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I ‑ I
12肋骨 の長 さは、研究者 の経 験 に基 づ いて判 断 されて い る。
第 12肋骨 の長 さは、腰肋 の 出現 や仙 前椎 の数 に関係 して重要 な指標 とな る。 第 12肋骨 が極 め て長 い場 合 には、第 13肋骨 (第 1腰椎の 腰肋 )の 出現 や腰 椎数 の増加 を伴 って、脊柱 の延長型 が多 く出現 し、反 対 に、第 12肋骨 の欠如 (胸腰 椎 も含 む )や極端 に短 い場 合 には、仙前 椎 が減 少 して 脊 柱 の短 縮 型 が 多 く出現 して い る (Lane.1885/ 1886;
Low,1889/1900;Gladstone.1896/1897,1911/1912; 和 田,1938)0 この よ うな因果 関係 はその ほか 、次項 目に挙 げ る研 究者 に よって確認 さ れて い るQ また 、Bardeen (1901/1902)、Horvitz (1939)..工 藤 ( 1984)らは、分 岐神経 の形状 が 、第 12肋骨 の長短 に対応 して変わ る こ
とを報告 して い る0
第 13肋 骨 川要肋 ) の 出現 は 、Bardeen (1900)は908体 中 6体 ( 0. 7%)、Adolphi(1905)は83体 中4体 (4. 8%)、Fischel ( 190鋸 は524体 中35体 (6. 7%)、Hasebe (1913)は18 1体 中
11体 (6. 1%)t早 野 (1927/1928)は197体 中 15体 (7. 6%
)、福 元 (1930/1931)は498体 中3 1体 (6. 2%)に認 めたO 今 回著者 は、第 12肋骨 の長 さを計測 し、 これ と梨状筋貫通現象 との 相互 関係 を 192体 380側 につ いて調査 した (図3‑ 1)。 第 12 肋骨 の最 大値 として 、正常例 (
Ⅰ
型 )の 同一個 休両側 の18. 2cm
、 次 いで貰通例 の 17. 0cmを記録 した。 最小値 は3cmで、正常例 1側 と貫通例 1側 に認 め た。 第 12肋骨 の長 さは、梨状筋貫通型 の正 常 あ るいは異常 を問わず 、ほぼ4‑ 16cmの範 囲 に収 ま り、特 に8‑14cmに集 中 して い る。 第 12肋骨 の欠如 は、正常例 の227側 中 6側 (2. 6%)、貫通例 の 153側 中3側 (2. 0%)に認 め た。
欠如例 で は、骨性 癒着 の突起 が残 存 し、その長 さは約2‑ 3cmであ っ た。 正常例 と貫通例 を比較 して も、第 12肋骨 の長 さに特別 の変化 を 認 め なか った。
なお、第 13肋 骨 は、梨状筋 貫通型 の正常例 と貫通例 の各 1体 、合計
‑ 83‑
表3 第12肋骨の長 さと梨状筋貫通の関係 (192体 380側 )
第12肋骨 貫 通 型 例
数 の長さ Ⅰ ⅠⅠⅠ ⅠV V VⅠ〜ⅠX X XⅠ〜XHⅠ (出
現頻度 ) 欠如 .短 い
正常
長い 26(59%) (146%) 11( 1 263 (69.2%)44 (73 (19.2%)ll. 6%) 25%) (2%)
16
1 5 5 25 60 2 5
(61%) (2%) (2%) (lox) (23%) (1%) (2%) 40(55%) (54%) (11%) (75%) 2 1( 1 1
29%) (1%) (1%)
計 22
7 9 6 36 92 3 7 380側
(60%) (2%) (2%) (9%) (24%) (1%) (2%)
第12短い : 5.0cm以下、 正常 : 5. 1‑ 13.4cm、 長い : 13. 5cm以上肋骨の長 さの判定 (実測値)
図3‑2 第 12肋骨の長 さ と梨状箭 貫通の関係
(380側)
1 00%
%0 梨 5 状筋貫通の 例
数と 割
合 44例富三‡ミ 263例 7
2体4側 (0. 9% )に 出現 、長 い もの で8・ 5cmに達 し・短 い場 合 は
3. 0
cmを記 録 した 。 第13
肋 骨 の 出現 例 で は 、第12
肋 骨 の伸 長 を伴 って い た 。第 12肋 骨 の長 さ を5. 0cm以 下 を短 い 、5・ 1‑ 13・ 4 cmを 正 常 、
13. 5
