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15%

◎ 軽減税率

10%

軽課税地活用 ◎

(註1)実効税率は製薬企業 14 社の 2008 年・2009 年実効税率の国籍別の平均値

(註2)米国・日本の法定税率は財務省試算。米国の試算値は法定税率 28%を前提としているが、製薬企業には更に低い 税率が適用されると考えられる。フランスでは 2011 年 12 月 31 日以降 2013 年 12 月 30 日までの間に終了する事業 年度に法人税納付額に5%の暫定付加法人税が課されており、この間の法定税率は 36.1%となる。

(註3)40%(日本の法定税率の水準)を基準に、以下により実効税率の引き下げ効果を表した。

◎概ね 10 ポイント以上 ○概ね 5~10 ポイント △概ね 5 ポイント未満

図6 法人課税の動向 (青字部分が改定・新規導入)

48

グローバルな競争の中で日本の産業立地の競争力を高めることにより、国内企業の 国際競争力を全般的に強化し、海外企業の日本への進出を促すために、法定税率の一 定の引き下げは必要である。しかし、世界的な構造変化が進展する中で日本の取るべ き進路を考えたとき、それだけでは十分とはいえない。繰り返しになるが、研究開発 の強化を通じてイノベーションを実現することにより世界の人々に貢献し、そこから 得られる成果を国内に還流させて更なるイノベーションに繋げる「成長のビジネスモ デル」を日本に広く根付かせることが不可欠である。その実現のために日本の取るべ き税制は、英国・フランスのような研究開発への投資と知的資産の創造・集積を重視 する税制に他ならない。

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Ⅳ.おわりに

産業が国に根付くためには、多くの場合それぞれの産業特性に応じたインフラの整 備を必要とする。なかでも製薬産業は研究、開発、製造、販売のバリュー・チェーン においてハード、ソフトの様々なインフラを必要としており、製薬産業はこのような 創薬のインフラが整備された国にしか根付くことができない産業であるといっても過 言ではない。各国が創薬の環境整備を競って進める理由もここにある。

医薬品においては発見・開発した化合物自体の機能や化学構造、分子構造の新規性 が極めて重要であることを述べたが、このような発見・開発は医学、薬学、分子生物 学、遺伝子工学、生化学をはじめとする高度なライフサイエンスに支えられており、

ライフサイエンスの基盤のない国に製薬産業が栄えることはない。その意味で製薬産 業は科学に依拠する産業といえる。

この点を幾つかのデータからみてみよう。

30

32

は日本国内の主要な製造業の研究費(自然科学に使用した研究費)を性 格別にみたものである。表

30

は性格別の研究費の金額、表

31

はその構成比、表

32

は製造業全体に占める各製造業の構成比である。性格別に研究費をみると、医薬品製 造業では研究費全体に占める基礎研究費の割合が他の製造業に比較して群を抜いて高 い。製造業全体に占める比率でみても、医薬品製造業は、研究費総額で

11.4

%である のに対して基礎研究費では製造業中で最大の

30.0

%を占めている。製薬産業では科学 の発展に密接に関係する基礎研究の重要性が高いことがわかる。

33

2009

年度の基礎研究費(自然科学に使用した研究費)の研究主体別の構成 を示している。企業の占める割合は約3分の1で残りの3分の2は大学や公的機関で あり、自然科学分野の基礎研究において大学や公的機関の役割が重要であることがわ かる。米国、フランスでは基礎研究費に占める大学・公的機関等の割合は更に高く、

いずれも

80

%を超えている(

2008

年)26)

33

は米国の主要製造業におけるサイエンス・リンケージの推移である。サイエン ス・リンケージとは、米国の特許審査報告書における特許

1

件当たりの科学論文の引 用回数である。特許における科学論文の引用は、特許化された技術が関連する科学的 知識に依拠していることを示していると考えられることから、特許と科学論文の関係 の強さを示す指標と考えられている。医薬品製造業のサイエンス・リンケージは他の 製造業と比較して飛び抜けて高い数値を示しており、ライフサイエンス領域を中心と する基礎研究における科学的発展が製薬産業の技術開発に多大な影響を及ぼしている ことがわかる。

