「神娘 !ここは谷公 山だ。苦 しめ られているのは俗世で仏を拝むお婆 さんだ。」「こんな ことを聞いて、 どうも理解できないな。 どうして仏を 拝む ことで苦 しめ られているか。仏 を拝む と、そのうち悟 りを開くはず だろう !どうして紫香山で仏 を拝む者 に会 ってか ら、 ここでまた仏 を拝 むお婆 さんに会 ったのか。」「神娘 !紫香山の上にいた人たちは仏の名義 でお金 を編 し取る者だった。 ここの谷公山の上では、読経を頼 まれた時 に、 もっぱ ら他人のことをあれ これ と批評 して、読経せず に、ただお金 をもらう者だ。」
俗世で出鱈 目を言 うのは自身の罪 になって、谷公山の上で刑罰を受け る。
俗世で どんな ことをしたか、冥土の役所はまじめに扱ってやるのだ0 命数が尽きて亡 くなる。地獄の門まで押送され苦 しめ られる。
十八年苦 しめ られた後 に、再び人間 として俗世に生まれ変る。
台詞
神娘は俗世か らここに来た。俗世の罪人を戒めて下 さい。
仏門に入って読経する気があれば、真心 を込めて仏法 を学ぶべきだ0 俗世で充分に福 を享けて もいいが、仏門に入 って、罪作 りをしてはい けない。
俗世で善行 を積めば、必ず しもここで苦 しめ られ る とは限 らない。
内壇で紙銭三枚 を捧げて、神娘 と金童、玉女はそれ を分 けて享 ける。
左 に長 い旗、右 に天蓋、 白檀 のお香のかお りが漂 って道案 内す る。
第五殿の門前に着 いた。五殿 には森羅大士王がいる。
森羅大士は出迎えて、慮 山の神娘 を迎 える。
神娘 !あなたは西天の仏 の子で高貴な方、 どうして五殿 に来たか。
わた しは李十三 のために来た。彼女は難産で冥土 に行 った。
九回竜角を吹き鳴 らして も生き返 らなかった。李十三 をわた しに返 し て下 さい。
昨夜、十三は五殿で審 問された。今 日は六殿でその 自供 を聞かれ る。
神娘は別れを告げて立つ。産山の陳太陰を見送 る。
外壇で闇魔王 に馬一匹を捧げて,五殿 の森羅王は安座す る。
聖母 を迎えた り、見送 った りす る功労は大 きい。 自ら宝の馬をもらっ て俗世を加護す る。
内壇で紙銭三枚 を捧げて、神娘 と金童、玉女はそれ を分 けて享 ける。
左 に長い旗、右 に天蓋、 白檀 のお香のかお りが漂 って道案内す る。
宇紙 山、金銀山、破銭 山に着 いた。神娘は話 し出す。
金童お兄さん、玉女お姉 さん !
今来た処は どこか。そ この人たちは どうして苦 しみ を受けているのか。
神娘は蓮の花の座席にお座 りなさい。 ここの関の ことを話 して上げ よ
う。
「そ こで苦 しみ を受けている人たちの中には、金銀の紙銭 を売る人が ある。彼 らは劣悪な晶でみだ りにお金 を儲 ける。俗世で字 を書いてある 紙 をみだ りに捨てる人、銅銭 を作 る時に穴 を開けない人 もその中にいる。
とにか く、文字 を踏みにじる人、劣悪な品を売る人、粗末な物 を作 る人 たちだ。」
(33)ブタ
歌 う
37(34)
俗世でお前は どんな ことをやったか。冥土の役所はまじめに扱 うのだ。
命数が尽きて亡 くなると、お前は十八年の苦 しみを受けるようになる。
十八年苦 しみを受けた後 に、お前を俗世へ生まれ変 らせる。
貧乏な人は どんな人の生 まれ変 った者か、それは金銀の紙 を売る者 だった。字の書 いてある紙 を踏みにじる人を、俗世の愚かな者に生まれ 変 らせる。
神娘は俗世か ら来た。俗世の罪人 らを戒めて下さい。
商売をするには公正に取引すべきで、表面上では売って、ひそかに編 すべきではない。文字は万里の山河の一点の墨で、俗世で文字 を踏みに
じるべきではない。
俗世で善行 を積めば、必ず しもここで苦 しみを受けるとは限 らない。
南港で功徳 を成 し、済度 を受けて銀銭 をもらう。