cm以 上 を長 い と区分 して 、 これ と梨 状 箱 貫 通 現 象 との 相 互 関係 を調 査 した (表 3 )。 第 1 2肋 骨 の 短 縮 型 と 欠 如 例 は 、 38 0側 中 4 4側 (l l. 6% )、正 常 型 は2 6 3側 (6 9・ 2% )、 延 長 型 は7 3側 (19. 2% )に認 め た o これ ら3群 にお い て 、梨 状 筋 貫 通 の Ⅰ型 (正 常 例 ) は そ れ ぞ れ 、2 6側 (5 9% )、 16 1側 (6 1%)、4 0側 (5 5% )に 出現 し、 そ の頻 度 は ほ ぼ等 し く、 また各 群 に お け るⅤ型 、ⅤⅠ〜IX型 、XI〜XIII型 の 出現 頻 度 も、 ほ ぼ 同 じ値 を示 した 。 3群 に お け る梨 状 筋 貫 通 (上 孔 通 過 を含 む )は 18側 (4 1%
ト 10 2側 (3 9% )、3 3側 (4 5% )に認 め られ 、 そ の 出現 頻 度 は ほ ぼ一 定 して い た 。 そ れ ゆ え 、肋 骨 の長 さ と梨 状 筋 貫 通 現 象 の 問 に は、 特 別 の 関係 は な い と判 断 した (図3‑ 2 )o
表 4‑ 1 仙前椎の構成 と分類 (224体)
ll 5 1( 0.4%
)
12 4 6 ( 2
.7%)
ll 6
3 ( 1.3%) ll/ 12* 6/ 5* 2 ( 0.9%)
」 196 (87. 5%
)
13 4 1 ( 0.4%
) 12 5/ 6*
5 ( 2.2%) 12
6 9 ( 4.0%)
L 13
5 1 ( 0.4%)
*一一一左
4.仙 前椎 の数 と梨状筋貫通 の関係 (表4 ,図4)
頚椎 7個 、胸 椎 12個 、腰 椎 5個 の可動椎骨 は、仙 前椎 と総称 され、
正常例 では24椎 か ら構成 され る。 第 12肋骨 の欠如 、第 13肋骨 の 出現 、第 5腰 椎 と第 1仙椎 問の移 行椎 の 出現 に よって、仙 前椎 の数 に変 化 が生 ず る。
今 回の研 究 で は、哨乳類 の頚椎 は7個 とほぼ一 定 して いる ことか ら、
第 1胸 椎 か ら数 えて、仙前椎 の数 を算 出 した。 臨床 的 には レ線像 に よ って 、腰仙椎 の数 が算定 され 、椎骨全体 の数 が不 明の こ とが多い。
腰 仙移行椎 の出現 は、解 剖実 習体 にお いて は、Paterson (1892/1893) は2 66休 中 1体 (0. 4%) 、神 中 (1929)は 159体 中2 1体 (
13. 2%)に認 め た。 骨 格標 本 では、Toyoda (1927)は、 172体 中 1
0
体 (5. 8%
)の腰仙移行椎 を報告 した。 その うち第 25椎骨 の移行椎 を 5体 、第 24椎骨 の移行椎 を 4体 、第 23椎骨 の移行椎 を 1 体 に確認 し、仙 前椎 の短縮 と延長 を各5
体 に認 めた。 横 山 と新 井 (1936/1937)は690休中74体 (10. 7% )、川 口 (1934)は125 体 中5体 (4. 0%)に移行椎 を認 め た。 レ線像 では、坂井 ら (1941 ) は1224体 中266体 (2 1. 7%)、 山口 (1942)は936体 中
223体 (24. 90/o)に腰 仙移行椎 を認 め たが、腰椎 と仙椎 の骨性癒 着 はそれ ぞれ 、57体 (4. 7%)、2 1体 (2. 2%)と報告 してい
る。 福 元 (1930/1931)は、 この よ うな骨性癒着 を498体 中43体 ( 8. 6%) に認 め 、 また、YoungとInce (1939/1940)は 、5 10体 中 33体 (
6. 5%
)に腰仙 移行 椎 を認 め た。仙前椎 の数 が 、正常 の24椎 よ り1個少 ない23椎 は、 いわ ゆる脊柱 の短縮 型 とな り、反対 に、仙 前椎 が 1個増加 した 2 5椎 は、脊柱 の延長 型 とな り、延長型 は短縮型 よ り2‑ 3倍 多 く出現 して い る。 こ こ で
は、腰 仙移 行椎 は第 1仙椎 と数 え、可動椎 か らは除外 して いる。
仙 前椎 が23椎 と25椎 の場 合 を、Fischel (1906)は524体 中それ ぞ れ 14体 (2. 7%) と3 3体 (6. 3%) に、Hasebe (1913)は
‑ 86‑
18 1
体 中5体 (2.8
% )と13
体 (7.2
% )、横 山 と新井( 1 9 3 6 /1 93 7)
は690
体 中2
5体 (3.6%
)と2
7体 (3.9%
)、福崎 (1 9 3 3 )
は231
体 中4
体 (1.
