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で締結し た雇用契 約におい てはXの 業務内容 がA営業 所長と定 められて いる。

(→勤務 地限定の 合意まで はないと の認定))

・XがY社との間で締結し た雇用契約においてはX の業務内容がA営業所長 と定められている。

・Xは、A営業所を設立し た後はA営業所長に就任 することが予定されていた が、会社設立時のXの肩 書は管理部支店長であ り、大阪本社に勤務してい た。

①人員削減の 必要性

②解雇回避努 力を尽くした か。

③被解雇者選 定の妥当性

④手続の妥当 性等

(→以上を総 合考慮して判 断するのが相 当。)

②につき

Xの雇用に関しては勤務 地限定の合意はなく、A営 業所が設立されるまでは 大阪本社で勤務していた こと、A営業所長に就任す ることを前提に雇用されて いるが、他の従業員ととも に営業活動を行っていた ことからすると、営業担当 の社員として大阪本社に 配転することの検討の余 地がないとはいえない。

解雇無効

使用者側の 勤務地限定・

職種限定→

営業所閉鎖 による解雇の 主張に対し、

判決は勤務 地限定の合 意を否定。

資料シ

労働政策研究・研修機構(JILPT)

-167-

35 PwC

フィナンシャル・アドバイザー・サービス事件・東京地判平成

15・9・25

労判

863

19

【Sheet35を貼付】

請求原因等 限定性に関する当事者の主張

限定性に関 する明示の

有無

限定性の程度および判断要 素

解雇の効力に 関する判断枠組

限定性が解雇の効力の判断 に及ぼす影響の有無・程度

結論 備考

地位確認 等請求

使:

・新設したM&Aアドバイザリーグループ部門に所属でき るのは、必要な専門能力を有する者のみであったが、Xは M&AA部門で要求される専門知識及び能力を持ち合わ せておらず、職場がなくなった。

・Y社における他部門は高度に専門化し、経験者・専門家 のみを採用しており、他の部門で必要な実務経験、十分 な知識、マネジメント能力及びコンサルタントとしての素養 を欠くXの配置転換は困難。

・Y社のように高度な専門家集団において、社員全員に対 して一律の希望退職者募集の実施は非現実的。

・Y社が社員を採用する際、当初から専門家としての能力 の発揮を前提とし、Xも、当初から部門で必要な能力を備 えた経験者として採用し、即戦力を期待される見返りに、

高額の年俸が支払われていた。

→終身雇用制を前提とし、徐々に専門知識や技術を身に つける日本の従来型雇用形態とは、著しく異なる。

・Y社は、M&A部門を増強する必要で、Xが十分な能力を 発揮することを期待し、年収1100万円で採用した。

→Xに対する要求水準が極めて高い。

労:

・Xの他部門への配転可能性が、どのように検討されたの か、全く不明。

・Y社のAIMS部門以外の部門は、その業務が相互に関 連、重複し、Xは、これらの部門で業務を遂行する能力を 有していた。

・Y社では、部門間の異動が頻繁かつ大規模に行われて いる。

・M&AA部門はIB部門を名称変更したものにすぎず、独 自に要求される専門能力は観念し得ない。

・Y社は、年功序列の組織構成で、人事異動や評価も、人 的要素を重視した主観的な判断に基づく。

→能力不足による解雇が認められるためには、一般の裁 判例と同様、著しく能力が劣り、しかも向上の見込みがな いことが必要というべき。

△(マネー ジャーとし て採用)

・Xは人材紹介会社の紹介により、Y 社の採用面接を受けた。

・Xは、A社の営業を1年、B社の経 営企画を3年経験していたにすぎ ず、コンサルティング業務に必要な 実務経験が十分とはいえなかった が、MBA資格を取得する見込みで あり、既に米国公認会計士の資格を 有していた。

・Y社は、Xをマネージャーとして採用 することとし、Xに対し、一般的なマ ネージャーの平均年収1000万円を 上回る1100万円という年収額を提 示した。

・Y社から採用されるに当たって、一 部の者からマネージャーとしての能 力があるとの評価は受けていなかっ た。

・IB部門所属の社員のほとんどが、

BRS部門、V&S部門、M&AA部 門に配置転換となっており、IB部門 でノンバンクの案件を担当していた 2名も、ノンバンクの部門がないM&

AA部門に配置転換となっているこ と、M&AA部門が閉鎖された現時 点においても、Y社は、V&S部門、

BRS部門で、手法は異なるものの M&Aの案件を取り扱っており、M

&Aの市場は、我が国においても広 がっているとして、Y社としても同分 野での業務展開を志向している。

整理解雇として の解雇の有効 性につき…

・人員削減の必 要性

・解雇回避努力 義務(配置転換 の可能性、他の 経費項目の削 減、退職勧奨及 び割増退職金 の提案)