罪 を赦免 し、恨みを消 して災難 を解除する。
内壇で紙銭三枚 を捧げて、神娘 と金童、玉女はそれを分けて享ける。
左 に長い旗、右 に天蓋、 白檀のお香のかお りが漂 って道案内する。
第六殿 にの門前に着いた。六殿 には正に下城王がいる。
下城王大士は出迎え、慮山の陳神娘 を出迎える。
神娘 !あなたは西天の仏の子でなん と高貴な方だろう。何のために俺 の六殿 に来たか。
わた しは李十三のために来た。彼女は難産で冥土に行 った。
九回竜角を吹き鳴 らして も生き返って来なかった。李十三をわた しに 返 して下 さい。
昨夜李十三は六殿で審問されたが、今 日は七殿でその自供を聞かれる。
神娘は別れを告げて、閣魔王は見送 り、慮 山の陳太陰を見送る。
外壇で闇魔王に馬一匹、六殿の下城王は安座する。
聖母 を迎えた り、見送った りする功労は大 きく、 自ら宝の馬をもらっ て俗世を加護する。
左に長 い旗、右に天蓋、 白檀のお香のかお りが漂って道案内する。
門前に洗衣事 に着いた。慮山の神娘は聞き出す。
今来た処は どこか。 どうして ここで苦 しみを受けているか。
台詞
歌 う
神娘は蓮の花 の座席 にお座 りなさい。 ここの関の ことを話 して上げよ
う。
「ここは洗衣事だが、聞き苦 しい言 い方な ら剥皮事だ。一部分 の金持 は良心がな く、た くさんの綿な どを出 して、女郎買いや賭博 をした り、
負債の人の着物 を剥いだ りして、悪事 をはた らき、 自分 の賓択な生活 に だけ気 をとらわれて、百姓 を害する。」
俗世でそんなに悪事 をはた らくな ら、冥土の役所はまじめに扱 ってや る。
お前の筋を引出 し、皮 を剥いで、 山犬や犬 に生 まれ変 らせ る。
内壇で紙銭三枚 を捧げて、神娘は金童、玉女 とそれを分けて享 ける。
左 に長 い旗、右 に天蓋、 白檀 のお香 のかお りが漂 って道案 内す る。
第七殿 の門前に着 いた。お経 を聞 く者は三本の線香 を立て る。
三本の線香 を立てば寿命が加え られ、福が高 く、寿命が長 くなる。
聖母は着 いた、第七殿 に。七殿 には泰 山王がいる。
泰 山大士王は出迎え、慮 山の陳神娘 を出迎 える。
神娘、 あなたは西天の仏 の子で、高貴な方だ。 どうして俺 の七殿 に莱 たのか。
わた しは李十三のために来た。彼女は難産で冥土 に行 った。
九回竜角を吹き鳴 らして も生き返 らなかった。李十三 をわた しに返 し て下 さい。
李十三は俺の七殿で審問された。李十三は ここに入 ってか ら出 られな い。
わた し神娘 に十三 を助けさせて もらえばわた し神娘への恵みになるこ とだ。
「わた しはもう間に合わない と心配 したが、幸 いに間に合 った !間に 合 った以上、わた しに彼女 を助けさせないことはないで しょう !」
わた し神娘 に十三 を助けさせて もらえば、神娘へのお恵み になる。
十三は天上の法律 に背いた罪 をおか したので、君 に助 けさせ る ことは できない。
わた し神娘 に十三 を助けさせて もらえば、仏 の顔 に免 じて、有 り難 く
(35)36
台詞
思 う。
君に助けさせないな らどうするか。そ うな ら十四がさわが しいと言わ ないで。
わた し神娘 に十三 を助けさせないな ら、 あなたは ここで安 らかに休む ことが許 されない。
こんな激 しい言葉 を俺 に使 ってはいけない。俺泰山王は気 にせず、鷲 くことがない。
「あなたはわた しを恐がる と思 ったが、わた しを恐が らないな らいい のよ !あなたの泰 山殿は長年の間修繕がされなかった。新 しいのに換え て住んで ごらんなさい。」と神娘は言いなが ら、九子、九馬、九牛耕地の 法 を行 うと、泰 山殿はガ ラガ ラと音 を出 した。 ほん とに可伯い ことだ !