7%
)と5体 (2.2%
)、原 田( 1 9 6 2
) は53
体 中1
体 (1.9%
)と6
体(11.3% )
、竹 内( 1 9 8 0 )
は246
体 中4
体 (1.6%
)と1
7体 (6.9%
)、B e rg ma n ( 1 9 8 8 )
は 748体 中 5体 (0. 7% )と 26体 (3. 5%)に認 め た。 仙前椎 の変化 は、正常 の24
椎 か ら1
分節 の増減 に制 限 されて いる (横 山 と新 井 ,1 93 6 /1 93 7 )
。 それ ゆ え 、 第23
椎 が腰 仙 移 行 椎 とな り、仙 前椎22
のTo yo d a ( 1 92 7)
の1
例 は、極 めて稀 な症例 といえ るoJ o n e s ( 1 9 0 9 /1 91 0 )
は、肋骨 の数 は最 大 で2
個 の増減 が許 され 、10‑ 14
本 ま で変化 で きる と報 告 して いる。 また、原 田( 1 9 62 )
よれ ば、仙前椎 の 数 が増減 す る と、異常 の出現 した部位 が影響 を受 け、他 の部位の長 さは 変 化 しない とい う。哨 乳 動 物 の 進 化 に 伴 っ て 、 仙 前 椎 の 数 は 減 少 し て く る の で 、
Ro s e n be rg r 1 87 6 )
は、脊柱 の短縮 型 は進化型 に、延長型 は祖先 型 (復古 型 )に対応 させ 、頚 肋 の出現 を祖先 型 、第 12肋骨 の欠如 を未来型 と考 えた。 脊柱構成 の変移 に関 しては、頚肋 の 出現 を仙 前椎 の増加 と関逮 させ て 、椎骨 数 の増減 が頭側 か ら尾側 へ、 あ るいは尾側 か ら頭側 への逮 続 的 な全体 的変化 と して理解 す る立場( Adol p hi
,1 90 5 )
と、頚胸部 と腰 仙部 の変化 は互 い に独立 し、2
つ の変化 は胸部 の上下 で緩衝 され る と考 える立場( Ro se n be rg
,1 8 7 6)
もあ る。Fi s c hel ( 1 90 6 )
は、問題 の椎骨 が偶然 、欠如 も し くは増加 した と考 えてい る。仙 前椎 の数 の増 減 は、岬角 の形状 や仙腸 関節 の高 さの変化 、腰仙骨神 経叢 や各神経 の脊髄 分節構成 な どの変化 を伴 って現 われ る
( P a t e rs o n
.1 8 92 /1 8 93;Gl a ds t o n e
,1 8 96 /1 8 97;E i s l e r
.1 8 9 2;B a rd e e n
とEl ti n g
,1 901;
横 山 と新 井 ,1 93 6 /1 937;Ho r wi tz
,1 93 9;
大 内 ,1 951;
工 藤 ,1 9 84 )
。 この よ うな変移 は、下肢帯 の中軸骨格 (脊柱 )への連結 、す なわ ち、寛骨 と仙骨 の連結部位 (仙腸 関節 )の移動 、あ るいは最下腰椎‑ 87I‑
(第 25椎骨 )の仙骨 への吸収 合併 に よって生 ず る と考 え られている ( Roserlberg, 1876;Sherrington, 1892;Paterson, 1888/1889;
Gladstone,1896/1897;Low,1899/1900)0
今 回著者 は、 224体 つ いて仙 前椎 の数 を算 定 した (表 4‑ 1)0 仙 前椎 24の正 常 型 は、 2
0
2体 (90. 2% )に、その うち胸椎 12・腰椎 5の真 の正 常型 は 196体 (8 7. 5% )に認 め た。 仙前椎 の 数 に変化 はない ものの、その構成 に変化 の あ る場 合 、す なわ ち、第 12 肋骨 の欠如 した胸椎 11・腰椎 6、第 13肋骨 の 出現 した胸椎 13 ・腰 椎4、第 12肋骨 が 1側 では椎体 と関節 し、対側 で は骨性 に連絡 した胸 腰 椎 (胸 椎 1 1/ 1
2
・腰 椎6/ 5)
の 各 症 例 は 、 そ れ ぞ れ 3体 (1.