・被解雇者選定 の合理性 能力不足として の解雇の有効 性につき…

・就業規則(就 業態度若しくは 能率が著しく不 適当であると認 められた場合)

該当性→客観 的合理的理由 の有無

解雇回避努力義務および能力 不足解雇の就業規則該当性に つき、左記認定した要素から

→Y社に採用された時点で、Xに 金融・財務に関する実務経験が ほとんどなかったことは明らか で、それにもかかわらず、Y社が Xをマネージャーとして、年収11 00万円で雇用したのは、MBA 資格保有者を確保したいというY 社の事情であり、Xは入社直後 の評価で、マネージャーとしての 能力に疑義があるとされていた がそれは、経験不足によるもの であり、Y社はXに実務経験がほ とんどないことを前提に採用して いる以上、経験不足を理由とし た入社直後における低評価を重 視することは不相当である。

解雇回避努力につき、左記認定 した要素から

→(IB部門におけるマネー ジャーとしての能力が欠如して いるとは認められないXについ て)IB部門と職務の互換性があ る他部門へ配置転換することが 不可能であったとすることはでき ない。

解雇無効

労働政策研究・研修機構(JILPT)

-168-

36

帝国興信所事件・神戸地判昭和

55・3・27

労判

349

37

【Sheet36を貼付】

請求原因等 限定性に関する当事者の主張

限定性に関 する明示の

有無

限定性の程度及び判断要素

解雇の効力に 関する判断枠組

限定性が解雇の効力の判断 に及ぼす影響の有無・程度

結論 備考

地位保全等 仮処分

使:「Y社における職種には、Xが本件解雇 当時所属していた調査員職のほか、入社 当時所属していた総務部内の係のような 内勤職とがあるが、両職種はその職務内 容が全く異なるため、Y社が社員を採用す るに当っては、右いずれかの職種を限定し て採用しているものであり採用試験もその 内容が異なるし、採用時期も異なってい る。Xの場合、当初内勤職で採用され、そ の後同人の希望により、Y社が同意して調 査員に配転したものであるがこの場合にお いても、Xとの労働契約は、調査員としての 職種の限定を伴うものであるとみるべきで あるから、Y社は一方的に右職種を変更 し、或いは右変更請求に応ずべき義務は ない。従って、・・・解雇事由の存否を判断 するに当っても、解雇当時の限定された職 種すなわち調査員職に関して検討すれば 足りる・・・。」

労:「従業員には『調査員』『内勤』という区 分はなく、一律に取扱われており、X自身も

「内勤」の従業員であったものが、配置転 換により「調査員」たる従業員となったもの である。そして『調査員』と『内勤』の業務の 内容は違うものの、それは、Y社内での業 務の割当あるいは分業にすぎず、特殊な 資格者として、特殊な労働条件のもとで採 用され、特殊な就業に関する規律に服する ものでないことは、就業規則や、Xが配置 転換される際に何らの資格試験受験や講 習の受講も要しなかったことからも明白で ある。従って、仮にXに『調査員』として業務 能率が著しく劣り、または、業務習得の見 込みがなかったとしても、『内勤』社員とし て右各事由が存在しなければ就業規則上 解雇事由は存在しない・・・。」

○(興信所 の調査員)

・内勤職と調査職は、職務内 容が全く異なること。

・内勤職と調査職は、給与構 成も異なること。

・一般に採用に当っては、内 勤職と調査職は、それぞれ 職種を限定して別個に採用 試験をしたうえ各職種の者を 採用していること

就業規則上の 解雇事由(「業 務能率が著しく 劣っていると き」)該当性

「・・・内勤職と調査員職はそ の職務内容が前述したよう に全く異るうえ、・・・右各職種 はその給与構成も異ってお り、一般にその採用に当って はそれぞれ職種を限定して 別個に採用試験をしたうえ各 職種の者を採用していること が疎明され、これらの点から みるとXとY社間の労働契約 においても、調査員としての 職種の限定がなされているも のと解すべきであって、その 解雇事由の有無を判断する に当っても、調査員としての それが基準とされるべきであ る。」

解雇無効

X側は「Xは・・・入 社以来約3年10 か月の間内勤業 務を継続してき たものであるか ら、もしXに調査 員としての適格 がないというのな らXを内勤事務に 配置転換するこ とを考慮すべき である。しかる に、Y社は、本件 解雇前にXに対 し依願退職の勧 告をした際、内勤 事務に戻る意思 の有無について 全く打診していな い」として、解雇 権の濫用につい ても主張してい た。

⇒但し、本件に おいては、そもそ も就業規則上の 解雇事由該当性 が否定されてい るので、この点に ついて裁判所は 判断していない。

資料シ

労働政策研究・研修機構(JILPT)

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