「神娘、止めて下 さい !あなたのよ うな立派な方が ここに来て、助け させないはず はない。陰陽官、太婆爺、牢屋 を開けて、助けてや りたい 人を助 けなさい !俺はもともとあなたの慮 山の法 を試 してみたかったか
ら、そんなふ うに言 ったのだ。」
「わた しを恐が るのは真の ことで、わた しを恐が らないのは偽 りの こ とだ。わた しが助け られ るか どうか、お話 しを聞きたい。」と神娘は言っ た。
歌 う 神娘は九年 の法で泰 山殿 を耕 したか ら、君の若い命か ら三年の寿命 を 減ず。
台詞 「生死簿はあなたの手 に握 られているものだ、何年か減 らしたいな ら、
減 らして もいい !」
歌 う 内壇娘々馬‑駕、慮山の神娘の若 い寿命は減 らされた。
台詞 李十三は血河で苦 しみ を受けている。
八殿都市王、九殿平等王、十殿転輪王に三回拝んでか ら、十殿 を退出 する。
外壇財喜馬而駕、暗闇の中で獄官は獄の門をあける。
内壇娘 々馬‑駕、慮山の神娘の明るいお姿が現われる。
血河、血汚、血紫池、血陰、血冷、五重の獄 を通 る。五五二百五、五 五二つの五、零零照分派。
〟 (36)
歌 う
歌 う
神娘は血河地獄 に来た。血河は溢れている。重罪の人たちは髪の毛ま で溺れ、罪の軽い人たちも胸 まで溺れている。
「俗世の人たちは こんなに重罪 を蒙 っているのか。」 と神娘は言 うと、
黄牛接 の法 を行 って、血河 に突 きあたって こわ した !
神娘は血河 に突きあたって、血河 をこわ した。血の流れが浅 くなった ので、重罪の人たち も胸まで しか溺れないよ うになった。
神娘は血河 をこわす重罪 を犯 したので、若 い命か ら三年の寿命が減 ら された。
内壇娘々馬‑駕、慮 山の神娘 は若い命か ら寿命が減 らされた。
「誰が李十三か。」 と神娘は聞 く。 「わた しは李十三だ !」神娘はす ぐ に手 を伸ば して彼女 を引き上げ よ うとした。 「神娘、 あなたは引き上げ られない。彼女は千斤槌でそ こにしっか り打込 まれている !」
神娘はただちに度生の呪文 を唱えだ した。
「南無阿弥多婆夜、移他伽多夜、移地夜他、阿弥利移婆耽、阿弥利移 枇伽蘭、移伽弥賦伽伽那、快移伽棟婆婆詞。」
聖母は超生の呪文 を唱えだ して、罪 を赦免 し、恨みを消 して、千万の 災難 を解除する。
内壇娘々馬一駕、十三 さまは獄の門を出る。
ここは正に血河獄で、血河地獄の ことを話 して上げよう。
血河地獄 とは どういうところか。俗世の婦人は妊娠す る。
妊娠 しているうちに、川の流れで着物 を洗 う。
その汚水は竜王殿 に染透 したので、文書が十殿王 に届 け られた。
十殿の闇魔王は、そんな罪人 らを責める。
命数が尽きて亡 くなって、血河地獄の門に押送 される。
十八年の苦難 を受けた後 に、人間 として俗世 に生 まれ変 る。
人間 として生まれ変 って も、男に生まれ変 ることは絶対できない。
神娘は俗世か ら来た。俗世の罪人 らを戒めて下 さい。
妊娠 した時には、部屋の扉 を閉めて、着物 を洗 うべきだ。
下着が太陽や星に照 らされてはいけない。血生臭 いにおいが天 につ く と、罪 になる。
(37)34