3
% )、 1体 (0.
4% )、 2体 (0.
9% )に出現 した。仙 前 椎 23の脊 柱 の短縮 型 は、 2 24体 中7体 (3. 1%) に 出現 し、そ の うち胸椎 11 ・腰椎 5を1体 (
0.
4%
)、胸椎 12
・腰椎4 を6体 (2. 7%
)に認 め た。 反 対 に 、仙 前 椎 2 5の 脊 柱 の延 長 型 は、15体 (6. 7%
)に出現 し、その うち胸椎 12・腰椎6を9体 ( 4.0% )、胸 椎 13 ・腰椎 5を1体 、第 6腰椎 が仙骨 と骨性 に癒合 す る腰仙移行椎 (胸椎 12 ・腰椎5/ 6
)を5
体 (2. 2% )に認 めた。正 常 型 と比 較 して 、
2
個 以 上 増 減 す る仙 前椎 の異 常 例 は 出現 しなか っ た。 今 回の調査 で も、脊柱 の延長型 は短縮型 の約2
倍 ほ ど多 く出現 し た。蓑 4‑ 1に示 す ほかに、胸腰椎 と腰仙移行 椎 との関係 にお いて、胸椎 11 ・腰椎4/ 5、胸椎 1
2
・腰椎4/ 5、胸椎 12/
13・腰椎6/
5
の各症例 の 出現 が予測 で きるが 、今 回の調 査 で は確認 され なか った0 この点 につ いて は、腰仙移行 椎 の正確 な把握 が 、脊柱管 開放 に よって困 難 な こと、 また今 回の調査 で は、第 1腰椎 の肋骨突起 を詳 しく調査 しな か った ことが関係 す るか も知 れ な い。椎骨数 の異常 と して 、Eisler (1892)は、脊柱 の短縮型 の胸椎 1
2
・ 腰椎 4を 2体 、延長型 の胸椎 12 ・腰椎5
と胸椎 12 ・腰椎5/ 6
を各‑ 88‑
表4‑2 仙前椎の構成 と梨状筋貫通の関係 (224体 445側)
仙前椎の構成 貫 通 型 例
数 胸椎 .腰椎 Ⅰ ⅠⅠⅠ ⅠV V VⅠ〜ⅠX X XⅠ〜XHⅠ (出
現頻度 ) ll.5 2
2 ( 0.4%) 12 .4
ll.6 (587%) (81% 2 2 12 ( 2. 7%)8 ( 1.8%) ) (17%
) (17%)
4 1 3
12 .5
13 .4 242(61%) (310%) 日 %)5 40(l 87 4 8 396 (89. 0%)2 ( 0̲4%) ox) (
22%) (1%) (2%)
l l
12 .6
13 .5 13 3 6 1 23 ( 5ー 2%)2 ( 0.4%) (57%) (13%) (26%) (4%)
l l
計 270(61%) 10(2%) (16%) 47(11%) 99(22%) 日 %)4 (29 445倒
%) 図45側)100% 4 仙 前椎 の構成 と梨状箭貫通の関係(4
%
2体 (腰仙移行椎 4体 )、胸椎 13 ・腰椎 5を 9体 、の合計 13体 に確 認 した。 BardeenとElting (1901)は、短縮型 の胸椎 11 ・腰椎 5を 50体 中 3体 、胸椎 12 ・腰椎 4を 2体 、構成異常 の胸椎 13 ・腰椎 4 を 1体 、延長型 の胸椎 12 ・腰 椎 6を 3体 、胸椎 13 ・腰椎 5を 1体 に 観察 した。 Toyoda (1927) は、胸椎 11 ・腰椎 5を 17 2体 中 1体 、 胸 椎 12 ・腰 椎 4を 4体 、胸 椎 12/ 13 ・腰 椎 5/ 4を 1体 、胸 椎
12 ・腰椎 5/ 6を 1体 、胸椎 12 ・腰椎 6を 4体 と報告 して いる。
Bergman (1988)は、胸椎 12 ・腰椎 4を 748体 中 5体 、胸椎 11 ・腰 椎 6を 4体 、胸椎 12 ・腰椎 6を 2 6体 、胸椎 13 ・腰椎 4を 5体 と述 べて い る。 Lane (1885/1886)は、胸椎 12 ・腰椎 6 (第 13肋骨 が出 現 す るので 、胸 椎 13 ・腰椎 5とも考 え られ る )の 2休 を、 またFujino
