔 102mls 剛 ソフト 極小
タービンミサイルの衝突 原子炉建屋 単一 剛 102m/s 剛 ハード 極小
キャスクの落下 道路 単一 剛 102mls 剛 ハード 小
挙一
表2.3、2 土木・建築分野における衝撃問題の特性101)
載荷速
x(m/s)
O lOo 102 103 105
関連
柾ロ
船舶の衝突
Lャスク・重量物の落下
@ 土石流,落石
波浪,地震 危険物の爆発
@ 車両の衝突タービンミサイルの衝突
@ 航空機の墜落
@ 車両の速度 小銃弾,砲弾の速度
@ 航空機(ジェット)の速度
@ 軽飛行機の速度 爆薬の爆速
(油,LNC火薬,ガス)
@ 高石の速度
歪速度
i1/s)
10 8 10爾7 10 6 10 5 10 4 10−3 10鱒2 10−1 100 101 102 103 104 105 106 107
静的実験 準静的実験 高速載荷実験 衝突・衝撃実験 クリープ・静的 準静的 中間的歪速度 高ひずみ速度 試験法
一定荷重・一定応力 レ荷試験機
油圧・ギヤ式高速載荷試験機 エアガン方式 転円盤方式 ホ薬推進方式 d錘落下方式 oネ・振子式
爆発による
ユ撃
ガスガン,爆発によ 阡ュ射される衝撃 戟[ルガン
クリープ速度 一定歪速度 試験体の共振 弾塑性波の伝播 衝撃波の伝播 動的
果
慣性力無視 慣性力の影響大等温的 断熱的
またはEjecting),貫通(Perforation)など,図2.3.2に示す破壊形態に分類される。全体 破壊は,①衝突体の質量・剛性が比較的大きく衝突速度が小さい場合,②衝突速度は比 較的大きいが剛性が小さいために衝突体自体が衝突時に変形する場合,③爆発物の爆発位 置(爆源)から構造物までの距離が大きい場合,の衝撃現象に見られる。局部破壊は,主 として物体の衝突速度が大きい場合(数十m/s〜数百m/s)あるいは二二が構造物にi接触ま たは近接している場合に生じる現象であり,構造物の破壊を力学で評価できない点が難解 な問題である。局部破壊のうち,「貫入」は飛翔体がコンクリL一一・・ト部材中に停留する現象で ある。「裏面剥離」は衝突位置の裏側のコンクリートが破片化して飛散する現象であり,衝 突あるいは爆発載荷により発生した応力波(圧縮)が版一方向に伝播し,反対側の自由端 面に達して反射した際にこれが引張応力波に変わり,このときの引張応力がコンクリート
爆発
衝突 RC建物