26) 文部科学省 科学技術政策研究所 科学技術指標 2011 米国、フランスの研究費には人文科学も含まれる。

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このように製薬産業は科学に強く依拠する産業であり、国内に競争力のある製薬産 業を根付かせるためには国内における科学の基盤が欠かせない。本稿では創薬環境と して研究開発における投資競争力を支える税制の重要性を論じてきたが、日本を世界 からヒトと企業を惹きつける魅力的な創薬の場とするためにはライフサイエンスの基 盤を支える科学技術政策もまた極めて重要である。

日本が世界に冠たる創薬国となり、日本発の革新的新薬と日本に根ざす製薬企業が 世界中の人々の健康を守り支え、日本の科学技術の発展、経済の成長に貢献する。製 薬産業に身を置く者が願ってやまない未来を実現するために、今まさに、産官学が協 働して創薬環境の整備を強力に推進していくことが求められている。

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表30 主要製造業の性格別研究費(自然科学に使用した研究費) (2009 年度) ①

研究費 (億円)

総額 基礎研究 応用研究 開発研究

製造業 104,226 7,006 22,697 74,523

医薬品製造業 11,936 2,099 4,048 5,789

化学工業 7,545 470 2,102 4,974

鉄鋼業 1,493 119 269 1,105

はん用機械器具製造業 2,686 140 574 1,972

生産用機械器具製造業 4,081 101 466 3,514

業務用機械器具製造業 9,969 364 3,081 6,524

電子部品・デバイス・電子回路製造業 6,783 469 1,510 4,804

電気機械器具製造業 9,603 624 2,776 6,204

情報通信機械器具製造業 17,635 902 3,115 13,619

輸送用機械器具製造業 19,782 721 1,896 17,165

(出所)総務省 科学技術研究調査 (平成22年)

(註)基礎研究とは、特別な応用、用途を直接に考慮することなく、仮説や理論を形成するため、又は現象や観察可能な事実に 関して新しい知識を得るために行われる理論的又は実験的研究をいう。

応用研究とは、基礎研究によって発見された知識を利用して、特定の目標を定めて実用化の可能性を確かめる研究や、

既に実用化されている方法に関して、新たな応用方法を探索する研究をいう。

開発研究とは、基礎研究、応用研究及び実際の経験から得た知識の利用であり、新しい材料、装置、製品、システム、工程 等の導入又は既存のこれらのものの改良を狙いとする研究をいう。

表31 主要製造業の性格別研究費(自然科学に使用した研究費) (2009 年度) ②

研究費総額に占める構成比 (%)

総額 基礎研究 応用研究 開発研究

製造業 100.0 6.7 21.8 71.5

医薬品製造業 100.0 17.6 33.9 48.5

化学工業 100.0 6.2 27.9 65.9

鉄鋼業 100.0 8.0 18.0 74.0

はん用機械器具製造業 100.0 5.2 21.4 73.4

生産用機械器具製造業 100.0 2.5 11.4 86.1

業務用機械器具製造業 100.0 3.7 30.9 65.4

電子部品・デバイス・電子回路製造業 100.0 6.9 22.3 70.8

電気機械器具製造業 100.0 6.5 28.9 64.6

情報通信機械器具製造業 100.0 5.1 17.7 77.2

輸送用機械器具製造業 100.0 3.6 9.6 86.8

(出所)総務省 科学技術研究調査 (平成22年)

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表32 主要製造業の性格別研究費(自然科学に使用した研究費) (2009 年度) ③

製造業全体に占める構成比

総額 基礎研究 応用研究 開発研究

製造業 100.0 100.0 100.0 100.0

医薬品製造業 11.5 30.0 17.8 7.8

化学工業 7.2 6.7 9.3 6.7

鉄鋼業 1.4 1.7 1.2 1.5

はん用機械器具製造業 2.6 2.0 2.5 2.6

生産用機械器具製造業 3.9 1.4 2.1 4.7

業務用機械器具製造業 9.6 5.2 13.6 8.8

電子部品・デバイス・電子回路製造業 6.5 6.7 6.7 6.4

電気機械器具製造業 9.2 8.9 12.2 8.3

情報通信機械器具製造業 16.9 12.9 13.7 18.3

輸送用機械器具製造業 19.0 10.3 8.4 23.0

(出所)総務省 科学技術研究調査 (平成22年)

表33 基礎研究費の研究主体別構成 (2009 年度)

金額(億円) 構成比

基礎研究費 23,877 -

大学等 12,254 51.3%

非営利団体・公的機関 3,618 15.2%

企業等 8,006 33.5%

(うち製造業) (7,006) (29.3%)

(出所)総務省 科学技術研究調査 (平成22年)

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