(1934)は、胸 椎 12/ 13 ・腰椎 5/ 4 と胸椎 12 ・腰椎 4/ 5の各 1体 を報告 して い る。
仙 前椎 の変化 と梨状筋貫 通現 象 の関係 につ いて、 224体 445側 に おいて調査 した (表 4‑ 2 )C 仙 前椎 が胸椎 12 ・腰椎 5の真 の正常 型 は 4 4 5側 中 3 96側 (8 9. 0% )、仙 前椎 の数 が正常 で もその構 成 が異常 の場 合 (胸椎 11 ・腰椎 6、胸椎 13 ・腰椎 4 )は 10側 、脊 柱 の短縮型 は 14側 、延長型 は 2 5側 に出現 した。 これ らの各群 にお いて 、梨状筋貫 通 の諸型 の出現 頻度 に大差 を認 め なか った。 仙前椎 の 正 常 、異 常 、短 縮 、延 長 の4群 に お い て 、梨 状 筋 貫 通 例 は そ れ ぞ れ 154例 (38. 9% )、 5例 (50. 0%)、 5例 (35. 7% )、
1 1例 (44. 0% )に出現 し、仙 前椎 の変化 と梨状筋貫通現象 との間 に特 別 の関係 を認 め なか った (図
4)
05.岬角 の形態 と梨状筋貫 通 の関係 (図 5 ,表 5)
仙骨底 の骨盤 腔 へ の突 出をなす岬角 は、椎 間 円板 を挟 んで、腰椎前鷲 か ら仙骨 後考 へ と急 に方 向を転 じる。 骨盤 内臓 の収 まる解剖実習体 で も、触診 に よって、岬角 の異常 がお よそ判定 で きる。 仙 前椎数 が正常
90‑
な場 合 には、単一 岬角 と比較 的鋭 い仙骨 岬角 (第 5腰椎 と第 1仙椎 前縁 の なす角度 で 、正 常 例 で は約 133度 )が触 れ る (宮 崎 ,1938/1939;
及川 と相原 ,1953;Junghanns,1971: 野村 ,1985)。 異常 の場 合 に は、第 5腰椎 と第 1仙椎 、あ るいは第 1と第 2仙椎 の椎体上面 が、 2か 所 で前方 へ突 出 し、 いわ ゆる重 複 岬角 を形成 して い る。 その ため、仙 骨 後 考 はなだ らか とな り、第
5
腰椎 か ら仙骨 前面 へ の平坦 な移行 が触諺 で きる。重複 岬角 は、腰 仙 椎移行椎 で は常 時 、あ るいは仙前椎 の構成異常 の場 合 に も認 め ら れ 、 脊 柱 構 成 の 判 定 に 利 用 で き る (Toyoda,1927;
Fujino,1934)。 重複 岬角 の 出現 を、福 元 (1930/1931)は、健常人 と 外来患 者 の合計4 98人 中35人 (7. 0%)に認 め た。 移行椎 と判 断 され ない、椎骨 の半分節 に満 た ない異常 の場合 で も、次 に述 べ る分岐 神経 の形状 の変異 とともに、重複 岬角 が出現 して くる。 それ ゆえ、岬 角 の変化 は、椎骨 の異常 をか な り忠実 に反 映 す る と考 え られて いる (工 藤 ,1984)0
岬角 には形 の変化 の ほか に、高 さの変化 が認 め られ る。 す なわ ち、
岬角 の形 が正常 型 を示 して も、その高 さが通常 よ り完全 に1分節高 い場 合 と低 い場 合 が認 め られ る。 Kopsch (1939)は、脊柱構成 の変異 との 関係 に おいて 、岬角 の形状 や仙骨耳状面 の高 さの変化 につ いて記載 して いる。 今 回著者 は、Rauber‑Kopschの模 式 図 を参考 に して、岬角の形 状 を分 類 した (図5‑ 1)0
仙 前椎数 が正常 な場合 には、単一 岬角 は第 1仙椎 (第25椎 )の上靖 にあ り、 これ を岬角 の 25型 (正常型 ) と分 類 した。 その位置 が正常 型 よ り頭側 に 1分節 移動 した もの を24型 、 1分節尾方 に移動 した もの を 26型 と分 類 した。 前者 は仙 前椎 23の脊柱 の短縮型 に、後者 は仙 前椎 2 5の脊柱 延長型 に出現 した。 移行状 態 と して、脊柱 の短縮型 で は、第
5
腰椎 が仙骨 化 を呈 して 、第5
腰椎 と第1
仙椎 の上端 に重複 岬角 を所 有 す る場 合 (24
・25‑b
型 ) 、第5
腰椎 が仙 骨 と骨 性 癒合 し‑ 91
24(高 い)
図5‑ 1 岬角の形態と分妻貞 (Rauber‑Kopsch.1939に追加 )
24・25‑a 24 ・25‑b 25(正常)
25・26‑a
て 、第
1
と第2
仙 椎 が ともに岬角 を所 有 す る場 合(24
・25‑a
型 ) が 区別 で きる。 脊柱 の延長 型 で は、第 1仙椎 が腰 椎化 を呈 して 、第 1と第
2
仙椎 の上 端 に重複 岬角 を所 有 す る場 合 (25
・26‑a
型 )、第1
仙椎 が第2
仙 椎 か ら分離 して第6
腰椎 とな り、第6
腰 椎 と第1
仙椎 が ともに岬角 を所 有 す る場 合(25
・26‑b
型 )が 区別 で きる。 な お 、 岬 角 の位 置 が正 常 型 よ り2
分 節 上 下 に移 動 す る例 は 出現 しなか っ た。今 回の調 査 で は 、岬角 の正 常 型 (
25
型 ) は、224
体 中158
体 (70.5% )
、1
分節 完 全 に頭 側 移動 の24
型 は2
体 (0.9
% )、1
分節 完 全 に尾 側 移動 の
26
型 は5
体 (2.2%
)、移行形 と して脊柱短 縮 型 に所属 す る24
・25‑a
型 と24
・25‑b
型 はそれぞれ5
体 (2.2
% ) と22
体( 9.8%)
、 また脊 柱 延 長 型 に所 属 す る25
・26‑a
型 と25
・26‑b
型 はそれ ぞれ24
体 (10.7
% )、8
体( 3.6% )
に出現 した。岬角 の形 状 の変化 にお いて 、そ こに 占め る正 常型 の 出現割 合 は、仙 前 椎 数 の変化 にお け る正常型 の それ と比較 して低 く、反対 に、異常例 の 占 め る割 合 が高 い こ とか ら、岬角 の変化 は、 1分節 に満 た ない脊柱構成 の 異常 を反 映 して い る こ とが考 え られ る (表 4‑ 2.表 5 )0
岬角 の形 状 と梨状 筋貫 通現 象 との関係 につ いて、
224
体445
側 に つ いて調 査 した (表5)
。 岬 角 の 位 置 が 高 い (24
と24
・25‑
a,b
型 )、正常 、低 い(25
・26‑a.b
と26
型 )の3
群 にお い て 、 梨 状 筋 貫 通 のⅠ
型 (正 常 例 ) は そ れ ぞ れ 、58
側 中34
側58.6% )
、316
側 中195
側(61.7% )
、71
側 中41
側57.7% )
、Ⅴ
型 はそれ ぞれ11
側(19.0% )
、28
側 (8.9
%) 、
8
側(11.3%)
、 またⅤⅠ 〜 I X
型 は11
側(19.0%)
、71
側(22.5% )
、17
側(23.9% )
に出現 した。 そ こでは 岬角 の形状 に関係 な く、梨状 箭 貫通 の諸型 の 出現頻 度 は ほぼ等 しい値 を 示 した。 これ ら3群 に お い て 、梨 状 筋 貫 通 例 は そ れ ぞ れ 、 24例 (‑ 93‑
衰 5 岬角の形態 と梨状筋貫通の関係 (224体445倒)
岬角の形態 貫 通 型
I Ill IV V VI〜IX X Xl〜XIII
1)JIl 訊 (出現頻度 ) 24 (高 い)
24 ・25‑ a 24 ・25‑b
25 (正常) 25 ・26‑ a
25 ・26‑ b
26 (低 い)
1 2 2
25 (57%)
195 6 5
(B2%) (2%) (2%) 26 4
(58%) (9%) 12
(75%) 3
9 9
(20%) (20%) 28 7 1 (9%) (22%)
5 10 (11%) (22%)
2 1
(13%) (6%)
1 6
計 270 10 6
(61%) (2%) 日 %)
47 99 (11%) (22%)
1 (2Y,)
4 7
日 %) (2%)
4 ( 0. 9%) 10 ( 2. 2%) 44 ( 9. 9%) 316 (7 1. 0%)
45 (10. 1%)
1
日湘 l 16 (10 ( 23. 6%). 2 %)
4 9 44
5倒 日 %)
(2%) 図5‑2 岬角の形態 と梨状筋
貫通 の関係 (
445側 )
(貫通例には上孔通過例 も含める)
%nU5梨状筋貫通の
例 数と
割合 雫
4 1. 4%)、12 1例 (38. 3% )、3
0
例 (42. 3% )に出現 し、 その出現率 が ほぼ等 しい こ とか ら、岬角 の形状 と梨状筋貫通 との問 に特 別 の関係 は ない と判 断 した (図5‑2)
06.分 岐神経 の形 状 と梨状 筋貫 通 との関係 (図 6 ,表 6)
仙 前椎 の数 と腰 仙骨神経叢 の根構 成 は、 ともに同一方 向へ変化 して い る。 脊柱 の短縮 型 で は、腰仙骨神経叢 の上 界 と下 界 は ともに頭側 に移 動 して 、いわ ゆ る前置型 を示 し、そ こに起始 す る神経 の脊髄 分節構成 ち 頭側 に移動 して い る (大 内 ,1951)。 脊柱 の延長型 で は、神経叢 は全 体 と して 尾 側 へ 移 動 し、 各 神 経 の 分 節 構 成 も尾 側 に変 移 して い る ( Gladstone,1896/1897;Paterson,1892/1893)0
神経 叢 の位 置 的変化 は、大腿神 経 あ るいは閉鎖神経 の上 界 と下界の香 髄 神経 の 由来 に よって、腸骨 下 腹神経 と腸骨 鼠径神 経 の脊髄分節構成 お よび最 も尾側 に位 置 す る外側皮 枝 の脊髄 分節 に よって、 さ らには腰神経 叢 と仙骨神経 叢 の双方 に参加 す る分 岐神経 (通常 は第 4腰神経 )の形状 な ど に よ っ て 判 定 で き る (Eisler,1892;Paterson,1893/1894;
BardeenとElting,1901;Jones,1909/1910;Horvitz,1939; 川崎 , 1940;Matuyama,1950;河西 ,1957;森 川 ,1971;工藤 ,1984)。 な お、神経叢 の移 動 にお いて は、 その上界 と下 界 が、必 ず しも等 しく変化
しない ことが指摘 されて い る (Jones,1909/1910;大 内,1951)0 分 岐神経 佃.furcalis)は、 それ を最初 に記載 したJhering (1878)の 大腿神経 、閉鎖神 経 、坐骨 神経 へ と3分 す る脊髄神経 とい う定義 のほか に、現在 で はそれ を広義 に理解 して、腰神経 叢 と仙骨神経叢 の双方 に枝 を与 え る脊髄神 経 と定義 され て い る。 分 岐神経 には、Jheringの い う
3分神経 の ほか に、腰仙骨神経 幹 と大腿神経 に分 岐 す る 2分神経 も含 め て い る (Bolk,1894)。 分岐神 経 は当然 の ことと して、腰仙骨神経叢 の中間 に位置 して 、腰神経叢 、大腿神経 と閉鎖神経 の下界 の脊髄分節棉 成 を表 示 す る ほか に 、仙骨 神 経 叢 、坐骨 神 経 (腰 骨 神 経 と総 排骨神 経
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